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風を纏いし乙女

作者: 現和


 風の音がする。

 悲しげな泣き声のような、声がする。

 

 その只中に風を纏いし乙女がいる。


 風の泣き声 風の叫び

 鳴きやまない風が吹く


 風が叫ぶ 風が詠う 風が舞う


 そして、風は注視する

 風が叫ぶと、嵐が起こり

 風が詠うと、凪になり

 風が舞うと、雲と太陽も踊る


 そんな世界の物語

 風を纏いし乙女が言う

 「これから北に行きますが、ご一緒しますか?」

 

 南風が笑みをたたえて言う

 「私では北には行けませんよ」

 

 風を纏いし乙女が言う

 「それでは、雨を降らせてくれませんか?」


 南風が言う

 「それでは私の特技を披露しましょう」

 そしてにわか雨が降り注ぐ

 「雨の後には、彼女が踊りますよ」

 南風が穏やかに言う

 

 雨が穏やかになり、やがて虹が現れる

 虹が穏やかに、旋律を奏でる

 まさに七色の光を称える、虹が現れる


 風を纏いし乙女は言う

 「虹の向かうには何があるの?」

 

 南風が言う

 「そう…素晴らしい景色が見れるらしいよ」


 虹は旋律を奏でながら踊る

 「私の旋律をどうかしら?」


 風を纏いし乙女が言う

 「まさに虹を奏でる素晴らしい旋律ですよ」

 

 南風が言う

 「私も素晴らしい演奏と踊り、と思います」


 風を纏いし乙女は言う

 「私は虹の向かうを見に行くは…」


 こうして、旅が始まり、始まった

 


 

 


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