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2鬼 ダスト

スライムを見つけた喜びで『テイム』をし忘れて攻撃を受けてしまうなんていうハプニングはあったものの、初心者用のダンジョンと言うことでたいしてダメージが高いわけでもないため特に問題はない。

ただただ痛かっただけだな。


『テイム』さえ発動してしまえば簡単に味方になってくれて、


「よろしくな。ダスト」


「プルプルッ!」


俺はダストと名付けたスライムと共にこれから活動していくことを決めた。

ちなみに、名前の由来はスターダストだ。ダストの意味はよく分かってないが、スターダストがカッコイイ言葉だしダストもきっとかっこいい意味なんだろう!知らんけど。


「それじゃあダスト、早速敵を倒してレベルを上げに行くぞ!!」


「プルッ!!」


ダストも仲間にできたことだし、次は実際に戦闘をしていくぞ!

歩いていれば早速新しいモンスターが現れて、


「ゴブゴブゴブゴブ」


「ゴブリンってそんな鳴き声なのか?いくら何でも適当過ぎるだろ」


緑の人型。手には木の棒。

そう。皆さんおなじみのゴブリンだ。

配信だと主にちょっとエッなことをしているやつとかが仲間にしているって情報がネットには出回ってた。とりあえず、攻略をメインにやっている人たちからするとゴブリンを最初の仲間にするのは論外らしい。


「そういう相手なら、練習相手としては悪くないよな」


初めての実践はできるだけ弱い相手が良い。せっかく仲間にしたダストの事を倒されても困るし、これくらいの相手が出てきてくれたことは運が良かったんじゃないかと思うぞ。


「それじゃあダスト。頑張ってくれ」


「プルッ!?」


俺はテイマーなのでダストに戦闘は全てお任せ…………と行きたいところなのだが、とりあええず最初に様子を見るだけにして後から参加するつもりだ。

俺の予想だとそこまでダストもゴブリン1体を相手にするのに苦戦はしないはず。

なにせ俺にはテイマーになった時に手に入った『従魔強化』のスキルがあるからダストは強化されているはずだし、


「ぬらりひょんの力を俺も一応持ってるんだ。それなりに強化されているはずだぞ?」


ぬらりひょんは、知っている人は知っているだろうが百鬼夜行と言う妖怪の集まりみたいなもののトップをしている妖怪だ(もちろん俺が違うことから分かる通り全員ではないけど)。

お陰で配下を強化する能力なんかもあったりするわけだ。


と言うわけで、俺にやってきたときにはそこそこ痛い程度で済んだダストのただの体当たりも、


「プルッ!」

「ゴ、ゴビュゥゥッ!?」


「おぉ。結構いい具合に入ったな」


思わずゴブリンが痛みで倒れ込んでしまうくらいの威力にはなっている。

しかも今回はどこにとは言わないがクリティカルしたみたいで、かなり痛そうだな。多分つぶれたんだろう。

そうなったらさらにこちらから攻撃をしやすくなるわけで、


「プルッ!」


「ダスト。さらに追撃を…………って、何やってるんだ?そんな風に喉の近くにいても意味なんてないぞ?」


少しおかしな動きをし始めるダスト。

なぜか体当りをせずにそのままゴブリンにくっついてしまったんだ。それじゃあゴブリンを倒せないしいったいどういうつもりなんだと問いかけようとしたところで、俺は気づく。

スライムの恐ろしいところは体当たりではなく、


「うわっ!?溶かしてる!?グロすぎるだろ!?」


その体内に取り込んだものを溶かしてしまう、強い消化能力だ。

今はうずくまったゴブリンの喉に絡みつき、そこをじわじわとだが溶かしていっている。かなりグロい。

これはダンジョンの配信が規制されたことも当然だと思えてしまう光景だな。


「ゴブッ!?ゴ、ゴブウウウゥゥゥ!!!!」


ゴブリンはどうにかダストを引きはがそうとするが、自分の首元なんてうまく見ることができないからダストの正確な位置もつかめず、結局うまくいかない。

そうしてゴブリンの手を避けてじっくりと溶かしていった結果、


「倒せたな」


「プルッ……」


ゴブリンはポリゴンとなって消えていった。

ダンジョンのモンスターは、命を失うと体が勝手に消えていって素材だけ落としていってくれるんだ。ここは便利と言えば便利なんだが、少しダストは不満そうにしているように見える。

俺の足元にやってきたかと思えばすぐに少し服を引っ張ってきて、


「え?もしかして俺の服も融かそうとしてる!?……………いや、誘導しようとしてるだけか。まだ奥に行きたいんだな?」


結局その後、数体のモンスターがダストの餌となるのだった。どうやらダストはモンスターを食べることを気に入ってしまったらしい。

グロかったから個人的にものすごくやめてほしかったし、とても怖かった。


ただそういうことをダストが気に入って積極的に戦闘をしてくれたおかげで、


《江良畏醸 Lv8》

種族:レッサーぬらりひょん

職業:テイマー

スキル:『テイム7』『従魔強化5』『隠蔽5』『擬装8』『指揮3』『囮1』


レベルも上がって強くなっていた。

ただ、ダストだけが戦っていた影響で獲得しようと思って武器まで用意していたのに『剣術』とかのスキルは取れなかったけどな。


信頼関係が築けていない状態だとモンスターが強くなりすぎた時に裏切られてテイマーがやられるなんて言う話もあるから、少し心配と言えば心配だ。俺、生きたまま溶かされていったりしたくないぞ?

ぬらりひょんとしての力があるから普通のテイマーよりは自分の部下として縛り付ける力は強いと思うんだが、それでも少し心配だな…………ダストだけに頼りすぎるのは危険かもしれない。

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