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テトと兄様とパテを塗ります。

作業一日目。の話になります。(それから次回更新まで少し間が空くかもしれません;)


 「なるほド。コレは――…木の状態は厚みもあるシ悪くなイ。オウトツ(凸凹)も殆どないみたいダ。コレならパテを塗っテ、目立つトコロあれバ、紙ヤスリかける位デ、後ハ簡単にクロスを貼れるだろウ」


 翌日。最初に私と兄様とテトで壁の前にある物(主に、引っ越してきた時、おじさんが設置しておいてくれたパイプベッドと小型冷蔵庫、今は服や着替えとかも入れている道具入れの木の箱、旧型で数はそんなに沢山入らないけれど、保存箱を取扱っているお店の職人さんに依頼すれば入る数も増やせる保存箱…かな。他はそんなに重い物も無いんだけどね! ちょっと悲しいな。せめて衣料品と道具を分けて入れられるように棚か箱は買わないとね…いつか、だけど)を部屋の真ん中に寄せて、壁が見えるようにした。


 そして、テトが壁の状態を調べ、寸法を測る為の大きなメジャーを腰辺りに身に着けたポーチ(ウエストポーチだね。カバンよりは入れられる数が少ないらしいけど仕事道具と携帯食、飲み物が入っているだけなのでクロス貼りの仕事辺りでは問題ないらしい)から取り出すと――…


 「そうダ、キャタツはあるカ?」

 「脚立は…あ、あります! 確か小屋の裏手に。今お持ちしますね!」

 「待てアイラ。俺が持って来てやるから、お前はテトを手伝ってろ!」

 「ありがとうございます、兄様」

 「気にすんな! 脚立位軽いモンだ!」


 兄様が小屋から出て脚立を取りに行って帰って来るまでの間。テトは脚立無しでも測れる箇所の計測をしていたので、その手伝い(と言っても、メモを取る位だけど)をしていた。


 





 

 「それジャ、次にパテを塗るから、コレを」


 計測を終えたテトから、パテの入った丸いペンキ缶のような缶とパテを塗る道具(えっと、パテベラだっけ?)を私と兄様に渡され、私達兄妹は『おお! いよいよだ!』とワクワクし始めていた。実家に居たら、まず絶対にやれない事だし、近寄る事すらさせて貰えないだろうからね。


 「塗り方ハ、こんなカンジで――…。少しくらいなラ、厚さに差が出てモ、カミヤスリで直せるかラ」


 テトが初めにジャッジャッ、と。壁に手早く均等にパテを塗り広げて行く。流石、見習いとは言え職人。手際が良い!


 「っしゃー、やるかー!!」


 私はキッチン(普段はコンロや冷蔵庫が置いてある)側、兄様がその反対に位置する玄関側を担当し、テトが左右の窓側を担当する事になったのだけど――…


 ドベシャーッ!! 


 …――あれ? 今、テトの時とは違った音が聞こえたような…?


 「ッガ!? アルサン!? ヌリスギ! ヌリスギダヨ!! ノバシテ、スグニノバシテ!!」


 わー…テトが驚いてるー、いつの間にか兄様の呼び方も変わってるー、言葉も全部カタコトだー…。貴重だけど振り向きたくない。何か振り向くのが怖い!!


 「ハッハッハ! 悪い悪い! 豪快に行ったら楽しそうだと思ってな!!」 


 ジャッ、ジャッ、ジャッ、ジャッと。テトが素早く兄様がやらかしてくれた“ドベシャーッ!!”のパテを伸ばしてくれたので事無きを得た。


 「テトさん、ごめんなさい。フォローして下さりありがとうございます! 兄様? 手伝って頂けている事にはとても感謝していますが、真面目に! 真面目に!! お願いします」

 「お、おう」


 これで、もう大丈夫! …――だったら良いな。






 


 暫くして。無事に(?)パテを塗る作業を終えて、今日の作業は終了。明日は乾いた壁のパテを、必要がありそうなら紙ヤスリで削って、その後に壁紙クロスを貼り、完了となる。


 「ジャ、また明日ナ。アイラサン、アルサン」


 もうすぐ夕方の時間帯。少し疲れた様子(ウン、何が原因か解ってはいる)で帰って行くテトに、お礼と明日も宜しくお願いします、と挨拶をし、兄様と二人で見送ったのだった。


 (明日は、この小屋に壁紙が貼られるんだなぁ、楽しみだな――…! それから、テトには兄様が出してくれる壁紙や作業代金以外にも何かお礼しないと、だね。何が良いかな? あ、そうだ! プリンを作ろう! 前に買いに来てくれた位だし、嫌がられるものではないよね?)

 

 

ここまでお読み下さりありがとうございます…!!

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