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Q.4 それはもう親切な幼馴染兼親友が学生時代の女友達に手助けを頼んだらどうなる? A.めっちゃテンション高い状態で乗り込んだ挙句、誘拐します

「はふぅ~。配信も終わったし、寝よ~、っと。くぅ……すぅ……」


 配信を終えた後、ボクは眠気を我慢することができず(とゆーか、我慢する気はない)、そのままお布団にダイブして、もぞもぞとお布団に潜り込んで、そのまま寝息を立てて、夢の世界へ旅立った。



「―――今起きたら、お前の好きなミネストローネ、いなり寿司、えんがわの刺身、それからハンバーグを晩飯に用意してやろう」

「ふあっ! ごはん!」


 ボクの好きなご飯の名前が聞こえて来て、ボクはすぐに目を覚ました。

 それどころか、しゅばっ! というこーか音が付きそーなくらいの動きで、起き上がった。


「おう、起きた。お前、意外と飯で起きるよな。睡眠大好きィ! ってな感じな割に」

「あ、そーま。おはよ~」


 ボクを起こしたのはやっぱりとゆーか、ボクの幼馴染のそーま。


「おうおはよう……って、お前今何時だと思ってんの? 既に21時ですが?」

「ん~? あ、ほんとーだ~。そっかー、配信が終わってから、熟睡しちゃったんだね~」


 そーまに言われてとけーを見れば、短針は9のすーじを、ちょーしんは12を少し過ぎた所を指していた。

 ちらりと外を覗いてみると、寝る前までは明るかったのに、今ではすっかり日が沈んで真っ暗に。


「お前、何時に寝たんだよ……いや、配信が終わったのが、大体15時半くらいだから……五時間くらいは寝てんな」

「えへへ~。照れますな~」


 照れ照れと、頭をさすりながらそう返すと、そーまは少し呆れたように笑った。


「褒めてないが? ったく、ほれ、飯の準備はしてあるから、さっさと出て来い」

「あ~い。ん、しょと……」

「……せめて、パンツは、穿け」

「残念ながら、ボクはパンツを持ってないのだ~」

「はぁ……こりゃやっぱ、頼んで正解だったな」

「ん~?」

「ともあれ、飯にしよう。俺、腹ペコなんだ」

「あれ、まだ食べてなかったの?」

「おう。どうせなら、お前と一緒に食べようと思ってなー」

「おー、さすがそーま。そんなそーまには、あとでボクのロリ裸体を見せてあげよ~」

「おいバカヤメロ!? 俺に襲われたいのかぁ!?」


 あ、顔が赤くなった~。


「あはは~、だいじょーぶ。もしそーなったら……ちゃーんと、へーのむこーにボッシュートするから~」


 にこ~、と笑ってそーゆーと、そーまがちょっぴり顔を青くさせた。


「こえぇよ、お前……。なまじ、本当に塀の向こう送りにしたことがあるだけにこえぇよ……」

「あれは相手が悪いんです~」

「そりゃそうだなー。まあでも、お前同年代と比較すると、財力はかなりある方だしな」

「まーね~。減っても稼げばいーんだよ~」

「そう言えるのマジ強いわ」



 そんな、ちょっとくだらないことを話しながらリビングに行くと、そーまの言ってたご飯がテーブルの上によーいされてた。

 おー、さすがそーま。


「ほれ、冷めないうちに食え」

「あーい。いただきまーす。はむ……んー、美味し~」


 そーまのご飯は美味しー。

 人間、年取って見た目とかせーかくが変わっても、そーまのこれは変わらないよね~。


 ん~? なんか今、頭の中で思ったことがおかしかったよーな……まいっか。


「そーまって、しょーらいいー旦那さんになりそーだよね~」

「その前に俺、彼女がいねぇけどな」

「ん~……でも、そーまって、前に今は作る気はない、とか言ってなかった?」

「考えが変わった。俺の周囲に彼女持ちが増えた。なんかイラっとした」

「そっか~。んー、でも、そーまって、ふつーにモテモテだよね~? 食事にも誘われるらしーし」

「いやー……まあ、あれだよ。俺の本性を知ると、引かれる、的な? だからまぁ、そこそこいい雰囲気になっても、な?」


 ふむふむ、なるほど~……それってつまり……。


「推し活が激しーからじゃないかな~。前に愚痴ってたけど、推し活をするのはべつにいーけど、のめり込み過ぎはちょっと……って」

「畜生ッ! 推し活はッ! 俺の人生なんだよッッッ!!」


 ボクの指摘を受けたそーまは、心底悔しそーな顔になった。

 ご飯ちゅーじゃなかったら、間違いなく机をたたいてたと思う。


「そーだね~。それならほら、VTuber好きの女の人と付き合えばいーと思うよ~」

「難易度たけぇわ。色んな意味で」

「そーなの?」

「あぁ……ぶっちゃけ、地雷であることが多い。って言うかほぼ地雷。SNSで『Vの推し活してま~す♥ 同じV活してる人のお友達が作れたらッて思ってます♪』みたいなことを言ってる奴は、大抵やべぇ奴だ。中には女もいるんだろうが、実際にはネカマが多いとされている。つまり、だ。オタク同士で恋人を作るには、リアルイベントに行かないと無理、ということだ」

