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刃物娘と大学生の日常

私の名前は火口剣太ヒグチ ケンタ。大きな夢を持って大学に入学したが、実際にやれることと、やりたいことの差がありすぎて落ち込んでいる。そんなありふれた大学生だ。

 有り余った時間を動画サイトでつぶすような生活をしている。今日もとくに何もなく一日が終わった。「平穏な日常なんて壊れてしまえばいいのに」


こんな何気ない一言が私を苦しめるなんて考えもしなかった。


 誰かが私の胸をゆすっている。

「おはようございます!マスター!!」


「まだ眠い...。」


「もう朝ですよ!!起きてください!」


「寒い」

あれ?ちょっと待て、私は大学の寮にいるはずだ。同室には誰もいないはず。なのになぜ起こされる?


「大事な話があるのです!」


「うるさいなぁもう。」


眠い目を無理やり持ち上げた先には美しい女の子がいた。


「は?」



いいいいいいいい意味が分からない!なぜここに女の子がいるんだ??そもそもここは男子寮だったはずだ、異性がいるはずもない。きっとあれだ!!女性を長らく見ていないから変な妄想をしちゃってる。それか、部屋の中のレジンかラッカー薄め液が漏れだして幻覚を見せているに違いない!換気をしよう。おちつけおちつけ俺はまだ死ぬわけにはいかない,


ベランダに出て新鮮な空気を胸いっぱい吸い込む。大丈夫、私はまだ死んでいない。


「落ち着いてください!混乱するのも無理ありません。ですが、私はあなたの思いにより人の体を授かったあなたの牙であり、爪です。」


「牙であり,爪...?それって僕がいつも自分のナイフにかけている言葉じゃないか。」

「人が進化するうえで捨ててしまった戦う力を補うことが我らが使命。どうぞ何なりとお命じ下さい!」

「怖い冗談を言うのはやめてくれ!ナイフが人になるなんて、そんなこと起きるわけがないじゃないか!」

「いえ、現にこうして私は存在しています。やっとあなたと言葉を交わせたというのに、そんなに拒絶されるなんて私はいらない娘なのでしょうか...。もしあなたが望むなら私はあなたから...。」


そういうと彼女は泣きだしてしまった。これはまずい、今までに経験したことのないことでどうしていいか分からない。とりあえず何か涙を拭くものをわたそう。


「ありがとうございまう。このような醜態をさらしてしまい申し訳ありません。」

「落ち着いたかい?」

「はい」

「ところで君はだれなんだい?」

「申し遅れてすみません。私はマスターに仕える刃が一本、ガーバー製IMF2です。」


「はい?」


上から下まで真っ黒な服で固めました!みたいな、この女の子がナイフ?そんなまさか。確かにナイフに人格があったらいいのにと思ったことはあったが、現実になるなんて..。


「ですから私はあなたのナイフ、IMF2です!」


まさか本当なのか,,,,,,?あの堅牢さをそのまま形にしました!!みたいなあの民間用サバイバルナイフなのか?よくサバイバルナイフとしてメディアで取り上げられるものよりもずっとシンプルで美しいあいつが?もしそうだとしたら,,,,。

「私は君の他にもナイフを所有しているはずだ。」

「はい、みんな私と同じように体を授かりマスターと話すのを楽しみにしていますよ!!マスターと一緒に寝た回数が一番多かった私が一番最初に会うことになりました!!」


なんてことだ,,,最高じゃないか!!!!



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