ちょっと待って? 謎が残っているのですが…?
今回は少し説明&駆け足気味です。次回は別キャラ視点になります。
※また後日修正予定です。
雑貨屋『一番星』から少し歩いた場所にある、茶色いレンガ作りの大きな建物“ギルド”までやって来た。
「お、親方ぁ…! ほんっとうに、ほんっとうに! すみませんでしたっ!!」
「ああ、もう! そう何度も謝んなくていい! やっちまったもんは仕方ねぇ! ありゃ売り物としては駄目になっちまったが、無駄にはならねぇ。ただ次は同じミスをするんじゃねぇぞ! おら、サッサと依頼出して、足りなくなっちまった材料揃えるぞ。とりあえず今は間に合うモンから仕上げるぞ!」
「は、はいっ!!」
何かの職人さん達だろうか? 他にも――…
「あらっ、奥さん。こんにちは! まあ! 素敵なスカーフをしてるわねぇ!」
「こんにちは! ああ、これ? ふふ、うちの人が私に内緒でギルドに依頼を出していてね、この間の誕生日にプレゼントしてくれたのよ〜」
「まあまあ! 良いご主人じゃないの! うちなんて私の誕生日を覚えているかすら怪しいんだから!」
…など。この辺りはギルドが近いからなのか、色んな人達で賑わっているようだった。
ギルドの中に入ると、すぐに受付カウンターが二ヶ所見えて来た。片方のカウンターには先客が居たので、私は空いていたもう片方のカウンターへと歩みを進めた。
カウンターに居た人物とは初対面で間違いないのだけど、見覚えのある人物だった。
「いらっしゃいませ。登録証はお持ちでしょうか?」
黄色の瞳を細め、にこにこと笑顔で対応してくれる、栗色のフワフワした柔らかそうな髪をクリーム色のリボンで結び、ツインテールにしている可愛い小柄な女の子、名前はリラちゃん。
彼女もリリナさんと同じく、男主人公の場合の嫁候補の一人なので、見覚えがあると言うわけ。リラちゃんは癒し系なんだよね〜。友達になれると良いな。
「あの〜、お客様? どうかしましたか?」
おっと、いけない。思わず見つめ過ぎてしまった!
「い、いえ! すみません。ギルドカードですね! あります、あります!」
財布の中から白いカードを取り出し、リラちゃん(うっかり名前を呼んだりしないように気をつけないと…! 名前を知らない筈の人に、いきなり名前呼ばれたら怖いからね!)に手渡す。
「はい、お預かり致します」
ギルドカードを作るのに登録料は不要だ。だから町に来てすぐに『これから先、牧場で収穫した物から色々作って売るだろう? いきなり個人での取引は難しいから、ギルドカードは作って置いた方がいい』と、おじさんに進められて作って置いたんだけど、新規登録手続きに時間を取られない分、仕事を探す時間も出来るし、作って置いて良かったよ。おじさん、ありがとう。
「確認致しました。アイラ・クレスター様ですね。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「あのー、今からでも出来る日雇いの仕事で、仕事終わりに給料が貰える仕事をしたいのですが何かありますか?」
「はい、ございます。日雇いのお仕事をお探しでしたら、そちらの赤色で縁取られている掲示板に掲載されているものになります」
リラちゃん(と心の中で呼ばせて貰う事にする)が、手のひらで『そちらの』と示す方向に目を向けると、赤色、黄色、緑色、青色、黒色で縁取られている掲示板がズラーッと横並びに立っていた。
「掲示板、依頼についてのご説明は必要ですか?」
「はい…あ! 今、急いで仕事を探したいので、今日のところは掲示板と依頼を請負った時の事ついて教えて貰えますか?」
もしかしたらゲームとは違う仕組みになっている部分もあるかもしれない。そう思い、リラちゃんに説明を頼んだ。
「かしこまりました。ではまず、どの掲示板でも共通している事をお話します。受けたい依頼の依頼書を掲示板から剥がして、こちら受付までお持ち下さい。依頼内容の確認、報酬についてご了承頂けましたら依頼を受けて頂きます。注意点としまして、黒色の縁の掲示板につきましては期間関係なく、日雇い、短期、長期の物が貼られています。主に冒険者向けの、危険を伴う可能性がとても高い依頼となっているので、それ以外のご職業の方にはお薦め出来ません」
