Q.5 学生時代の女友達と買い物に行ったらどうなりますか? A.なぜか女友達が陽宅に住み始めます
「はい、ショッピングモールです! やっぱ、女の子のお買い物と言えばここ! あ、ウィンドウショッピングする?」
「目的の服だけでいーかなー。帰って寝たい」
「そっかー。でも、女の子とかかわりが増えるかもしれないから、今のうちにどうにかしようぜ!」
「えー、めんどー……」
女の子になったことは別に何とも思わないし、寝る時にお布団にもぐりやすいなーってくらいんだよね。
とゆーか、女の子の体になっただけで、女の人との交流が増えるわけないと思うんだけどな~。
……あー、でも、わたもちさんたちは女の人だったっけ?
ん~……まー、会うこともないとは思うし、いっか。
「ほんと、陽ちゃんは相も変わらずめんどくさがりだねぇ。でも! 今日は外に来ちゃってるので、逃げ場などなし! ささ、まずは服を買いに行こう! 服! ちなみに、陽ちゃん的に、こういう服がいいってのはある?」
「ん~」
どういう服がいいかということを聞かれて、ボクは少し考え込む。
服、服か~。
昔から衣装に好みとかはないし、楽な物ならなんでもいいやくらいの考えなんだよね~。
とりあえず、楽ならなんでもいーや~、くらいの感じ。
だからこーして服の好みを聞かれても、個人的にはなんとも言えないんだよね~。
「寝やすい服?」
「陽ちゃん。それはもうパジャマだよ」
「じゃー、それでいーよー」
「よくないよ???」
どーゆー服がいーか訊かれて答えたのに、却下された。
ボクのよーぼーを伝えたのに……。
「まいいや。とりあえず……そうだなぁ。陽ちゃん可愛いし、銀髪だし、可愛いけど、低身長なんだよねぇ。具体的には小学生レベルで」
「ちっちゃいからね~」
「それはもう。っていうか、そんなに縮んで困らないの?」
「全然? ちっちゃいのはいーことだよ~。お布団が広くなるから」
「陽ちゃんの判断基準、基本睡眠だもんねぇ。そこまで来ると筋金入りだよね」
「昔からだから?」
「うんうん、そうだね。忘れもしない、高校生の時の修学旅行……当時色々あって友達が私と鈴里君しかいなかった陽ちゃん……なぜか枕と布団を持って来た時は、本気でやりやがったこいつ、なんて思ったっけ……」
「りょこーにはマイ枕、マイお布団。世のじょーしき」
ボク、枕とお布団が変わると寝れないタイプなんだ~。
まー、寝ること自体は問題ないけど。
「陽ちゃん。それ常識やない。非常識や」
「???」
あれ、ボク何かおかしなこと言ったかな?
ごくごくふつーのことを言っただけなんだけどな~。
「おっと? 本気の疑問顔が来ちまったぞー?」
「枕とお布団って、人類が最もひつよーなものじゃないの?」
「うんまあ、枕はともかく、布団は必要かな。風邪引くし。でも、確実に必要ってわけじゃないね。って、そんな談義をするのではなくてね? 服だよ服! 服買うの!」
「ひつよー?」
「必要だよ??? え、何? 陽ちゃん、全裸で外で歩けるタイプ?」
「それはただの変質者かな~。三橋さん、頭だいじょーぶ?」
さすがのボクでも裸で外を歩いたら、ただの変質者だよね~。
「おっとー? この場において頭がパンパカパーンな陽ちゃんに言われたくない言葉ランキング4位が飛び出してきやがりましたよ?」
「ちなみに、いちーは?」
「寝坊助さん」
「それは普段のボクだね~」
「うん。知ってる。っと、はいとうちゃーく! 陽ちゃん、コーデします! コーデ!」
「んぇ~、ボク、寝たいよ~」
「いい歳した22歳が何言ってるのさ。ほらほら、陽ちゃんはただ試着室の中で突っ立って、着せ替え人形になってるだけでいいから!」
「じゃー、そのまま寝る~」
「寝るのはなーし! ちゃんと見ること! OK?」
「NO」
「何で無駄に発音がいいんだっ……! って、漫才をするのではなく! あ、店員さーん!」
「ぬぁ~~~、離せ~~~~」
三橋さんに抱きかかえられて、店員さんを呼ばれて、しばらく着せ替え人形になることになった。
◇
そんなこんなで、三橋さんがボーそーを始めて、色んな服を持ってこられてはたくさん着せられた。
「うーむ、なんだかんだ、可愛い系が似合う感じか……」
「お客様、こちらの方、透明感のある愛らしい容姿をしているので、こちらの清楚系なワンピースはいかがでしょう? 銀髪ですので、水色と白のチェック柄はかなりいいかと」
