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※先行きが不安です 《前編》

遅くなってすみません


15歳春、私は【ロージュ魔法学園】に入学する事ができました!!


ここまで来るのに私がどれほど大変な思いをしたか.....

しみじみとしている間に気づいたら入学式は終わっていた


うわぁーさいあくだー

あいつに『オレ、入学試験一番で合格して、代表挨拶するからちゃんと見とけよ!!』って言われてたのにー!!!

見てなかったって知られたらまためんどくさいことに.....

仕方ない、正直に言うか

見てなかったものは見てなかったのだ


入学そうそうに若干テンションが下がったが、次はお楽しみのクラス発表だ!!

一体どんなクラスになるかな

できたら、静かな大人しい人が多いクラスがいいなあ


「ミリーア!!!」


人が少なくなる頃を狙ったので辺りの人通りは疎らだ

そんな中一際よく通る声で私を呼ぶ声がした

突然名前で呼ばれ焦ったが、聞き覚えのある声なので心を落ち着ける

そしてゆっくりと振り向くとやはりそこにはあいつがいた


「...ご、ごきげんよう、カイザス様」


若干声が裏返ったが気にしない


振り返った先にいたカイザス様は満面の笑みでこちらに手を振りながら小走りで近づいてくる


「ミリーアどうだった、俺の代表挨拶は」


あっちゃー、顔に『凄かったって言って』と書いてる

とてもじゃないが言いにくい

どうしよう.....


そんな私の元に救いの手が差し伸べられた


「とっても素晴らしものでしたわ!!流石カイザス様です!!!」


「俺はお前になど聞いていない!」


「まぁ、そんなに照れなくても大丈夫ですわ」


「照れてなどいない!!!」


素敵な笑顔でカイザスを賞賛し、隙を見て私を睨みつけてくるが、私にとっては救いの女神的なこちらの令嬢はヒリス・マナンダ様だ


この令嬢様は、私がカイザスの対応にわたわたしている時にいつもタイミングよくやってきてくれる、言わば女神様だ

今日もいつもと違わず助けて下さった

ありがたやありがたや


私が心の中で拝んでいるとヒリス様の相手をするのを諦めたカイザス様が、別の話題を振ってくる


「そういえば、ミリーアは何組になったんだ?」


「確認しに行く途中でカイザス様にお会いしたのでまだ分かりませんわ」


「そうか、ならば一緒に見に行こう!もちろんお前はついてくるな」


あんたが引き留めたからまだ行ってねーよと、遠まわしに言ってみたがカイザス様は気づいていない

一方、一緒に行こうとして拒否られたヒリス様は私が言いたいことを気づいたらしく、私を睨みつけるとカイザス様に聞こえないくらいの声量で「下級貴族の分際で」と忌々しげに呟いていた

すみませんね、下級貴族に産まれたくて産まれた訳じゃないんでね


心の中で愚痴を吐いた私だが、一緒に行くと返事をしていないはずだが、カイザス様に半ば強引に引きずられている

どうやら私に拒否権は無いようだ

まぁどっちにしろ目的地は一緒なのでどうでもいいが


クラスの掲示場所に着くと、元々人が少なくなる頃を見計らって移動していたのを引き留められていたせいか、掲示板の周囲に人は居なくなっていた


さてとー、私は何組かな?


「おいミリーア!自分のクラスを見つけたら、せーので一緒に言うんだからな!!」


なんか言ってるカイザス様は放って置いて、じーっと掲示板を見つめて、まず自分の名前を探す

名前を発見し、クラスを確認


「見つけました」


「お、おいまだ言うなよ!せーのだぞ!!」


私が発見した事を報告すると、緊張した面持ちのカイザス様がゴクリと息を呑む

たかがクラス如きで何を緊張しているのだ、この人は


「行くぞ、せーの」


「1組です」

「2組だ!!」


「えっ?!!」


クラスが違う事を理解するなり、地面に膝から崩れ落ち項垂れる


「は、離れてしまった...なんということだ.....」


よっぽど私と同じクラスになりたかったのか、見ていてつい同情してしまうくらいに落胆しているカイザス様

そのあまりの悲壮感漂う表情に、私は普段ならば絶対にしないがつい慰めようとしてしまう


「そう気を落とさないで下さいませ。クラスが離れていると言っても一クラスだけ、すぐに会えますわ」


そう言って座り込んでいるカイザス様の背に手を当てると、ぼとぼとと大粒の涙をこぼし出した

一瞬、ギョッとしてしまったがなんだか微笑ましかったので、背に当てていた手を頭に持っていきなでなでする


「うぐぅ、グスッ、いっしょがよかった...」


「また来年があるじゃないですか」


「.........確かにそうだが...」


歯切れが悪い言い方に首をかしげてしまう

そんな私を見たカイザス様はため息を吐くと説明してくれる


「ミリーアは入学試験の時、一緒に魔力測定をした事を覚えているか?」


記憶を辿って入学試験の時のことを思い出す

確かに魔力測定をした覚えがある


「はい、覚えています」


「あの魔力測定はな、クラス分けのために行われたものだ。測定を行い、魔力量の近いもの同士で同じクラスに入れられる。入学試験の成績はクラス分けに反映されない。」


ほうほう、そんな感じでクラス分けをしていたのか

ん?なんでカイザス様はこの事を知っているのだ?


「俺がこの事を知っているのが不思議だと顔に書いてあるぞ」


バッチリ当てられてしまったのでつい両手で顔を覆う

くそう、どうでもいいところで人の心を読みやがって


憎々しげに視線をカイザス様に送るが、まったく気づいていない


「この事はこの学園に入学するやつなら大体が知っていると思うぞ」


「え、そうなのですか?」


え?私知らなかったんだけど


「ああ、皆知っているはずだが。それにしても一組か.....」


変な所で言葉を詰まらせるので不思議に思い首を傾げるが、カイザス様はブツブツ何かを言っていて気付いていない


「まぁ、いいじゃないか。それよりもそろそろ教室へ移動しよう」


いいのか?と思ったがまた引きずられていくのでとりあえずこの事は頭の片隅にでも置いておこう


それにしても、私はカイザス様以外とあまり親交がない

新しいクラスに馴染めるか、それが今の私の心を占めていて、ついさっき片隅にでも置いておこうと思ったことはすっかり頭の中から消え去っていた

ミリーアちゃん視点が書くの楽しくて思ったより長くなりそうなので前後編に分けます

ちゃんと今度こそ自己紹介のこと書きます!!

感想などございましたらよろしくお願いします

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