ふむふむと頷く。
「それぞれ縁取られている色の掲示板により、日雇い、短期、長期の仕事依頼が貼られています。日雇いは赤色、短期間は黄色、長期間が緑色となっております。青色は採取・納品依頼となりますので今回は省略致します。
クレスター様は日雇いをご希望との事ですので、そちらについてご説明します。まず依頼時間内に依頼主様の元へ行って頂き、依頼書にある仕事をして頂きます。終了後に給料を受け取りましたら、依頼完了となります。ギルドへの報告は依頼主様がなさいますので、依頼を受けられた方からの報告の必要はありません。
また、途中で依頼がこなせなくなってしまった場合はギルドまで、お早めにご連絡下さい。罰金等の発生はありませんが、あまりにもキャンセルを繰り返されますと暫く仕事依頼の受付は出来なくなりますのでご注意下さい…と。説明は以上です。何かご質問はございますか?」
と、聞かれて首を横に振った。
「いえ、ありません。詳しく教えて下さってありがとうございました」
「いいえ、良いお仕事が見つかると良いですね」
「ありがとうございます! それじゃ、早速掲示板を見てきますね!」
そう笑顔で返し、赤色の縁取りがされている掲示板へと向かい、早速掲示板をチェックしたところ――…
一件目は【薪割りの仕事】湯屋さん(銭湯かな。ちなみにちゃんと男湯、女湯に別れている)の薪割りの仕事。一名募集。(給金7500ゴールド 終了時間:終わり次第終了)
二件目は【ナス畑の支柱立て】とある大きな農家さんのナス畑の支柱立ての手伝い。三名募集。(給金5000ゴールド 終了時間:16時)
三件目は【花屋の配達業務】花屋さんの配達業務手伝い。一名募集。(給金3000ゴールド 終了時間:終わり次第終了)
…――この三件の仕事の依頼書が貼り出されていた。その中の一枚の依頼書を剥がす。
(…よし、これにしよう!)
「リ…職員さん。すみません、この依頼を受けたいのですが…」
私は【薪割りの仕事】の依頼書を手に受付カウンターへと戻って。
そして、リラちゃんに『えっ? ホントにこの仕事やるの? 給金は良いけどキツイよ?! 大丈夫なの!?』といった感じの言葉を丁寧な口調で言われ、心配されながら。私は、湯屋さんへと向かったのだった――…
(ゲームのように簡単には終わらないかもしれないけど、今日はまだまだ体力余裕だし、頑張ろう…!)
…――初めてのアルバイト。結論から言えば、薪割りの仕事は想像以上に大変だったけれど、何とか終わらせる事が出来た。
給金を貰って、湯屋さんを後にする頃には、すっかり日が暮れており、ヘロヘロになりながらも、まだ開いていた食材屋さんに寄り、瓶詰めのイチゴジャムと、ピクルス。他にフランスパンの様な形と固さのパンや、野菜などの食材数点を購入し、店を出て。
リリナさんが待っているんだ!! と。ちょっとおかしなテンションになりながら『一番星』に寄って無事にトマトの苗とトウモロコシの種を購入し、他にシャンプーとキッチン用の洗剤を買ってから帰路に着いた。
その途中で、仕事帰りのルッツさんに会ったのだけれど――…
「…――あれれー? おっかしいぞー?」
前世でハマっていた漫画の某少年探偵みたいな事を言っている場合ではないんだけどね?
「なんで家に居るんだ、私。しかも、ベッドの中」
…――ルッツさんに会った直後からの記憶が無いのだけど? あれれー?
私は、どうやって帰って来たんだろう…謎だ。
(洋服はちゃんと着ているし、ベッドの中には私一人だ。何かのマチガイが起きた訳ではなさそうだ)
ここまでお読み下さりありがとうございます…!!
10/22 日間 異世界(恋愛)転生・転移ランキング11位になりました。本当にありがとうございます…!!励みになります!!




