21鬼 ボスも
「あぁ~。はいはい。なるほどね。こんな感じね」
「やっぱり何事も経験っすよね」
愚かなことに罠があるダンジョンと分かっていたにもかかわらず躊躇なく宝箱を開けに行った仲間2人。
そろってフラフラしているが、なんだか自分たちの行動は間違っていないとでも言いたげな様子だ。
「食らってみないと、どれくらいこの難易度の罠は脅威なのか分からないでしょ?」
「そうっすよ。ほら。ボスも一緒に受けてみましょうよ。ちょっと苦しいけど、すぐになれるっすよ」
「俺はそっちじゃないぞ?完全に俺を捉えられてないじゃないか」
どうやら、罠が危険すぎないうちに受けてみて、どれほどのものでどういった作動の仕方をするのかと言うことを見ておきたかったとのことだ。
正直本音なのかどうかは怪しいし、相当平衡感覚なども失っていそうなの今俺が受ける気には到底なれない。
「さすがに自然に治るとは思うけど、警戒だけはしておくか。ポーションでも用意しておけば良いよな」
俺の持っている状態異常とかを治すポーションでこの状態はすぐに戻せるとは思う。
ただ、自分たちの体を実験体にしようという風に考えているわけなのだし、せっかくなら効果時間がどれくらいあるのかとかも見ておきたいよなぁ。
とりあえず俺には被害が及ばないように罠のなさそうな場所で待たせてもらうとしよう。
「ボス~。こっち来なよ~」
「何を怖がってるんすか~?いけるものっすよ~」
「おいおい。俺に来ないのは良いとして、奥に進もうとするんじゃない!余計にひどいことになるぞ!?」
待たせてもらうだけでは駄目なようだ。
俺も働く必要があるらしい。
なぜか俺に近づくような口ぶりをしているくせに、全く違う危険な方向に行こうとしてるんだよな。これを抑え込まないと余計に罠にかかったりしてとんでもないことになりかねない。
「これ、ソロで来なくてよかったな。絶対どこかで詰んでたぞ」
俺はこれを幸運なことだったと考えることにするのだった。
なお、復帰には5分ほどかかって、
「よし!もう完全に元気になったし大丈夫!」
「ボス。次はボスの番すよ」
「やっちゃえボス~!」
「ふざけんなお前ら。誰がやるか」
催促してくる仲間に冷たい目線を送って、先に進むことにする。
こいつら、本当にダンジョンと言うものを分かっているんだろうか?
正直舐めてるとしか思えない。
「この最初の段階だから今程度の被害で済んだが、油断してるととんでもないことになるんだから?それこそ、このダンジョンだって奥のほうまで行けばもっと罠がきつくなるし、最悪気絶とかしかねないんだぞ?」
「えぇ~」
「だから、今のうちに慣れて置こうってことじゃないっすか~」
分かってない
本当に分かってない。
だから俺が教えてやることにした。
ある程度ネットで予習もしてきていたので最奥までに設置してあるほとんどの罠を回避し解除し、
「いいか?強い罠にかかった方が耐性系のスキルは上がりやすいんだよ!あんな入り口のしょっぱい罠にかかって時間を無駄にしてるんじゃない!もっと厳選しろ!」
「えっ!?そっち!?」
「そういう話なんすか!?」
「ほら、いくぞ。これが最奥の罠…………ぐわああああぁぁぁ!!!!?????」
「「ボ、ボスゥゥゥゥ!!!??????」」
全身で罠の力と言うものを感じるのであった。
やっぱり、強い物を受けた方が大勢とかのスキルを鍛えるのには便利なんだよな。
もちろんそんなことを考えるんだから対策もしてあって、
「だ、大丈夫だ。安心しろ。今の罠は逆にいろんな機能を詰め合わせ過ぎているせいで半分以上の効果はなかったことにされるタイプのやつだから、痛みはあるがダメージ自体は大したことがない」
「そ、そうなんだ」
「それは安心…………って言っていいんすか?」
「良いだろ。今のところ3人いるんだし、正常な奴2人から見守られながらであればそこまでひどい事にもならないはずだ。そして、この罠の良いところは一度使用してもまたすぐに使えるようになるところで…………グワアアアァァァァ!!!!!??????」
「「ボ、ボスウウゥゥゥゥ!!!!??????」」
この後滅茶苦茶耐性系のスキルが手に入った。
ちなみに、俺は苦しんでいるもののあまりその周囲を包んでいるリビングメイルのソーに関しては被害を受けていない。
リビングメイルって、結構な種類の状態異常を無効化できたりするんだよな。効果が出てもほんのちょっとだけだったりもするし。
だからこそ、心置きなく罠を食らえるともいえる。
俺がそんな風に考えていると、増華は少し気になることがあるようで、
「…………ちょっと待って、それを考えると、私もチャックに守ってもらってるからさっきの罠を受けてもフラフラすることはなかったんじゃ?」
「確かに」
増華だって、俺と同じようにリビングメイルに守ってもらっている。
それならば、さっきのように俺が増華のフラフラした歩みも止めてやる必要はなかったんじゃないかと思え。
特にそうならんかった理由が思い当たらないため全員の視線が増華のリビングメイルであるチャックに集中して、チャックは自分おこぶしを軽く頭にこつんとぶつけた。
「いや、てへぺろッ!じゃねぇよ!」
「も~。チャックってばお茶目なんだから~」
ふざけているようですが、割と状態異常の耐性とか上げておくことは大序な要素になります(ふざけてないとは言ってない)