「いいね! 陽ちゃん、これ買う?」
「買う~」
「適当に流してない?」
「買う~」
「おっと、これはいかん。陽ちゃんが買う買うbotになってしまわれた! 店員さん! えーっと、その服と、さっきの奴……えー、あとは……あ、あれとこれとそれ! 買います! 陽ちゃんが!」
「ありがとうございます! ですが、お客様はよろしいのですか? 金銭面など」
「めんどーだから買います。しょーじき、これくらいあればとーぶん買わなくてよさそーだから」
「かしこまりました。では、レジへどうぞ」
結局、一時間くらいは着せ替え人形になった。
その間は三橋さんや店員さんが持って来る服を着て、きゃっきゃする二人を見ながら、意識を半分夢の世界へ旅立たせて、口では買うとだけはんのーさせて、本体は半寝……これぞ、くつーな時間の過ごし方。
ただし、本気で仲のいー人でやらないと、嫌われるのでちゅーいがひつよーです。
「陽ちゃん、私が持って来たけどさ、普通に10万しなかった?」
「お金はあるからだいじょーぶ」
むしろ、10万くらいなら、全然痛手じゃないので。
あとボク、基本的にお金を使わないから、こーゆーところでお金を使わないとね~。
けーざいを回すために、お金はあるのだ~。
「さすが売れっ子は違うねぇ! あ、この後は下着ね」
「それもー?」
「むしろそっちの方が大事ぞ?」
「40びょーで終わらせて~」
「うん、それは女の子舐めてるね!」
「下ネタ?」
「その発想が出て来る陽ちゃんの頭の方が下ネタだよ(?)」
「意味がつーじる三橋さんもだよ?」
「いやほら、私は清楚で通ってるから」
「よく支離滅裂なげんどーをしてるって言われない?」
「一週間に十回は言われるかな」
「一日一回いじょーか~」
まーでも、かなりたのしーせーかくしてるし、何より美人だから昔から人気はあるんだよね~。
たしか、実家のほーでも看板娘じゃなかったっけ?
なんて。
「そーいえば、実家のお仕事はどーなの?」
「繁盛! とまではいかないかな。やっぱ、時代が時代だからねぇ。まあでも、なんだかんだ常連さんとか、近くの工事現場で働く人たちからの注文があるからマシかな」
「そっか~。でも、三橋さんかわいーから、三橋さん目当てで来る人とかもいそーだよね~」
まあ、今はかわいーとゆーより、美人ってゆー感じだけど。
「あー、まー、実際いる」
「やっぱり? 昔からモテてたもんね~」
「嬉しくはあるんだけど、仕事中に口説くのはねぇ……ところで、陽ちゃん」
「ん~?」
「私の実家のお仕事、手伝ってみない? お給料だすよ?」
とーとつな話題転換をした三橋さんが、にこっと笑みを浮かべて、手を合わせながらそー言ってきたので、ボクは、
「やだ」
笑顔で断った。
「ふっ、さすが陽ちゃん。当然のように断るねぇ……!」
「それはそーだよ。働きたくないでござる~、ってゆータイプだもん」
「でも陽ちゃんって、働かないニートとか、無職とは違って、なんだかんだ働くじゃん」
「イラストレーターは、半ば趣味のりょーいきでもあるからね~。もちろん、金銭が絡むいじょーは、本気で取り組むけど」
趣味を仕事にして生きてるわけだけど、それはボクの考え方とゆーだけで、向こうは本気で依頼をしてるわけだからね。
半端でやるわけにはいかないのです。
「えらい! そんな陽ちゃんに、依頼があります!」
「やです」
「陽ちゃんはおそらく、私の仕事の手伝い=接客! とか思ってるかもしれないけど、その考えは大きな間違いだぜぃ!」
「……間違い?」
「そ、間違い。いやぁ、陽ちゃんにはお店でマスコットをしてほしいんだよね」
「マスコット? どーして?」
「いやぁ、最近ちょいと売り上げが落ちて来ててねー。あ、別に味が落ちたなんてことはないよ? 新しい商品も増やしてはいるんだけど、少し前にできたお店が原因でさー」
「ふむふむ?」
「で、今目の前にいる超美少女の陽ちゃんを見て思いました。そうだ、陽ちゃんにお店でマスコットをしてもらおう、と」
「???」
三橋さんが何を言ってるのかわからなくて、こてんと首を傾げる。
何をどーしたら、ボクがマスコットをする、なんてゆーはっそーになるのかがわからないけど、三橋さんなりに何か考えがある……のかも?
