プロローグ
初めまして。蛙と申します。よろしくお願いします!よろしくお願いします!
小人に妖精、生きた人形
紳士淑女の皆様方、さあさあ今宵は仮面をつけて
全て忘れておいでなさい
気に入ったものは買い取り結構
寄ってらっしゃい見てらっしゃい
満月の夜の見世物小屋へ
そんな言葉が踊るビラを目の前に突き付けながら
「なぁ、今日ここ行かね?今度のは上物らしいぞ」
と、ニヤニヤとした顔を寄せて言う弟を見て、ため息をついた。
こういう時の弟は子供だ。菓子を買って欲しいと駄々をこねる子供。腐っても公爵という地位についている自分の弟なのだから、もう少しちゃんとした趣味をもって欲しい。
「ここしばらく忙しくて行ってなかっただろ?息抜きに観に行こうぜ」
そう囁く大きな子供を押し退け、椅子から立ち上がる。窓から外を見れば広い庭園に、思わず不安になるような紅の夕陽が射していて。
今日ぐらい行っても良いじゃないか。それに、あれは一緒に行ってやらないと後々面倒だ。
そう思ってしまった。
「今日だけだからな。今日行ったらしばらく行かないように。」
そう釘をさしつつも、了承する自分に呆れながらクローゼットの仮面を取った。
最近久しぶりに猫を触りました。やはり猫は癒されますね!いつかは猫を飼いたいものです。