ご主人様,誘拐される.
グロ注意です。生きたまま取りだして食べたりします。
僕はついに見つけた.
不思議な力を持つ大学生.彼をとらえれば,僕の持っている刃物を人にできる.そしたら僕だけの楽園を作るんだ.いっぱい奉仕させてやるんだ.
その大学生の名前は,火口剣太.ほとんど毎日大学に通っているらしい.刃物娘を連れていたらどうしようかと思った.だって彼女たちがいたら,誘拐が上手く行かない.叫ばれたら容易に分かってしまうから.
手の中には外気温によって凄く冷たくなった金づち.
これで奴の頭を叩いて気絶させる.死んでしまっても別に構わない.だって必要なのは彼の血だけ.凄く簡単.
緊張しているのか震える足を叩いて叱咤する.今,怖気づいたら何も始まらない.
とても重く感じる金づちを振り上げて叩き落す.
ドコ!!
やった!膝から崩れ落ちるのが視界のはじに映った.
私が目を覚ますと,ひどい頭痛がした.視界は霧がかかったようにあいまいで,手で触って,後頭部を確認しようとしたが,腕が動かなかった.どうやら足と腕が椅子にテープでぐるぐる巻きにされているらしい.
「おおおきたか.お前は僕に誘拐された.自由になりたければ彼女を人の姿にしろ.」
突きつけられたのは,マチェットだろう30cmはあろうかという大ナタ.
「両手が自由じゃないと何もできないよ.」
「うるさい!!僕がしゃべっていいと言うまで口を開くな!!!!」
痛い,どうやら彼は興奮状態にあるようで,いきなりその手に持った鉈で切り付けてきた.何もわかっていない,それはそんな風に使う道具じゃない.彼が血を見てどんどんと興奮していく一方,私は妙に冷静だった.
しかし,鉈に血が付いたことで力が発動してしまう.いつもは白い光に包まれるが今回は違った.その刀身から漏れ出したのはどす黒い煙.持ち主に毒されたのか.
そこに現れたのは真っ赤な民族衣装風の服装をした切れ目の麗人.
「やあ,僕のことが分かるかい?君のお婿さんだよ.」
「ええ,もちろんですとも.この豚.」
彼女が右腕を胸のあたりに持ち上げ,横にスライドする.それだけで彼は両断された.そんなことをしたのに彼女は薄笑いを浮かべて,顔についた返り血を舐めとった.
「初めまして,私の本当のご主人様.」
彼女の笑顔は何も悪いことはしていないといった風で,つい言ってしまった
「彼は君の持ち主だったんだろう?なんで殺したんだ!」
「あんな刃物を女として,自分の欲望を解消するための道具とするものは私の持ち主としてふさわしくありませんわ.でもあなたからは他の刃物の匂いがします.相当好かれているようですね.」
彼女は瞳は凄く純粋で,こんな持ち主にさえ合わなければもっと良い生き方ができただろうにとおもった.
「ご主人様はそんなことなされないですよね?だからわたしも,あなたのコレクションの一つとしてください.」
かわいそうだが
「悪いがそんなことはできない.君は持ち主を殺してしまった.これは持ち主を支える存在である刃物にあるまじきことだ.だから君を連れていくことはできない.だけど,そんな君が欲しいという人がいるかもしれない.その人を探す協力はできる.」
どうして?私にはこの人しかありえないと心が叫んでいるのに?体がこんなにも欲しがっているのに?
「他の人なんて我慢できそうにないですよ.」
彼の頭を抱いてキスをする.私が欲しくてたまらないようにしてあげるつもりだった,でも彼の口の周りを汚していたのは彼の頭の傷から回ってきた血液.あまりにもおいしくて我慢なんかできなくなった.確実に.
瞳に何か温かい物が当たっている,これはなんだろうか?ゆっくりと移動して目じりまで来た.そこからそれは,くねりながら内側に入ってこようとする.
痛い痛い痛い痛い!!!!!!!!!!!!
今まで感じたこともないひどい痛みだ.ずるりとした何かが引きずり出されるような感じがした.どうか夢であってくれ,本気でそう願った.うっすらとしていた視界は右半分が見えなくなってしまった.
そして視界に映る何かで頬を膨らませた彼女の幸せそうな顔.そしてゆっくりと咀嚼する.
「はぁ.なんておいしいのでしょう.いけませんは私ったら,ご主人様には瞳が二つしかないのに.最後に残しておけばよかったですわ.」
アイ,ユイ,助けて......
あれからどれくらいたっただろうか,彼女は私の色々な部分を食べた.痛みも寒さも,もうわからなくなってしまった.
バン!!!大きな音がした,
はじめはそのドアの先から差し込む光であの世からお迎えが来たのかと思った.天使だっていた,天使は私の体に取り付いて何か叫んで泣いてくれた.もう大丈夫なんだ.どこか懐かしい匂いがして記憶が舞い戻る.これはウォールナッツオイルの香り.
手が自由になって彼女の頬に触れる.良かった夢じゃない.
アイとユイ姉が私を助けに来てくれていた.
アイに私が気をとれている間に,ユイ姉は私を食べた女の人のお腹を切って内臓を取り出し,それを彼女の口へと押し込んでいた,私を傷つけた報いだと言って.
私は本当に人間を止めてしまったらしい.アイに,私が今どんな姿をしているのか聞いたが答えてはくれなかった.ただ,生きているのが奇跡だと.
これだけは言っておかなくてはと思って二人を呼ぶ
「私は君たちの主人としてふさわしくなくなってしまったと思う.だから私のもとから去リたければそう言ってくれ.」
「いいえご主人様,私たちはご主人様のお役にもっと立てるようで,不謹慎ながらうれしく思っておりますよ.一人でどこへでも行ってしまうのですから」
「マスターの目が一つないなら私がその代わりになります.」
彼女たちの気遣いが嬉しくて、涙があふれた.
「教育に悪いと思って,クロとサクラを外に残してあります.呼びましょう」
泣かれないだろうか.