「はぇ~、そーなんだ~。大変だね~。もむもむ……」

「俺の幼馴染テキトー……」


 恋愛にはそこまで積極せーがあるわけじゃないしね~。

 あ、ミネストローネ美味し~。


「あぁ、そうだ。お前、明日暇だろ? ってか、しばらく暇だろお前」

「ごろごろするから暇じゃないよ~」

「世間一般じゃそれを暇って言うんだよ」

「そーともゆーかも~。はむはむ……こくん。それで、何かあるの?」

「お前って、その体に合わせた服とかないよな?」

「ないね~。強ーて言えば、検査の時に一着下着を貰ったくらいかな~。それくらいだよ~」


 まー、洗濯はするけど、基本的に家にいるから、二日に一回くらいだけどね~。

 ……えーせー的な意味では、毎日のほーがいーんだけど、めんどー。


「お前マジかよ。……まいいや。明日、三橋呼んだから、お前ちょっと二人で買い物行ってこい」

「三橋さん? 忙しそーだけど、いーのかな?」


 三橋夏葉(みはしなつは)さん。

 ボクとそーまがこーこーせーの時の友達。

 今でも仲がよくて、たまに話すし、お裾分けもくれるからね。

 ちなみに、美人さんです。


「んまあ、大丈夫って言ってたぞ。っていうか、お前のことを話したら、絶対行くってさ。つーか、世話焼きモードが発動してたぞ、あれ」

「そーなの? それじゃー、断れないね~」

「……お前、あわよくば、家のこともしてもらおうとしてないか?」

「そんなことないよ?」

「おう、俺の目を見て言いやがれ」


 あははー、そんなこと思ってないよ~。

 ……ちょっぴりしか。


「まあいいけどな。とりあえず、前まで着てた上着とかなら着れるよな?」

「多分だいじょーぶ」

「なら、それ着てけ」

「うん。そーいえば、この姿で会うのは初めてだな~」

「そりゃお前、基本家から出ないのに、その姿になってから、余計に家から出なくなったからな」

「やー、この体になってから、体力とかやる気が落ちまして~」

「はいダウト。お前、TS病になったら身体能力が爆上がりすんの、知ってるからな?」

「……チッ」


 ボクのことをよく理解してるそーまの返しに、思わず舌打ちが出る。

 まー、しょーじきに言えば、外に行く服が無くて、それも買うのがめんどーだったからなんだけどね~。


「可愛い幼女の見た目で舌打ちすんな」

「見た目はよーじょでも、中身は男~」

「……そりゃそうだけども。ったく、ほれ、もっと食え食え。お前なら、これくらいぺろりだろ?」

「もちろんだよ~」


 そーまに促されるままに、そーまがよーいしてくれたご飯を食べる。


「もきゅもきゅ……はむはむ……こくんっ。むぐむぐ……」

「お前、ほんと昔からよく食うよな。明らか見た目以上のキャパは食ってるはずなのに、どこ行ってんの? 食べた分」

「胸とか?」


 そーまの質問(?)に、もきゅもきゅとクリームパスタを食べながら、自分の胸元に視線を落としてそー返す。

