二人同時に
さらに話会いを進めた結果、一日に二人ずつ血を分けることになった。今日はサクラとクロの日。でも二人ともなかなか飲もうとしてこない。
「どうして飲まないの?」
「わっちはアイ姉様のような姿をご主人様に見せたくないのじゃ。」
「みゃーもにゃ。」
「それってどういう事ですか!!」
アイにはあの時のことを教えていない。彼女が知ってしまったらきっと気にするから。
「アイは、何も悪くないよ。ただ少し飲みすぎただけ。」
「二人とも今日は少しだけだから、自分が保てるところまで飲んでみよう。ほら。」
自分の手首を切って二人の前に差し出す。鋭い痛みが走っている。傷口からしたたり落ちる真っ赤な私の血。二人はそれを食い入るように見つめている。
ゴクリ。
クロとサクラが生唾を飲み込んだのが分かった。アイからもユダレをすすっている音がする。こらこら、君は昨日あんなに飲んだじゃないか。
「本当にいいんじゃな?わっちが飲んでも?」
「みゃーは、もうがまんできないにゃ」
先に吸い出したのはクロ。それからは二人で競い合うように私の手頸へと舌を這わせている。二人とも少しでも多く舐めようと必死だ。だから反対の手首も切って差し出す。喧嘩をしないように。
「しゅきじゃーーーー♡♡♡これなしでは生きられん!!!本当にこれから沢山飲ませてくれるんかの?嘘じゃないの?」
「嘘じゃないよ。」
ううう。
サクラが泣きながら舐めている。クロは喉を鳴らしながら一心不乱に。二人の吸血は私の傷が塞がるまで続いた。
「おいしかったのじゃ~♡欲を言えば、もうちょっと飲みたかったのじゃが。」
よしよし、口の周りに血がついてるから、拭いてあげるね。
「血が付いた物は跡が残りますので、すぐに手洗いをしますね。」
「ありがとうアイ。」
でもどうして、私の目を見ずに血を拭いたタオルばかり見ているんだい?結局彼女は大事そうにそのタオルを抱えて、洗面所へと消えた。
「胸が熱いにゃ。」
はあ、はあ、
「ご主人様、みゃーの体おかしくなっちゃったみたいだにゃ。触って確かめてみてほしいにゃ。」
確かにクロは肩で息をしていて苦しそうだった。はだけさせた胸はピンク色になっていて熱を持っているよう。
パン!
ユイ姉がクロの頭を平手でたたいた。
「調子に乗るんじゃない、雌猫!!お前がそれくらいの量で自分を見失うはずないだろう。」
「ばれちゃったにゃ。」
いたずらに失敗した子供のように舌を出しておどけるクロ。
彼女は私の耳元まで近づいてきてこう言った
「みゃーは、いつでも準備OKだにゃ♡」
尻尾はピンと立っていて機嫌がいいようだった。
やっぱり私の血の中には、何かやばい物が入っているんじゃないか?




