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4鬼 センス

仕方ない事ではあるんだが、座敷童のモベヤは戦闘能力が壊滅的だった。武器の振りは遅いし、振る時に目をつぶってしまったりするから辺りもしない。さらに敵の攻撃が来ると焦るし、どうにか避けようとしても確実に転ぶ。


「向いてないにもほどがあるだろ」


「私もそう思うわ。まさか、ここまでひどいとは…………」


モベヤも自分のセンスのなさに驚愕している様子。ここまで壊滅的だとそれはビックリするよな。気持ちはよく分かるぞ。

ここまでくると、正直俺の百鬼夜行に招くことは難しいんじゃないかと思てしまう。

戦えないのに俺の百鬼夜行、つまり俺と一緒にダンジョンに行ったりする集団に入ったって意味ないからな。


そう思って縁がなかったかなんて思っていたんだが、


「それでは、パーティーを組んでのお仕事を終わらせたということですのでクランに関するご説明を致します」


受付に戻ってきた時、俺たちに新しい事柄の説明が行われた。

クラン。それは簡単に言えば、探索者が作る大きいグループだ。1つのパーティーを超えてつながる時なんかはクランを作ったりする。逆に大きいクランなんかは人を募集して、そこの中で相性のいい人間と組ませて探索者としての活動を刺せたりもするな。


ゲームでもある機能なため俺もそういうものがあることは配信などから知っていたのだが、


「クランを結成された方には、協会の方からクランハウスを格安で販売することが可能でして」


「クランハウス?」


「はい。クランの皆様で生活などをしていただくことが可能な住居や土地になります。クランによっては倉庫などの購入に使ったりするところもありますね」


「なるほど?」


これが、これこそが俺たちのつながりの大きな転換点となった。

クランハウスを俺は欲しているんだ。なぜなら、間違いなく百鬼夜行を作るとなれば大きい屋敷とか買って集まるようにしておいた方が良いから。

ただ当然ながら土地の購入なんかを俺が1人で行なうことは難しいため、


「それで、私に協力してほしい、と?私の名前で購入したいわけね?」


「ああ。それに、クランハウスがあればそこに座敷童が住み着いてくれるっていうのは悪くないからな。金に関しては俺が支払うから気にしなくていい。あと、暮らしていく際の最低限の金額は保証しよう」


「そうしてもらわないと困るけど…………」


悩むモベヤ。

単純に、ここで自分の名前を使うことのデメリットを考えているんだろうな。メリットとしては、俺が提示して自分の住む場所があってそこで暮らしていく生活費が保証されるということくらいだろうか?正直、名前を使われて変なことをされる可能性と言うデメリットの方が圧倒的に大きいし頷きたくないだろうな。


なんて思うが、


「良いわよ。最悪何かあったら、私たちの場合は名前を変えればいいだけだしね」


意外とあっさり承諾された。

妖怪だからもし今の名前で生活することが難しくなっても誤魔化しはかなり効くということが1番大きい要素みたいだ。

理由が何であるにしろ、クランハウスを買えるようになったことは間違いない。


「さすがに今の所持金で広いところを買うのは難しいから、少し田舎なところでなおかつ周囲の土地も後から購入できそうなところを探してみるか」


「そうね。百鬼夜行で他にも妖怪を集めるつもりなのならそれが良いと思うわ」


人から見られないという意味でも人が増えた時に対応できるという意味でも。あまり都会過ぎないところを買った方が良いという結論に達した。

もしかすると、デカい竜みたいな部下もできるかもしれないからな!


ということで条件に合致する物件と土地を探してみて、いくつか良さそうな候補が出来る。

どうやら、田舎でなおかつダンジョンが近くにあるところはかなり安くなっているみたいだな。素材は美味しいのに人があまり行かないから、できるだけそこに探索者が集まって欲しいと考えているんだろう。


「諸々込みで1800万か。貯蓄のほとんどが飛ぶけど…………家と土地買う値段と考えれば破格なんだよな」


「それも、あの広さだと考えればかなりのものなんじゃないかしら?」


だいぶ後がなくなってしまったからこれから先頑張って稼いでいかないといけないが、それも家の近くにダンジョンがあるという状態だから難しくはない。どうやら希少な素材がとれるらしくて、それは高値で売れるみたいだし。

移動手段とかには困るものの、ずっとそこで生活していなくたっていいからそこまで大きな問題じゃない。


「本格的にクランハウスの周りで活動するのはもう少し後だっていいからな。俺もまだまだ実力が不足しているし、仲間も足りないし」


「それはそうね。とりあえず、私はもうそっちの仕事はやらないから先に家の方に行っちゃっていいかしら?必要な物とかあるのなら、お金さえ出してくれれば買っておくし掃除とかもしとくわよ」


「おお。それは助かる」


モベヤはわざわざここに留まっておく必要もないから先に行っておくみたいだけどな。

とりあえずものをそろえるというから金だけは渡しといたが…………持ち逃げされたりとかはしないよな?まだぬらりひょんの力の関係で配下として認められる判定になっているから、裏切る決定的な行動には出てないけど。少し心配だ。


「ただ、行くのは良いけど周辺での買い物とかも難しいと考えると早いうちに移動手段か自宅での農業とかに手を付けたりはしておきたいわね」


「ああ。確かに。そういう妖怪かモンスターを仲間にできないか探してみる」


「頼むわ」


先にモベヤが行ってくれるとしても、問題は山積み。

俺たちは何かしら解決手段を探していかなければならない。

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