第2話 AI小説って結局どうなの?
多分、前書きから読んでいる人は、この部分が一番聞きたいと思うので早速ぶっちゃけます。
【AI小説って結局どうなの?】
個人的見解ですがズバリ言いましょう!
現状AI小説は……全く使い物になりません!
今後どうなるか分かりませんが、生成AIは致命的な欠陥を抱えているので、この部分が克服されない限り――少なくとも日本の小説界隈のプロの世界でAI小説が活躍することは無いでしょう。
生成AIが抱えている致命的な欠陥――それは『考えていないこと』です。
みんな勘違いしてると思うんですけど、そもそも生成AIって自分で考えてないんですよ。
人工知能なんていう名前をもらっているから考えているものだという先入観がありますけど、全然そんなことはありません。
ネット上に蓄積された膨大なデータを分析して、知能があるように受け答えをしているだけなんです。
実際は複雑にプログラミング化されたパターンから最適解と思えるものが抽出されているだけです。
デビルガ〇ダムみたいに自己進化しているわけじゃないんですぜ?
まあこれはあくまで私の個人的な見解なので、 AI生成の専門家から見たら思いっきり間違っている可能性は充分ありますけど、少なくとも現時点の創作――小説界隈においてAIは考えていないと私が考えるに至った点がいくつかありますので、そこを例に挙げて解説して行きたいと思います。
【100%AIが書いた小説】
ここを見ている人はこれがすごーく気になるんじゃないですか?
大丈夫、最初に全部見せますよ!
私の作成したプロットを読み込ませてAIが作った100%AI製の作品はこちらになります!
そのままでは読みにくいので改行だけは私がしますね。
この部分は『りぼん×ボカコレ×カクヨム超メディアミックス小説大賞【ナツガタリ'25】』に参加中の私の作品、『未来予報は、雨のち恋!!』のプロローグ部分です。
私の書いた版へのリンクも載せておきますので、比較してみてください。
・本人執筆版 『未来予報は、雨のち恋!!』(プロローグ)
https://ncode.syosetu.com/n2876kt/1/
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【以下、100%AI執筆版】
あたしが告白されたのは今日だけで、五人目。
屋上で「ずっと前から好きでした!」って言われて、リボン握られて……え、古っ。
しかも正座してたし。令和よ?そろそろそういうのやめようって思わん?
もちろん断ったけどね。「ごめん、タイプじゃないの」って微笑みつつ、ちゃんと傷つけないように。そういうとこは大事よ。
で、階段を下りながらスマホ開いて、裏垢の通知見て、インスタ用の自撮り確認して……ま、いつも通りあたしは可愛い。
でも、なんかモヤつくの。
みんなが“いい女”扱いしてくれるのに、本命は現れない感じ?
だってさ。あたし、“晴鏡”したんだよ?
晴れた日の夜0時、合わせ鏡で未来の最強のあたしを見るっていうおまじない。しかも伴侶まで映るって話じゃん。
でも――その夜、いきなり通り雨が来て、雨鏡になっちゃった。最悪。
それで……見ちゃったんだよね、最悪の未来のあたしと“運命の回避相手”。そこにいたのが――
武藤清彦。
あたしの高校生活の中で一番“地味”で“意味不明”な存在。口数少ないし、どこ見てんのかよくわかんないし。
顔はそこそこ整ってるけど、無言でやたら空気読んでくるとこがムリ。
そいつが雨鏡に映ってたの。あたしの“未来回避の鍵”ってことらしいけど……はあ?どゆこと?
てことで、今日の放課後、あたしは武藤に声かける。
「武藤ぉ~、ちょっといい?」
階段下で立ってる背中に声かけたら、無言で振り返ってきた。いつも通り、感情の読めない目。ふわっとした空気だけまとってて、本人の意思とか全然わからん。
でも、あたしは負けない。
「ねえ、帰り一緒にしてくんない?」
「ああ……別に」
この男、ツッコミなし。無言のまま並んで歩きだす。
駅までの道を並んで歩きながら、あたしはマシンガントークする。もちろん、“あたしがいかにモテるか”って話。
「今日ね、五人に告白されちゃった。すごくない?」
「……そう」
「しかも全員イケメン。バスケ部のエースに、文化祭でバンドしてた先輩、あとは生徒会の書記!」
「へえ」
……感情なっっっっ!!
