兄様がやって来た!! 2
後程、また修正します。
アル兄様と相談して、小屋の外側と屋根に塗るペンキ(昔は茶色く塗られていたようだけど、それは歳月の流れですっかり色が剥げてしまっていた…)と、内側には――…
「えっ、壁紙を貼ってくれるんですか?!」
ペンキ代より高く付くんじゃないの!? と思ったんだけど。
「おう、いくらこれから季節が真夏になるって言ってもさー、夏が過ぎれば秋や冬が来る。こんな板っきれの小屋じゃ寒くなるのは目に見えてる。まー、気休めかもしれないが少しはマシだろ。冬までにお前が自分で貯めた金で家を建てるって話なら別だけどなー…無理だろ?」
「無理、ですね。あの、兄様。ありがとうございます」
…――有難く兄様の厚意に甘える事にした。
「おう。んじゃ、早速出掛けるぞ!」
「えっ? 街に、ですよね?」
「おう! 俺もそんなに長居はできねぇからなー、壁紙は発注すればいいか? とりあえずペンキを買いに行くぞ!」
「壁紙もペンキも自分でやるのです…あ、いえ! 何でもありません。宜しくお願いします」
つい『自分で貼ったり、塗ったりするの? 職人さんに依頼するのではなく?』などと思ってしまった。
いけない、いけない。兄様と会ったからか、実家での感覚に戻りかけてしまったようだ。良い暮らし、していたんだなぁ私。
さて。シャワーブースの時とは違い、自分でも出来る仕事だ。材料費を出して貰えるだけでも、すっごく有難い事だ。甘え過ぎは良くないよね。
それから、すぐに兄様が王都から乗ってきた愛馬、通称ペガ(白馬で、名前はペガサスっていうんだけど――…うん、これ以上は何も言うまい)に一緒に乗せて貰い、街に向かったのだった――…
「兄様、ここが雑貨屋さんです。ペンキはこちらで買えます。壁紙については後程――…あ! リリナさん、こんにちは! 今、いいですか?」
街に着いて最初に、ペガを街の入口にある警備隊簡易詰め所(前世で言うなら交番みたいな場所だね)に預けて、私達は雑貨屋『一番星』にやって来た。店先には丁度、品出しをしていたリリナさんの姿が見えたので声を掛け、尋ねてみる事にした。
「あら、アイラちゃん。いらっしゃい! まあ、格好良い騎士様を連れて…デートかしら?」
顔を上げたリリナさんは、ニヤニヤとからかいの笑みを浮かべて『アイラちゃんたら、忙しそうなのに彼氏居たのね〜』なんて言っている。
「はあっ!? い、いえ! 兄ですよ、兄! ねっ、兄様!」
「あ? あ、ああ。は、初めまして、美しいお嬢さん。私は王立騎士団に所属しているアルフレッドと申します。アイラがいつもお世話になっております」
兄様、よそ行きモードだ。これは、リリナさんに一目惚れしたか? リリナさん、美人だしなぁ。まあ、この『ぼくハピ』世界、男主人公じゃない(…よね? 私、居るし)から、リリナさんに惚れたとしても絶対無理って訳じゃないかもね。
「まあ、ご丁寧にありがとうございます。私はリリナと申します。こちらこそ、アイラちゃんにはいつもご贔屓頂いていて、有難く思っているんですよ」
にっこりと笑みを浮かべるリリナさんに、私は早速、小屋の壁や屋根に塗るペンキが欲しい事を伝えて、ペンキのカタログを見せて貰う事にした。品物は、かさばるから普段は保存箱(家庭用と違って、大きい!)に収納してあるのだとか。
「そうだなー…兄様は何色が良いと思います?」
「ん? 金と銀で派手に塗る「あ、自分で決めますね!」…まあ、良いけどな」
危ない。金と銀て。色はどちらも悪いものではないけど、組み合わせ! 組み合わせを考えて下さいよ、兄様。(そう言えば兄様の私服って時々、奇抜と言うか微妙なのがあったけど…あれは、自分で選んだものなんだろうなぁ)
「あははっ、面白い兄妹ね〜! 私はこの薄桃色とか壁の色に良いと思うけど、どうかしら?」
「薄桃色か―…(っ!? ん? 何か悪寒のようなものが…)えっと、リリナさん、ごめんなさい。せっかく薦めてくれたのに申し訳ないですが…えーと。壁はこの薄黄色のペンキにします。屋根は――…うん、赤にしようかな」
何故だか、薄桃色は止めておいた方が良い気がした。別に嫌いな色じゃ無いんだけどなー…なんでだろ?
「毎度お買い上げありがとうございます!」
リリナさんから薄黄色と赤のペンキ数缶、刷毛も数本買い、それらを鞄にしまってから。店を出る前に壁紙も売っているか聞いたら、売ってはいるけれど、初めて壁紙を貼るなら職人さんに貼り方を教えて貰いがてら、職人さんが扱っている少し高価な壁紙を買う方が良いと薦められて、大工さんや鍛冶士さんとか、他たくさんの職人さん達が集まっている通称“工業区”へと足を進めた。
そこで私は“ぼくハピ”での婿候補、最後の一人である“彼”と対面する事になるのだった――…(いや、まあ実は一度会った事はあるんだけどね!)
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