04 そして再び動き出す
予約掲載設定がミスっていて、うまく投稿できていなかったようです。遅れてすいませんでした。
シーン......。
何だろう。この微妙な空気は。あれ、セルベスさんが、床に、手をついて、膝を折って、何をしようとしてる......んだ? まさか、そんなわけないよな。そのまま頭を床につけて、それはそれは見事な土下座でした。
「すいっませんっでしたぁ! ちょっと調子に乗ってましたぁ!」
だそうです。何を謝られてるのかさっぱりなんだけど?
「千鶴に比べればカスみたいなことで被害者ぶっててすいませんでしたぁ! マジで笑いの種にしてすいませんでしたぁ! 本当にそんな大変な人生だなんて調べてなかったんです」
「......っあ、はい」
えーっと、許してもらおうとしているってことかな?
「何でもしますから本当に許してください。マジでお願いしますぅ!」
「っえ?あ、はい」
どうしろと? 僕に何を求めてるんだ? もう、内心汗だらったらである。
「あ、それは、千鶴をほぼ確実に人間として生まれさせられるようにして、サポートとして、適と......ゲフンゲフン、しっかりと選んで生物を千鶴から作っとくよ。使い勝手いいやつをね。それとも何にするか選ぶ?」
さっきとはまるで別人のようになった、セルビスさんがかなりの問題発言をした。僕から作るって何をするつもりなんだろうか。ちょっと怖くなってきた。
「大丈夫、怖くないよ。みんなやってるから。嫌だったらその時にやめればいいんだから。痩せられるよ」
いやいや、全部覚せい剤とかの誘い文句なんだけど。絶対危ないヤツやん。
「今やると商店街の三千円分のお買い物券もついてきます。さらに、もう一匹お付けして29800円! 29800円、どうです安い買い物でしょ?」
いや、それはテレビショッピングだろうが。てか、お金とるのかよ。
「いや、なんかノリで、やっちゃいました。てへっ」
セルビスさんが推定、男性のくせに可愛こぶっている。ちょっとないですよね。
「......すいません。調子に乗りました」
と言ってセルビスさんは頭を下げる。もう、やめて欲しい。普通に接してはくれないものか。あ、ならこういえばいいんだ。
「はい。じゃあわかりました。なら、友達になりましょう。友達なら対等ですから。変なテンションはなしで行きません?」
あからさまに嬉しそうな顔をしたセルビスさんは、やはり嬉しそうに言った。
「ありがとう。サービスしとくよ」
肉屋のおじちゃんか! 最近ツッコミしかしてないような気がするよ。
「あ、転生してから異常なほど多くの嫌なことがあったら、俺に教えてね、上司に掛け合って、あいつを追い出すから。そしたら、千鶴もはた」
ドゴオォォォン
「お、もう一時間たったのか、早いな、気のせいか? 気のせいだな。おっと、誰か来たようだ」
わっかりやっすい死亡フラグを立てるなよ。まあ、大方神様だろうけどね。
後ろを見ると、案の定神様が地面に顔から突っ込んでいた。そして、顔の周辺にはメガネのレンズと思われるものの破片と、赤い血が飛び散っていた。ご愁傷様です。
「ぼぼぼぼぼ、僕のことを、だ、だだ、騙しやがって、フヒッ、ぜ、絶対に許さないぞ。フヒヒ」
僕がいつ神様のことを騙したのだろうか? まず、あったのがさっきが初めてだし。
「フヒヒ、あ、あの、ぶぶ、文化祭の時に、お、女の子の格好をしてたじゃないか。フヒッ、フヒヒ、ささ、佐々木さんが、ぼ、僕に気があるふりをして、た、楽しんでたんだろ!」
なんという事だろうか。確かに、僕は、高校1年の文化祭の時にやったメイド喫茶で女装をさせられた。だが、それをなぜ神様が知っているのだろうか。......ん? 気があるふりをしてだと? と言うことはあったことがあるのか。
確かに神様みたいな人というか、恋愛なんて全く経験したことのなさそうな人は、僕達のクラスのメイド喫茶によく来た。とっても沢山来た。それはもう、学校で一番の人気店に選ばれた僕達のクラスに、来た人の約半分はそういう人たちだった。だけどさ、気があるふりなんてしたっけ?
