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24鬼 小型特攻

増華の背中から飛び出し、放物線を描いてピクシーに降っていく存在。

それこそが、奇襲要員としてしばらく待機しているはずだったスライムのダストだった。


「うそだろ!?魔法使われたらダストにはどうにもできないぞ!?」


例えタックルができたとしてもピクシーに反撃で魔法を使われれば、ダストの方が大けがをするだろう。

最悪殺されてしまう可能性だってある。


そう考えた俺だったのだが、ダストはその体を少し広げてピクシーを逃がさず覆いかぶさり、


「ん?消えた?」


「倒した…………のかな?」


一撃でピクシーを消滅させた。

後に残るのは、倒した後の素材である羽だけ。


「ピクシーって、別に極端にHPが低いタイプのモンスターではないはずなんだけど」


「ということは、ダストの攻撃力ってとんでもなく高いってことっすか?」


「でも、いままでダストが消化しようとしただけで倒せたことなんてなかったぞ?」

「ゴブリンとかもっとHPは低いはずなのにね」


俺たちの視線がダストに集まる。

1つ可能性を考えるとしたら、今まではダストが手加減をしていたということも考えられる。ダストは、倒してしまうと食事が止まってしまうということを理解しているからな。

だが、他の可能性も考えることはできて、


「ピクシーには全身にダメージを与えることができたからそのぶんダメージが高くなった、とか?」


「なるほど?確かに、一般的なモンスターに比べれば体内にダストの体(?)を入れ込むのにも時間がかからないだろうしありえなくはないだろうか」


「サラッと言ってるっすけど、それって結構グロい話じゃないっすか?要するに、気道とかそういうものにダストが入り込んで溶かしていっているってことっすよね?」


「そういうことだな」


普段の見た目があれなのであまり分かってなかったが、よくよく考えてみればグロい話だったかもしれない。

そして同時に、ダストの力はとんでもない物なんだということを改めて感じた。


「つまりダストって、小型である程度肉体の機関があるタイプであれば簡単に殺せてしまうってことだよな?」


「そうかもしれないね。ついでにもっと考えてみれば、ダストがもっと巨大化して、それこそ人より多きなったら…………」


「やめてくれ。それ以上考えたくない」


俺は想像してしまって頭を抱えることになるのだった。

ただ、あまり考えすぎると気が重くなっては来るもののダストがピクシーに対して強く出れるということはとてもいいことだ。

それ以外にも何種類か小さめのモンスターはこのダンジョンにいるという情報もあるし、ダストが活躍する機会はかなりありそうだ。


「そういうことなら少し攻略は楽になりそうか?」


「そうだね。ただ、ダストだけで解決することに慣れ過ぎてもいけないし、それ以外の備えとかもしておいた方が良いとは思うけど…………とりあえず、さっきよりもやれそうな気してきたしまたモンスターを探してみるね」


ダストが活躍できるのならば、それを前提に動けるようになる。

俺たちは先ほどまで感じていた圧倒的な難易度の高さと言うものが少し緩和されたのではないかと考えながら次の獲物を探していく。


「あっ、あれは、ウサギじゃないっすか?」


「リーパーラビットか。通称首狩りウサギ、瞬発力がものすごく一瞬でこっちの首元まで飛び上がり、その足を刃物に変えてこちらの首を刈り取ってくることで有名だな」


「なんすかその物騒なウサギ…………でも、オイラには意味なさそう、って、あっ!?ダストがもう行った」


小さい相手であればダストが強いという考えはあっていたようで、小型のモンスターは次々とダストの餌食になって行った。

ダストがその全身を包み込んでしまえばそれだけで倒せてしまうことがほとんどだな。


「ピクシーは兎も角リーパーラビット程度の大きさのモンスターなら今までもいたんだけどな…………手加減をしていたのか、それとも消化系のスキルが上がってここまでできるようになったのか」


まだまだ緊張感をかなり持って臨む必要はあるけれど、間違いなくここでの活動を続けていれば強くなっていけるだろうという確信があった。

それこそダストが一瞬で倒してくれる時には、その一瞬の間にそれなりの経験値が主に俺とダストに入るし、


「シャァァ!!!」


「わっ!?口だけじゃなく尻尾も一緒に攻撃してくるんすかぁ!?」


「安心しろ廻場。そいつはただのポイズンスネークだから、廻場に有効な状態異常は使ってこない」


「そういう話じゃないんすよねぇ!?」


大型や中型の相手であれば廻場の回避能力の向上につながる。

未だに廻場の回避能力は向上し続けているし、もうしばらく鍛え続ければもっと上の方まで通用するような完璧な回避盾になってくれることだろう。


「…………今のところ私が強くなる要素がないんだけど」


「なら、1人でここのモンスターを相手してみるか?」


「いや、やめとく」


増華とリビングメイルたちの成長につながる要素が少ないことはネックだから、そこは後でもう一度見直す必要がありそうだ。

なお、俺も敵が少なくて戦えてはいないが指揮を出したりする練習にはなっているから成長にはつながっていると思うぞ。

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