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やってきました!花魁祭!!!
なんでも良いからみんな楽しめよ!!!
ばーかーやろぉおおおおおお!!
...どうも。瀬那です。
今日は花魁祭なんだけど...。
スッゴい人なんだよね。本当にすごいことになってるよ。
人が蟻みたいだもん!
俺の前には長蛇の列があってね、なんかわかんないけどみんなに握手されてるんだよね。
「おおおお美しい!」
「握手してもらっちゃったぁ!」
「今回はクールな美人だな。」
「番になりてぇ」
最後の一言には少々びびったが、俺は顔には出さない。
そもそも、俺の表情筋は死んでいる。
上手く動かせないから、まぁ良いかなと思っている。
それはそれでおいといて。
大事なのは番である。
相手が誰なのかというのいうの問題ではあるけれど...。
どのタイミングで宝石は落ちてくるのだろうか。
神様がくれるのなら、相当高価...な気がする。
落としたらどうしてくれよう?
自己嫌悪に陥るかもしれない。
虫取網でも持っていこうかな?
ふと前を見たら何故か一人の男の後ろ姿が目にはいった。
黒い着物を着た長身の男だ。
顔は見えないけど、見覚えがある。
...誰だったかなぁ...?
...あぁあ。暇だ。花魁はずっと座らないといけないから暇なのだ。
握手は相手が勝手にしてくれるし...。
はぁああ。
ばっしゅぅううううううん!!!
なに!?なになになに!?
「「「「神様だぁああ!!」」」」
はぁあああああ!!!???
宝石が落ちてくるんじゃないの!?
「え、神降臨!?」
茶髪の青年驚いてるよ!ねえ!
カツカツカツッ
光の中から足音が聞こえてくる。
出てきたのは...
超イケメン...。
銀髪のサラサラロングヘアに涼しげなライトブルーの瞳。
形のよい薄いくちびるは何を思っているのかニヤリと弧を描いていた。