でも話し続ける。あたしがどれだけ選ばれてるか、どれだけ求められてるか、ちゃんと伝えなきゃ。
だって、“あたしの価値”を証明するのって大事じゃん?
駅の改札前で立ち止まりながら、あたしは胸張って言う。
「だからさ――」
「?」
「武藤はあたしと付き合うべきだよ。ほら、未来の鏡にだって映ってたし? だいたい、あんたみたいな地味男、あたしみたいな女と付き合えるなんて超ラッキーじゃん」
……完璧。これがあたし流の告白。上からって言われてもいい。だって、あたしは努力してここに立ってるんだから。
なのに――
「あ、俺こっちだから」
え、は?
え、ちょっと待って?今、何?なにそれ??
武藤は反対方向の階段をふらっと指差して、そのままスタスタ歩き出した。
雑すぎない?今あたし、告白したんだけど!鏡の儀式とか運命とか未来とか、なんかいろいろ絡んでるシーンなんだけど!?!?
「……はあ~~~~~~っ!?!?」
思わず叫んだ。階段に響くくらい。
振り返りもせず歩いていく背中に、あたしはギリギリまで叫びそうになるのをこらえて――でも、無理だった。
「ぜ~~~~ったいに堕としてやるんだからーーーっ!!!」
周囲がびっくりして振り返るのとか、どうでもいい。
あいつ、雨鏡に映ったでしょ? だったら、あたしの最悪未来はあいつが握ってる。じゃあ、攻略するしかないじゃん!
いつか絶対に「ごめんなさい琴乃さん!僕が悪かったです!」って言わせてやるんだから!
――この恋は、始まりじゃなくて、“反撃”から始まるのよッ
負けてたまるか、地味男ぉ!!
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おわかりいただけただろうか?
これが100%AIが書いた『未来予報は、雨のち恋!!』(プロローグ)です。
当然のことながら私が書いたプロローグとは99%違うことが見て取れます。
私はこの小説をAIに書かせるにあたり、以下の指示を出しました。
・女の子の一人称視点の小説で書いてくれ
・大元のキャラクター設定とプロットを元に2000字程度で書いてくれ
それで生まれたのがこのAI小説です。
カウントしてみればわかると思いますが、 AIが書き上げた小説は1500字未満です。
まあ500字程度の誤差は許容範囲内かもしれませんが、これがネット小説の第一話における平均文字数…… 3000文字前後になるとだいぶ怪しくなってきます。
1000文字以上余裕でズレることは頻繁にあります。
さらにこれが5000文字とかになってくると3000文字とか普通にずれます。
文字数の足りなさを指摘しても全然直りません。
ドヤ顔でAIくんは「どうですか!? これで5000文字です!」とか普通に嘘を付いてきます(笑)。
「2000文字しかないんだけど?」と指摘をすると「すいません! 数え間違いました!」と言った後に適当な改稿案っぽいものを3つくらい出してきます。
それを取り入れもう1回書かせても全然文字数は足りません。
何度も繰り返すうちに私は一つの結論に達しました。
『与えられた情報からAIが生み出せる文字数には上限があり、その上限は人間よりもはるかに低い』
AIは分析に特化した性能があります。
なので、ネット上の膨大な情報からキャラクター設定とプロットに即したそれっぽい文章を出力します。
でもそれだと新しい表現を生むことができず詰むんですよ。
自分で考えることができず、新しい表現をすることができないので、要求した文字数まで書くことができない。
厳格な文字数が指定される公募やコンテストにおいてこの欠点は致命的です。
AI小説は使えない――私がそう考えている理由の1つは以上となります。
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こんなの書いたりしています。
【ラノベ】
・逃奏劇リアクターズ 阿頼耶識冥清の非日常 (MF文庫J)
・突然ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ! そうか、布団なら敷いてあるぞ。 (MF文庫J)
・この男子校には俺以外女子しかいない(MF文庫J)
【漫画原作】
・クラスの陰キャブス?...実は超美人コスプレイヤーだった。 みんな知らずに馬鹿にしてるけど。(シリウスKC)
【漫画動画脚本】(敬称略)
・漫画エンジェルネコオカ
・カノンの恋愛漫画
・結城アリス
・あかつき高校漫画部
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