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夢境物語  作者: 大久保利通
5/6

バナナの助け

リンドウは死を覚悟した。


次の瞬間、何者かに悪魔の手が切り飛ばされた。

悪魔自身も何が起こったか分からないようだ。


悪魔「一体だれよ?」


悪魔の腕は再生しつつある。


その時リンドウは悪魔の背後に、男が立っているのを見た。


長身の背丈に、隠す気のない割れた腹筋、赤いマント、そしてバナナの可愛い覆面を被っている。

見た目はどう見ても変態だ。


悪魔も変な格好ではあるが・・・


バナナの男は力強い声で話し出した。

「少年、安心しろ、俺がお前を必ず救い出すッ!!」


バナナクラッシュ!!


上空から大量のバナナの皮が降り注ぐ。

リンドウも悪夢も呆気に取られる。


その間にリンドウは悪魔から引き離された。

リンドウの首を掴んでいた悪魔の手は、切断され、ボロボロと消滅していく。


しかしリンドウの首には強い痕がついていた。


悪魔「あんた、隊長かぁ、厄介ね」


バナナの隊長?らしい男はその間に悪魔に斬りかかる。


マッチョなのだから素手だと思っていたリンドウは少し、驚いていたが、この際それはどうだっていい。


助けが来たのだから、それに縋り付くしかない。



バナナと悪魔の近距離戦が始まる。

悪魔は爪や尻尾、時にはツノを使ってバナナ隊長に攻撃する。


その全てを交わしバナナ隊長は剣を使って斬りかかる。

その振り方は剣というより、刀に近いものを感じる。



悪魔の腹に傷が入る。

しかし、すぐ再生してしまった。


その直後、リンドウは再び意識が朦朧としてきた。

今度は二人の戦いのオーラ、圧気などの、何かそういう類に意識がやられているようだ。


先ほどの傷も痛む。


もうダメだと思った時、


悪魔「拉致が開かないね、他の隊長も来たら面倒だし、撤退するかなぁ!」


悪魔は少し苛立っているようだ。


バナナ隊長「逃すか!」


 しかし、ひらりと悪魔は避ける。

悪魔は、鷲のような翼で上空へ逃げ、ワープゲートのようなものを作った。

 七色に輝き、何か懐かしい雰囲気を漂わせている。

まるでドラ◯もんの四次元ポケットの中の空間ようにゲートの中の空間も歪んでいる。

身近に感じられる神秘というべきか、リンドウは何度も見てきたような気がする。


悪魔「それじゃ、お兄ちゃん笑、バイバーイ ケヘッ」

一瞬だけ、やつは妹の姿に、変身してゲートを潜っていった。


 サキュバスのような悪魔は、直接、変身対象に会ったことがなくても

その人の理想の人物になったりすることができるらしい。

しかし

リンドウは確信していた、あの悪魔は妹に会ったことがあると

感覚でわかるのだ。


ワープゲートが消えた。


バナナ隊長がこちらにくる。

突然、こちらに消臭スプレーのようなものを噴射してきた。

しかしなんともない。


バナナ隊長「記憶が消えない・・・!?」

バナナ隊長は動揺したが、すぐに落ち着き、怯えていたリンドウにバナナをくれた。


バナナ隊長「自己紹介がまだだったね」

「俺は夢防隊むぼうたい二番隊隊長、宗房(むねふさ)だ 」


リンドウ「蘇芳竜胆(すおうりんどう)です」


バナナ隊長「そうか、日本人か、いい名前だね」


バナナをリンドウは食べようとしたが、喉が血まみれで、食べられそうもない。


それに気づいたのかバナナ隊長は、

「怪我の治療をしに行こうか、ついておいで」


 バナナ隊長はコンパスのようなもので何かを探し始めた。

 リンドウも付いて行こうとしたが、怪我が重く上手く歩けない。

そこでバナナ隊長はリンドウをおぶってくれた。


バナナ隊長「聞きたいことが色々とあるが、君も混乱しているだろう。ひとまず鉄道に乗って、治療医に診てもらってから、色々と話をしようか」


そういうと、リンドウをおぶりながら隊長は神殿の外へ出た。


あたりは綺麗な青い海と空しかない。


バナナ隊長は近くのゲートのようなものにコンパスを当て、祈るように言った。


「我らをお送りください」


すると、ゲートが開き、先ほどの悪魔のワープゾーンに似た空間が現れた。


さぁいこうと、一声かけてバナナ隊長はリンドウをおぶったままゲートへ入っていった。

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