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22鬼 消化

俺は罠にかかりまくったわけだが、色々と試すうちに別の使い方もできることが分かった。

とはいっても、結局は耐性系のスキルを獲得したり強くしたりといった方面での話なのだが、


「ダストがずっとあの毒を噴出するところを占拠してるんだけど」


「使おうとしてる人はいないし、今は良いんじゃないか?俺たちもわざわざあそこの罠を使おうとする必要はないし」


「それはそうだけど…………ダスト、大丈夫なの?毒が回って死んじゃわない?」


「こまめにHPは視てるから大丈夫だ。今のところダメージは受けてなさそうだし、たぶん毒を吸収か何かしてる」


「えぇ?もしかして、ポイズンスライムとかの進化を狙ってる感じ?」


「さぁ?それは俺にも分からん」


スライムのダストが、現在パーティーメンバーが心配するような方法で耐性を付けていた。

ただ俺たちと違ってまず状態異常になっている様子がないし、スキルのレベルの上がり方が半端じゃないんだよな。

恐らく自分が状態異常にかかる前に消化する方が早く終わってるんだろうけど、それにしても恐ろしいほどの耐性の上がり具合だ。


「もし状態異常を多用する相手が出てきたら、ダストで完封できるかもな」


「え?じゃあ、私たちがこうやって罠を食らってるのってあんまり意味がない?」


「いや、さすがにそんなことはないだろ。難易度の高いダンジョンなら、罠にかかってしまう可能性も0ではないだろうし」


俺は首を振るが、増華の気持ちもよく分かった。

俺たちもある程度は効率よく耐性をつけることはできてきているが、それでもダスト程の上り幅じゃないんだよなぁ。

一応ダストのやり方とは違っていろんな種類の状態異常の耐性が上がるようになってるから複数種類には対応できるようになるが、それでもダストが同じ種類の罠をそれぞれ同じ時間で受けた方が上がり方は大きいんじゃないかと思ってしまう。


「毒以外にもこういう形でダストが耐性を獲得できそうな罠がないか探してみるか」


「やるの?それなら、私も一緒に探すけど」


「いや、今から探すわけじゃないぞ?ネットで探そうと思って」


「あぁ…………なるほど」


増華は俺の言葉でものすごく冷めた顔をしてしまった。

この最奥の効率のいい罠だってネットで探してきたっていうのに、いったい何の問題があるんだろうな?


なんていう風なこともありつつ増華と俺はダストの事を見守りながら和やかに話をしていると、


「ちょっと~!なんで2人でゆっくりしてるんすか~。手伝ってくださいっすよ~!!」


「あっ、もう喋れるようになったのか」

「速かったね。やっぱり、私たちみたいな生物系統かどうかでかかりやすさが違ったりするのかな?」


俺が耐性強化に使っていた罠をさっきまで使っていたのが廻場。

かなりの回数罠にかかっていたので長時間状態異常にかかり続けるかと思ったんだが、全くそんなことはなった。かなり復帰は早かったな。

最初に受けた入り口近くの罠の方が効果が続いていたような気がする。


妖怪の種類によっても耐性の付きやすい差が違ったりするんだろうか、なんてことを話していると、


「…………思ったんだけどさ。この耐性をもっと上げていけば戦いがかなり楽にできたりしないかな?」


「というと?」


増華が何か考え付いたらしい。

詳しく聞いてみよう。


「確か、ギルドに毒の霧を出す道具とか売ってたよね?もし私たちがもっと強い耐性を獲得できれば、あの霧の中何も問題なく戦えるんじゃないかなって思って」


「なるほど。つまり、自分たちの周りに状態異常を引き超すような仕掛けをしておいて戦闘を楽にできないかって考えてるんだな?」


「そういうこと」


状態異常。それこそ毒とか麻痺であればそういった効果を引き起こせるようなアイテムがかなりの種類ギルドなどで売られている。

基本そういうものは逃走時に足止めに使ったり、敵が集団でいる時に遠距離から投げ込んで少しでも戦闘を有利に進めたりするものなんだが、それを自分たちも巻き込んでしまう形で使えるようになればかなり強い立ち回りができるんじゃないかと言う考えのようだ。


「なら、せっかくだしそういう戦い方ができないか試してみるか?」


「いいんじゃない?新しい戦い方とか考える事って大事だよね」


「おお!いいっすね!それならオイラも試してみたい事とかあるっす!」


「おお。そうなのか?なら、いろいろやってみるか」


俺としては軽く思いついたことを試してみるくらいのつもりで提案したのだが、廻場が食いついてきた。

特に聞いていなかったため知らなかったが、かなり戦い方などで考えていたことがあるらしい。


「ほら。オイラのてっぺんにこうやって槍の先っぽみたいな刃物をつけてみると…………」


「それは確かに使えるな…………使えるけど、使いどころは多くないかもしれない」

「てっぺんで刺してどうすんの?攻撃手段が増えるのは良いけど、それが突き刺さった後にとれなくなったりしたら困るよ?」


結局色々試したものの何か大きく変化が起きたわけではなかったが、皆どういうことを考えているのかなどがなんとなくわかって連携能力が向上した気がした。

意外と、狙ってない部分に効果があったりするものだな。

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