番外編 【Happy New Year!!】
2019.1.1に活動報告にて更新した小話の再録になります。ネタバレはありません。
今年も亀更新ですが、宜しくお願いします。
牧場で迎えた新年一日目。ハーッと吐く息は白く、冷たい空気にブルりと身体を震わせながら着替えを済ませ、上着を羽織って外に出てみる。
「んんーっ、寒いけど良い天気だー!」
グイッと腕を空に向けて上げ、グーッと伸びをし、空を見れば。雲一つ見当たらない、澄んだ青空が広がっていた。
「おはよ〜う、アイラちゃん。ハッピーニューイヤ〜!」
「あっ、ルネさん。おはようございます! ハ、ハッピーニューイヤー!」
この国で(一部の地域では違うみたいだけど)大抵の新年の挨拶は“ハッピーニューイヤー”だ。前世を少し思い出した今は、ちょっと…照れる。
「はーい、これ。アイラちゃんへの郵便ね〜」
「ありがとうございます、ルネさん。朝早くからお疲れ様です! えっと、父様や母様、兄様達…あっ、おじさんとナンシーさんに、ルッツさん。リリナさんに――…他にも!」
郵便物は新年の挨拶カード(前世で言うなら年賀状みたいなものだね)だった。
この街に来て知り合った人達から初めて貰うカードを見て、私も街の住人なんだなぁ、と。嬉しい気持ちになった。
「ふふ、アイラちゃん。嬉しそうな顔をしているねぇ」
「はい! 家族からも、この街に来て良くしてもらっている人達皆からのカードも、とっても嬉しいです!」
「そっか〜、それじゃあ僕からのカードも貰ってくれるかな〜?」
「わ! 嬉しいです、勿論です!」
ルネさんは郵便屋さんの制服のポケットから一枚の淡いブルーのカードを取り出すと、私に差し出し『今年もよろしくね〜』と言い、私はそれを笑顔で『こちらこそ!』と頷きながら、カードを受け取った。
「ありがとうございます、ルネさん! あっ、ちょっとだけ待っていて下さいっ!」
私は貰ったカード達を大切に抱えながら小屋へと入り、カバンから一枚の淡いオレンジ色のカードを取り出す。そして、ルネさんの所へ戻り――…
「ルネさん、これ! 私からもご挨拶のカードです! 家族には送りましたけど、この街の皆には今日、直接ご挨拶しながら手渡したいなって思っていたんですけど…受け取ってもらえますか?」
淡いオレンジ色のカードをルネさんに差し出すと。
「勿論、受け取るよ〜。ありがとう、アイラちゃん」
受け取ってくれたルネさんは、そのカードを口元に当てて、パチりとウィンクを一つ私に向けてきた。
(き、キザだ…!! だけど格好良いから許せるワザだ…!!)
うっかり、ぽわわーん。って目がハート形になりそうだった…!(実際にはならないけど…!)
「それじゃあ、まだまだ配達もあるし、僕はそろそろお暇しようかな〜。またねぇ、アイラちゃん」
「はい、ルネさん。お気をつけて!」
ズッシリと重そう(に見えるけど、ルネさんは平気そうなんだよね…)な肩掛けカバンの紐を掛け直したルネさんは、爽やかな笑顔で手を振りながら、牧場を後にし帰って行った。
「さて、と。私も朝ご飯にしよう!」
ご飯を食べたら、皆(動物達)にも、いつもより少し豪華なご飯をあげて、放牧をして。その後に街へ行こうと思っていた私は――…
朝、カードを送ってくれた皆のカードを眺めて一人。ニマニマとした顔をしながら。
(私からの新年のカードも、みんな喜んでくれると良いなぁ)
…ーーなんて思うのだった。
ここまでお読み下さりありがとうございます!!




