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仲良くしようではないか

なんなんだ、こいつら?


現在俺は、俺の頭一つ分下の位置で、違いと言えば髪の長さくらいの瓜二つな二人がこちらをお揃いの金色の瞳で睨みつけながら仁王立ちをしているという随分とシュールな現場に遭遇してしまっている


もちろん俺はこの2人に睨まれるようなことをした覚えはないので、内心戸惑うばかりだ


「なんだ、俺に何か用か?」


「君、ナーコ達よりも目立ちすぎ」

「君、コーナ達よりも目立ちすぎ」


言葉を発するタイミングも同じだ

だが、言っている内容は理解しがたいものだ


目立ちすぎ?この俺がか?

特に何もしてないんだが、この二人の様子から冗談を言ってるようにも感じない


「俺の何が目立っているというのだ?」


「なになにー、ナーコ達をバカにしてるの!!」

「してるしてるー、コーナ達をバカにしてるよこいつ!!」

「「ナーコとコーナは王族なのにー!!」」


「.........そうか」


もう一度言わせて欲しい

なんなんだ、こいつら?しかも王族だって?

あと一応言っておくが俺は一切この二人をバカになどしてはいない

全くと言っていいほど話が噛み合わない


「なんだなんだ、どうしたってんだ?」


きゃんきゃんと吠える二人に、どうしたらいいのか分からずに固まっていると救いの声が聞こえる


か、カイン先生!!

それに、オーガスにレイリーまで!!


騒ぎを起こす俺達...いや、こいつらに周りもざわつき出した為に一時属性検査を辞めてこちらに近づいてくる三人


「何があったんだ?」


俺と騒ぐ二人を交互に見て、俺にこの状況の説明を求める先生

だが、俺も何故こうなっているのか全く分からないのだ


「よく分からんが、俺が目立つのが気に食わないと言われた」


とりあえず、先程言われたことを言ってみるが首を傾げるカイン先生とオーガス

そうなる気持ちはよく分かるぞ


俺から話を聞いたオーガスは、俺から聞いただけでは埒が明かないと思ったのか俺とオレの前で未だに騒いでいる二人の間に立ち、二人と視線が合うように少し屈むと口を開く


「ルーティーン様の側近のオーガス・サニトリーと申し上げます。失礼ですが、この状況の説明をお願いしてもいいでしょうか?」


「いいよいいよー、こいつナーコ達よりも目立つの。許せないの」

「うんうん、目立つんだこいつ。王族であるコーナ達よりも」


「ほぉ、お二人は王族の方だったのですか。これはこれは、失礼な態度をとってしまい申し訳ございません」


「「いいよー」」


オーガスが二人の立場に少し驚いた様子を見せ、頭を下げると嬉しそうに気にするなと言う二人


「ところで、お二人はどちらのお国から」


ドガンッ!!


二人の様子に少し目付きを変えて最も情報を得ようとしたオーガスだったが、その目論見は突如俺の隣が爆発したことにより失敗する


ん?うん、爆発

爆発したんだよ、俺の隣で

何がって?そんなの決まってるだろ

こんなよくわからないタイミングでキレるのは奴しかいない


吹き荒れる熱風に不気味な笑い声

風に吹かれ巻き上がる太陽の様な赤い髪に、マグマを思わせるその赤い瞳には光は灯っていない


「ふふふ.....。ルーティーン様が目立つのが許せない?」


「お、落ち着けレイリー」


「おいおい、何を怒っているんだマーガネット」


「二人はちょっと黙ってて」


レイリーの有無を言わせない雰囲気にオーガスとカイン先生は大人しく黙ってしまい、レイリーに視線を向けられている二人はそのレイリーの迫力に身体が震えお互いに抱き合い座り込んでしまっている


俺か?俺はいつの間にかこの闘技場にいたツーリスが持ってきた椅子に座っている

因みにツーリスは俺を椅子に座らせるとまた何処かへと消えてしまう。きっと教室にでも帰ったのだろう

ツッコミ?するだけ無駄だろう


完全に傍観体制に入る

もうどうしようもないしな

俺があの二人を庇うと俺までレイリーのあの視線を浴びることになってしまう

それに俺が庇う義理もないしな


「ねえ、君たち」


「「なんだよ!!」」


レイリーが目が笑ってない笑顔で二人に微笑みかけると怯えてはいるがまだまだ強気に言い返す双子

だが、それはいけない


目は笑っていないが顔は笑顔を描いていたレイリーの表情筋がついに仕事を放棄してしまった。要するに真顔


「君たちがどこの王族かは僕は知らないし、知りたいとも思わないけど、ルーティーンさまに楯突く気なら僕とその自慢の二属性を使って遊んでみる?」


コテンッと首を傾げるレイリー

その静かな様子と反比例するかのごとくレイリーの身体から漏れでた魔力が火へと具現化し猛々しく燃え上がる


その魔王の様なレイリーを見てしまった双子は遂に二人して泣き出してしまう


「「ウワアアアァァァン!!ごめんなさいいいい!!!」」


「なんで僕に謝るの?」


「「ごめんなさい、ルーティーン様ああああ!!」」


椅子で足を組み座る俺

レイリーに促され、俺の足元でスライディング土下座をする双子

俺の横で佇み双子を見下ろすレイリー

それにこの俺達の様子を遠巻きにして見ながら何やらひそひそと話し合うクラスメイト達。どうやらオレが何を言うのか注目しているみたいだ


うむ、ここで下手なことは言えないな

そうだな、なんと言うべきか

やはり同じクラスとはいえ初対面と言っても過言ではない

ならば!!


「顔を上げ、名を言うがいい」


自己紹介だろう!!

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