とりあえず寝るところを斡旋されました。……無駄に豪華です。
階段をいくつか上ったり、長い廊下を歩いたりしてたどり着いた部屋は、何とも豪華な部屋でした。
広いし、寝室と廊下直結してないし、ベッドは天蓋付きだし、バス・トイレ付きだし、「何かご用があればお申しつけください」とか言われちゃったし。
いったい何様のお部屋に通されたのでしょう?
ああ、お客様ですか。前魔導師長様のご紹介ですからね。
いくら部屋数がいっぱいあるからって……使用人部屋で十分なのに。使用人部屋だってきっと3LDKのうちのあたしの部屋より広いと思う。
時計がないからよく判らないけど、ずいぶん遅い時刻のはずだし、今更「別の部屋をお願いします」って頼むのも悪いしなあ。
……うん。とりあえず、寝よう。
長い一日、いや、半日だったし。
あたしはあちこち締め付けている紐を解きながらベッドに近づき、ずるずると引きずる服を脱ぎ捨ててベッドに潜り込んだ。
おやすみなさい。
あ、そういえば、エリックのところに置いてきた制服、どうなったかな。
……明日訊けばいいか。
たった一日で、ずいぶんいろんなことがあったなあ……
……寝て起きたら、自分のベッドにいたりして。
………ると、いいなあ……