プロローグ2
僕は、帝国の一般的な家庭の子どもだった。
だが7年前父が国家反逆罪で、逮捕され、処刑された。
父が逮捕されたのは母の密告によるものだった。
その母は僕を守らず、僕は奴隷に売り飛ばされた。
理由は、僕の瞳が白いせいだった。
瞳は魔力の象徴と言われ、白い瞳は厄災の象徴として忌み嫌われていた。
ここから僕の奴隷生活が始まった。
***************************
「おい、そこのお前。しっかり歩け!」
奴隷商人が僕を鞭打つ。
「ご、ごめんなさい」
「ったく、何のためにお前に飯を与えてると思ってる。こののろまが。」
奴隷商人は何回も僕を鞭打つ。
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
消えたい
消えたい
消えたい
1日にトイレ2回、食事は1回、カビの生えたパンと、野菜のくずの入ったなまぬるい水。
血色のない奴隷は化粧され、売り場に出される。
化粧でごまかせないほどやつれた奴隷は、鉱山奴隷としてより過酷な環境で働くか、売れないお荷物として殺処分される。
こんな過酷な環境で、心身は限界だった。
ああ、なんで僕は生きてるんだろ。
馬鹿らしい。
そんな時だった。あの人に出会ったのは。
「いらっしゃいませ、本日はどのような品物をご所望でしょうか?」
「私が見て回るわ、あなたは何もしなくていい」
その女性は商人に軽蔑のまなざしを向ける。
商人はこのような客を心得ているのか、後ろに下がった。
「あなた、お名前は?」
「…」
「話せないの?」
「…」
「この子を頂戴」
「了解いたしました。しかしこんなみすぼらしい不吉な奴隷をご所望されるとは、ご婦人も物好きですね」
「うるさいわね、さっさとしてくれるかしら」
「は、申し訳ございません」
「こんにちは!私はヒズラというの、よろしくね。母さんと呼んでくれていいわ。早速だけどあなたはもう今日から自由よ!もう何をしても誰かに文句は言われないわ!」
一瞬、何を言われたかわからなかった、
「大事なことだから母さんはもう一回いいます。あなたはもう自由よ!ところでお名前は?」
「ない」
「良かった!喋れたのね。じゃあ、母さんが名前を付けてあげます。あなたは、髪が青いからアオイね!」
「アオイ…」
「そう、アオイよ、いいネーミングでしょ!」
「アオイ、アオイ」
「これからよろしくね!」
これが、第2の母さんとの出会いだった。
続きです。
3日以内ぐらいにまた続きだします。
下の星ボタン的なやつ押していただけると救われます。