「陽ちゃんって、睡眠以外だと、ご飯とか好きだよね?」
「うん、好きだよ~。おいしーものとか特に。あ、三橋さんのお店のものも大好きだよ~」
「いいこと言ってくれるね! で、そこで相談なんだけど、陽ちゃん、店の前で試食販売ならぬ、実食販売してくれない?」
「……どーゆーこと?」
「陽ちゃんってさ、すっごくいい反応をするんだよね、美味しいものを食べる時って」
「そーかな?」
「そーなんです。美味しいものを食べると、ただでさえ垂れ目なのに、幸せそうな表情でさらに柔和な笑顔になるじゃん? しかも、本当に美味しそうに食べるから、見てて気持ちがいいんだよね」
「そっか~」
「で、いっそのこと店先で陽ちゃんに食べてもらって、反応を見てもらおうかと」
「ふむふむ……つまり、働くとゆーより、座ってご飯を食べるだけでいーってことかな?」
「その通り! あ、もちろん食べさせまくることはないよ! 店先で茶番するだけだから!」
「そっかー。ん~……でもなー。お店行くのがめんどー」
お仕事のないよー的にはありなんだけど、家からしょーてんがいまで行くのがちょっとめんどーくさい。
基本的に、お外出たくないし……。
「その問題があったか。うーん……あ、じゃあ、こういうのはどう?」
「ん~?」
「陽ちゃんって普段のご飯は鈴里君が作ってくか、買って来るか、もしくは出前を取ってるんだよね?」
「うん、そーだよ」
「働いてくれたら、この私が陽ちゃん宅に住み始め、家事をしようじゃないか!」
「ほんと!?」
まさかのてーあんに、普段はなかなか出ない声が出た。
そんなことよりも、家事をしてくれるとゆー言葉のほーが大事!
「ほんとほんと! っていうか、陽ちゃんのこと色々心配だったんだよね、私」
「心配?」
「うん。だって陽ちゃんって生活能力はないわけじゃないけど、めんどくさがってやらないじゃん?」
「そーだね~。あ、そーじだけはするよ~。質のいー睡眠は、整ったかんきょーがあってこそ」
睡眠が大好きで、頭の中は寝ることばかりのボクだけど、かんきょー作りはてってーしてるんだよね。
だって、汚い部屋で寝ることなんて、ボクにはできないもん。
それこそ体を壊して、睡眠どころじゃなくなっちゃうかもだし。
なので、ちょっと汚れて来たと思ったら、すぐにそーじをします。
それこそ、最高の睡眠をとるためのひつよー儀式。
「それはいいことだね! でも、私は陽ちゃんの食生活の方が心配なわけですよ」
「なる、ほど?」
「だって陽ちゃん、いくら鈴里君が買って来てくれる、もしくは作ってくれてるからとはいえ、バランス悪そうなんだもん。何食べてるの? 普段」
「ん~、そーまが作ったオムライスとかカレー、あとは……お寿司、ピザ、三橋さんのところのご飯……それからそれから」
「あ、もういいよ。それを聞いただけで、バランスが大変よろしくないのがわかるねぇ!」
「あはは~、照れますな~」
「褒めてないよ?」
違ったか~。
「で、そんな食生活をしてる陽ちゃんが心配っていうのがあって、住みこもうかと」
「なるほど~」
「あともう一つの理由としては……陽ちゃんが女の子になっちゃったからね。それについてのフォローも兼ねて。陽ちゃんの周りに、女の子の事情を相談できる人はいないだろうし」
「いないね~」
そーゆーことをそーだんできそーな人って、一般的にはおかーさんとかおねーちゃん、もしくはいもーとが挙げられるけど、ボクの場合はおかーさんは死別してるし、おねーちゃんもいもーともいないからね。
だから、そーだん相手がボクにはいない。
「でしょ? だから、そこも含めて、陽ちゃんのお世話をするべく、この私が一緒に住もうかと!」
「おー! すごくいーと思います!」
ボクとしては、基本家に籠ってるけど、なにかのひょーしで外に出るかもしれないし、三橋さんのてーあんはすごく嬉しーし、ありがたい。
「でしょでしょ? だから、お店の実食販売をしてくれたら、この私が一緒にお世話をしてあげるよ! って言う提案。どうどう? いい提案だと思わない?」
「すばらしー! 手伝いするよ!」
「やったぜ! あ、お給料だけど、私がしてほしいの昼時の少し前と、夕飯の買い物の時間帯なんだよね。その辺りの一時間くらいだから、一日二時間程度。うちの時給が1250円だから、一日に2500円でどう?」
「いーよ~。個人的には、ボクの家に住んでもらうわけだし、おきゅーりょーは無くてもいーんだけどね~。そもそもボク、食べてるだけになると思うし」
「いやいや、私が頼んだことだから気にしないでね! さて、契約成立というわけで、ささっと下着を買おうね!」
「えー」
「えーじゃないよ。これからお手伝いしてもらうんだし、下着は必要! それじゃ、行こう!」
「あーい」
まー、下着はしょーがないか~。
某ロリVで、陽が出た時に、同居人がいるとの発言がありましたが、こいつです。
尚、そちらの回も、必然的にこちらでやることになるという……。




