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6鬼 ごみ処理

広くはないないからこそ、よく考えられ効率的に配置された家具の数々。

それなりの大きさであるにもかかわらず決して邪魔だと感じさせないそれらは、快適な部屋環境を作り上げたい。

照明も明るすぎず暗すぎず、窓からは周囲の田舎ののどかな風景も眺めることができ、非常に過ごしやすい。


「俺が写真見た時には、こんな過ごしやすそうな要素はなかったはずなんだけどな」


「そう?まだ配置が完璧じゃないからかもしれないわね」


「これで終わりじゃない、だと?」


俺は戦慄する。

まさか、ここからさらに強化(部屋のグレードアップではあまり聞かない表現)されるとは。一体どうなってしまうんだろうな?

楽しみでもあり、少し見ることが怖くもある。


そんなことを思いつつ、自分たちの個室なんかも決めてしまったりして一旦はクランハウスの大まかな把握は終了。

そこでちょうど思い出したので、モベヤに買った服の類を渡しておく。

サイズの問題とかいろいろあったが、基本的には喜んでもらったものの、


「なんでこんなにデカデカと『無職』って書かれたTシャツ買ってくるのよ。『働いたら負け』とか『労働反対』とか、何をもってこんなもの買ってきたのよ…………まあ、着るけど」


「着るのかよ」


適当に買ったネタTには文句を言われた。なぜか着るらしいけど。

しかも、なぜかは分からないがその後最初に着た服が『今日歩いた歩数:五十歩百歩』だったけど。


…………こいつの趣味がよく分からんな。

なんてこともあったりして、


「いや~。綺麗な部屋でございやすねぇ」


「ん?圧推。家の中まで入って来れるのか?」


「ええ。ドアを開けるのには苦労しやしたが、屋内でもベビーカーになって動いたりはできるんでございまさぁ」


「へぇ?カーってついてれば何でもいいのか?」


家の中まで火車の圧推が入ってきたりもした。

完全に外で過ごすものだと思ってたから驚いたな。

ただ、話を聞いてみると本人としてもあまり長く屋内で過ごすというつもりはないらしい。今回はただ見学に来ただけだとか。


丁度いいのでモベヤともしっかりした顔合わせをしてもらって、


「あぁ~。家の中でも歩かなくていいのは便利だわ~」

「お役に立ててるなら何よりでさぁ」


「うわぁ。滅茶苦茶ダメ人間」


結果、モベヤが歩くことをやめた。

座敷童なんだから子ども扱いと言う謎理論でベビーカーへと無理矢理乗っかり、圧推が動くことで行きたい場所に連れて行ってもらえるようにしたのだ。

来ているTシャツの文字も相まってものすごくダメな大人に視える。

これで缶ビール片手に持ったりしたら本格的にダメな大人の完成だ。


ただ、そうしてダメ妖怪になっても仕事すらしなくなったわけではない。

家事とかを色々とやってくれて、料理も作ってくれたりした。

これが美味しいところがまた厄介なんだが、そんな中出てきた困りごとが、


「ごみを捨てに行くのが大変ねぇ」


「収集業者は来てくれないのか?」


「確認してみたけど、田舎だからないみたいだったわ。ちょっと離れた指定の場所に捨てに行かなきゃいけないみたいなのよねぇ」


「それは面倒くさいな」


ゴミ問題。

まだ俺たちだけだから日常的に出てくるゴミの数は少ないが、もう少し人数が増えたりするとこの問題は深刻になってくるだろう。

圧推がいるとは言っても、あんまり何度もゴミ捨て場まで行くことは面倒くさい。ただ、ためておくと臭くなることも間違いないんだよな。


ということで、何かいい方法はないかと考え、


「ダンジョンに捨てちゃダメかしら?」


「ダメだな。確かそれ、不法投棄の扱いで、しかも普通の場所に捨てるより罪が重くなったはずだ」


「そうなの?面倒臭いわね」


モベヤの案は却下された。

が、それを言われて俺も新しい考えが出てくる。

それこそが、


「ダストに吸収できないか聞いてみるか」


「ダスト?」


スライムのダストにゴミを溶かして吸収できないか聞いてみる、という手だ。

さすがにゴミを食べさせるのは本人が嫌がるならやらせないが、もしやってくれるのであれば非常にありがたい。


ということで、顔合わせさせることを忘れていたがダストを紹介して早速お願いしてみることにする。

ちなみに、今までダストはテイマーがテイムしたモンスターをしまっておける特殊なアイテムの中にいたぞ。

そんなダストなんだが、俺の話を聞いたら、


「…………す、すごい飛び跳ねるな。それは、食べたいってことなのか?」


見たことがないほどにダストは体で何かを伝えようとしてきた。激しく飛び跳ねて、明らかに何かをアピールしてきているということが分かるんだ。

ただ、それが拒絶なのか承諾なのかまではさすがに判断できないのでいったんゴミを出してみてそれを吸収するかどうかで判断することにして、


「おぉ~。食べてる。ゴミでも食べるんだな」


「生ごみとかプラスチックとか関係なく食べてるわね。本当に何でも食べるってことなのかしら」


そこまで速くはないが、しっかりゴミを体内に取り込んで溶かし始めた。

紙なのか生物なのかプラスチックなのかなど、ごみの種類によって溶かす速度に違いがあるためなんとなくどういうものを溶かすことが得意なのかも分かってくる。やっぱり、生ものの消化が1番早いな。


「あら。ちょっと溶かす速度が上がったかしら?」


「そうみたいだな。もしかして、スキルのレベルが上がったりしたか?」


思わぬ収穫もあった。

タダとかしているだけではあるんだけど、ダストの消化能力がこれでも強化されていくみたいだ。

そういうことなら、ダストが嫌がらない限りゴミを与え続けても悪くないかもしれないな。


「とはいってもさ、さすがにプラスチックとかは収集に出した方が良いよな?」


「そうねぇ。資源ごみまで全部出さないでいると、自治体から文句を言われるかもしれないわ」

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