 なんとなく、そんな気がするんだよね~。


「お前それ、男の時も胸に行ってたって言ってるようなもんだぞ。異次元か? 異次元に栄養を詰めといたのか?」

「さー? んー、人が作ったご飯は格別だな~」

「そりゃよかったよ。……ってか、お前も普通に料理できんだろ。しかもちゃんと美味いし。なんだったら、俺より美味いよねあれ」

「ボクはひつよーに駆られないとやらないのだ~」


 ボク自身、りょーりができないなんてことも、苦手なんてこともない。

 できるにはできるけど、めんどーだからやらない、みたいな感じ。


「はぁ……まあいいけどな。俺も好きでやってることだし」

「あ、デザートほしー」

「アイスならあるが」

「やった~。じゃー、れーぞーこに作り置きのジャムがあるから、それと一緒に出して~」

「お前そう言うことはすんのかよ」

「お気に入り~」


 自分の好きなものだけはちゃんと作るよ~。

 まー、好きなものだけ、だけど。


「何はともあれ、お前は明日、三橋と一緒に買い物行ってこい。で、外行きの服でも買え。いいな?」

「めんどくさー……」

「さすがにヒキニートはあかん」

「ボク仕事してるから、ニートじゃないも~ん。自分のお金で引き篭もってるから、勝ち組だよ~」

「くっ、マジで社畜には羨ましい生活だなぁオイ」

「ふははは~~~。あ、このミネストローネお代わり」

「へいへい」


 やっぱり、誰かと一緒のご飯はいーよね~。



 ブー! ブー!


「んん、ん~……むにゅ……」


 ブー!! ブー!!


「……んぅむ~……zzz」


 ブー!!! ブー!!!


「……んぅぅ~~~~~! うるしゃ~~~~~ぃ……!」


 ぺしっ!


 何度も鳴るスマホのアラームに怒って、ちょっと強く画面を叩く。

 ブー!!!! ブー!!!!

 けど、上手く止められなかったみたいで、スマホはまだうるさかった。


「むぅ~~~……目覚まし、嫌い……!」


 むくり、と体を起こして、眠い目を擦りながらそんな言葉を零すボク。


「ふわぁ~~~~~……んにゅ……ねむぃ……」


 体をおーきく伸ばすと、これまたおーきな欠伸が出た。

 しょーじき、まだ寝てたいし、このまま寝よ―かと思うくらい。


「あふ……んんぅ……あ~、お布団がボクをいざなう~……おやしゅみなしゃ~い……zzz」


 あ~、ぬくぬくぅ~……。


 ガチャ……ドタドタドタドタ……!!


 バンッ!!


「ぐっもーにーん! ぐーたらな元学友! 聞いたよ聞いたよ? 鈴里君から! 女の子になっちゃったんだってね! で、今日は服を! 買いに行って来てくれと! 頼まれたので来ました! 不肖、学生時代唯一の理解ある女子友! 三橋夏葉でーす!」

「……む、んぅ……みはししゃん……?」


 騒がしー音と聞き覚えのある声でうっすらと目が覚めた。

 三橋さんかなー……?


