プロローグ1
「お母さん?どうして?父さんはどうして連れていかれちゃうの?」
「父さんは悪いことをしたのよ。アオイも気をつけなさい」
母さんが無表情でそう答える。
「なんで?何をしたの?」
「お前の瞳のせいだろうが!お前の瞳のせいで…」
母さんが泣き崩れる。母さんの顔はゆがんでいた。
「僕のせい…?」
ドン、ドン、ドン
扉をたたく音がする。
僕は急いで棚の後ろに身を隠す。
「ブルガリオ・ディ・アオシア。国家反逆共謀罪の疑いで逮捕する。」
入ってきた兵士がそう告げる。
「ち、違います。私は帝国のために…」
「うるさい!さっさとこい!」
「あの、あの忌み子はここにいます!あの棚の下に!」
「なに?おい、お前つれてこい!」
こうして僕は捕まった。
「被疑者を確保しました。将軍」
「そうか、荷車で護送しろ」
「了解です」
◇
ガラガラガラガラとものものしい荷車と馬車の集団が街道を進んでいる。
「おい、これはいったい何の騒ぎだ?」
「帝国への反逆だってよ。」
「反逆だって?馬鹿だなあ。そんなのうまくいくわけねえのに」
市民がのんきに話しているさなか、馬車に4つの影がすきま風のように近づいていた。
(ターゲット補足、作戦を実行する)
(了解、うまくやれよ)
馬車が動きを止める。
「どうした?」
閃光が見物人の目をふさぐ。
ドガォォォン
見物人が目を開いたときには
爆発によって炎上している馬車と騎士の焼死体がそこに広がっていた。
◇
「おい、生きてるか坊主」
「ぅぅ…」
「傷つけるなよ、大事な商品だからな」
「ってる、わかってるよ」
「坊主、お休みの時間だぜ」
視界が暗くなり、僕は意識を手放した。
そして目が覚めたら
檻の中に閉じ込められ、奴隷になっていた。
そして目が覚めたら…
体が縮んでしまっていt