「千鶴、天界では、お釣りとかを丁寧に手渡ししたりしないよ」
つまり、神様はなんでかは分からないけど学校の文化祭に来て、あ、この子カワイイ。え、丁寧に対応してくれた。僕に気がある? 僕も好き! ってことかな? ちょっとないですよね。
「あ、あの時の、さ、佐々木さんの、て、手の感触はぜぜぜ、絶対に忘れないよ。い、一生養っていこうって、お、思った。なのに、なのに、なのに、なのに、佐々木さんはぼ、僕を裏切った。ぜ、絶対に許さない。ユルサナイ」
あのー、神様がちょっと、いや、かなりやばい人だね。うん。まあ、セルビスさんのおかげでなんとかなりそ......ん?
セルギスさんの方を見たら、ごめんね、てへぺろって、顔をしていた。
「え? い、いや、ちょっとまって、い、嫌だよ。嫌だからね」
「て、転生しろぉー」
神様は手のひらをこちらに向けて大声を出すと、こっちに向ってまっすぐ謎の光線が飛んできた。......秒速2ミリセンチくらいの速さで。
「「ぶふぅー」」
もちろん吹いたのは、僕とセルビスさんである。ちなみにそこにいるもう1人は顔を真っ赤にしていた。それが、羞恥か、怒りかはわからないが。
「こ、こんなことして、い、い、いいと思っているのか。ぼ、僕はネオスタン家の長男だぞ」
「......へーそれはそれはすごいねー」
もちろん棒読みである。興味が無いので。ネオスタン家と言うことは、天界のどこかの貴族あたりだろう。それを聞いてちょっと希望が見えてきた。貴族制度があるということは、さらに上位の王族なるものがあるわけで、その王族が腐ってなければ、変なことになっても、なんとかしてくれるだろうな、と考えたため、猫も皮もかぶらなかった。
しかし、千鶴は気づいていなかった。貴族以上に偉い人、いや、神が普通のイチ魂に会う可能性がかなり低いことに、そして、段々と神様の放った、とっても鈍い光線が着々と迫ってきていることに。
「まあまあ、二人とも落ち着けって」
「セルビス黙れ! 落ち着いていられるか。な、なんだか、かか、可愛い男の娘も、そ、その、ありだなって思い始めてる自分がいることに気づいたんだよね。フヒッ、だけど、僕は、ふ、普通の恋愛を、その、さ、佐々木さんとしたいから、佐々木さんが女の子になってもらうしかないでしょ?」
あのー完全に目がいっちゃってるんですけど。
「いやいや、ルシファーさん天界の規則で魂の性別は決まってるの分かってます? 魂の性別を勝手に変えるのは規則違反ですよーわーかーりーまーす? 規則違反ですよー規則違反」
セルビスさんが思いっきり煽ると、神様は顔を真っ赤にして言葉にならない声を出していた。
「セルビスさ、うえっ! うわぁー」
はい。今の一瞬の間に何があったか説明しましょう。
まず、そんなことして大丈夫か? と、つい足を踏み出してしまいました。次に、何故か落ちていたバナナの皮を踏んでしまい、思いっきり滑り飛んでいきました。最後に、ワンバウンドした後先ほど神様が撃った、鈍い光線に当たって転生してしまいましたとさ。
おしまい。
まあ、こんな感じである。なんでバナナの皮が落ちていたかはこの際どうでもいいが、セルビスさんにいろいろ聞き忘れてしまってした。どうしよう、何が起きても連絡出来ないし、謎の生物が送られてくるはずだけど、何が送られてくるかわからないからな。最悪、送ってこないことも考えられるし......まあ、頑張ろ。
私の都合で、次の投稿は休ませていただきます。
いや、テスト期間に入るので......
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