「お、おぉ? 知らない声がこんもりと膨らんだ布団の中から聞こえる。ふむ、いざ推理! そうだね……目覚ましを止めたはいいけど、眠くてやっぱり寝ちゃった初代君、と言ったところかな? ふっ、さすが私! 理解あるね!」

「zzz……」

「おっと? 知ってるかな? 初代君。テンション高い女の子はね、一人でずっと喋り倒してると、無性に悲しくなる生き物なんだよ? つまり何が言いたいかと言うとぉ……とりあえず、とっとと起きなさい! ぐーたら小僧っ!」

「んぁあぁぁぁ~~~! さむぅい~~……ボクのお布団返して~~~……!」

「―――」


 ――その瞬間、私こと、三橋夏葉に電流走る。


「ボクの頭の中に声流さないで~……」


 ニュー〇イプじゃないんだから~……。


「ハッ!? な、なんたる可愛さっ……! なるほど、銀髪ロング、Tシャツ一枚、そして……巨乳ッ……! 実に男受け万歳な可愛い可愛いロリ巨乳幼女姿だね! 初代君!」

「ん~、ロリって二回言ってる~……」

「あ、ほんとだ。って、そうではなくてね! あー、あー、んんっ! えー、一つ訊かせてください。あなたは、初代陽君でOK?」

「おっけ~」

「はい本人確認OK! ふむふむ、改めて見れば見るほど、可愛いね!」

「ありがと~……ねむぃ」


 褒められて嬉しくはあるけど、それいじょーに眠気が強くて、会話どころじゃない。

 うぅ、お布団でぬくぬくしたい……。


「うんまあ、高校卒業してからの初代君……うん、君って言うのも変だし、たった今から陽ちゃんって呼ぶことにするね!」

「あ、う――」

「というわけで、陽ちゃんの買い物に呼び出されました、三橋夏葉です!」

「名前はさっき聞ーたよ~」


 ボクのりょーしょーの返事を遮るように自己紹介をする三橋さんにちょっとだけ置いてけぼり感を覚える。


 なんとゆーか、がくせー時代からあんまり変わってないな~。


 やー、そつぎょー後も何度か会ってはいたけど。


「では陽ちゃん。ただ今の時刻は何時でしょうか」

「……夜中の9時」

「残念! 朝の9時でした! では、なぜ今日私がここに来たのか……それはわかるかな!?」

「ボクのふ――」

「そう! 女の子になっちゃった陽ちゃんのお洋服というお洋服を買うためだね! うんうん、よく理解しているようで何より! というわけで……はい、陽ちゃんのお着換えターイム!」

「むぁ~~~~、捕まった~」


 すごくテンションの高い三橋さんに捕まってしまった。

 ボクを捕まえた後の三橋さんは、なぜかボクの頭を撫でて来た。


「よーしよしよし、陽ちゃんはいい子だね! えーっと、下着は……おおぅ、ものの見事に一着だけ。ほかにないの?」

「ないよ~」

「なるほどね! いやぁ、私が小さい頃に穿いてた下着持ってきて正解だったねこれ! というわけで、服は脱ぎ脱ぎ!」

「わ~」


 ぽぽぽん! とすごく手際のいー三橋さんの手によって、ボクの着ていたTシャツと部屋用のパーカー(大きすぎてぶっかぶか)を脱がして、三橋さんが持ってきた下着を着させられて、てきとーなシャツを着させられて、その上から外行き用のおっきーパーカーをボクに着せた。

 なんとゆー、手際の良さ。


「はい、着替えおっけー! やー、下着だけはあったんだけど、さすがに服はなかったんだよね」

「むしろ、なんで下着はあったの?」

「捨て忘れたんじゃない? ま、そんなことはどうでもよし! さぁさぁ! めくるめくショッピングに出かけよう!」

「わぁ~~~、ゆーかいされる~」

「こんなに可愛い逸材! 全力コーデするぞーーーー!」

「ぅにゃあぁ~~~~~~~~~~!」


 三橋さんがボクの外行きのカバンをひっつかみつつ、僕を小脇に抱えて家を出た。

 というわけで、陽が最も仲のいい女友達こと、夏葉です。

 実家がお惣菜屋兼弁当屋で、地元では人気のあるお店。お惣菜超美味い。

 ついでに言えば、そんな店の娘なので、普通に料理上手だし、家事もできる人。

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…えんがわ、だと…!?
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