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第二章@#Ⅱ#




 目が覚めた。

 何時かわからないが、窓の外が明るい事からして昼間だろうか。昨日の記憶がないところからして、今が何日かも分からない。

 私は、ぼーっと天井を見ていた目線を向かい側のベッドに移す。


「たろーさん……、るーさん……、」



 寝起きの舌足らずな口調で向かい側のベッドの住人と看護師の名を呼ぶ。しかし、誰も出てこない。私は、しかたなく、起き上がった。私は、腕に機械の線がいっぱい、ついていることからして、なかなかの長さ寝ていたことが察せる。


「どーしよ……動けんし。」



 キョロキョロと周りを見回すと向かいのベッドでも、太郎(仮)が眠っている。彼も、また、機械からの線が腕にまとわりついていた。


「そういや、ナースコール……、」



 一度も使ったことがないが、名前だけは聞いた事がある機器の名を呟き、探し求める。すると、枕元にそれらしきにボタンがあった。



「………瑠羽さん、来るかな。」



 寝ぼけながらも、ポチッ、とボタンを押す。すると、パタパタという音が廊下に響いた。どうやら、こちらに向かってきているようだ。


 ぼんやりと瑠羽さんを思い描く。しかし、ガララッ、とドアを開けて入ってきたのは、瑠羽さんではない若い女性だった。


「はいはい、おはようございます。水無月先輩は今日は休暇中なのでね、私、神無月 璃乃がお世話しまーす。」


 ツインテールの璃乃は適当そうに私の脈や、体温、などを測った。私は、戸惑いならも頷き、太郎(仮)についてたずねた。


「あの、璃乃さん、太郎(仮)さんはいつからあの状態なんですか……?」


 彼を指差して訪ねる。すると、くすくすと璃乃が笑い始めた。私は、首をかしげてさっき、たずねた内容を思い返す。それでも、変な部分が見つからないので更に首をかしげると璃乃が教えてくれた。


「ふふっ、あぁ、うん、たろちゃんは一週間前から。っていうか、自分のことは聞かなくてもいいの? 」


 はっ、と気づいて恥ずかしさに俯いた。すると、けらけらと璃乃が笑って、私のことも教えてくれた。


「花子ちゃんは、一週間半から二週間ぐらい? 寝てたよ。まあ、気にしないで。からかったのは私なんだから。」


 にっこりと笑う璃乃をみて、私は璃乃を直感的にいい人だと思った。






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