プロローグ 夢の神殿
暗闇の中、懐かしい声がする
お前が俺を忘れても、俺はお前を忘れないからな
痛い
痛い
痛い痛い
痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
まるで、生きたまま頭を裂かれるようだ
ながい悪夢にうなされる
視界が見えてくる、、、
神秘的な砂時計が後ろに見える
雪も降っている
ところどころ赤くなっているのは気のせいだろうか
目の前には長い黒髪と闇より黒い瞳を宿した、ローブの少女が立っている
彼女の足元には誰かが死んでいる
大切な人なのに
俺はこの人のことを思い出せない
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ここは一体どこだ?
目が覚めると蘇芳竜胆は神秘的な神殿に立っていた。
妙だ
さっきまで病院で妹の看病をしていて、疲れたから少し病院の椅子で寝ていたはずなのに、いきなり知らない場所にいる?
「どうやらただの夢の中らしい」
そう、リンドウは一人で納得しながら、あたりを見回した。
「夢の中にしてはリアルだなぁ」
この神殿はところどころ光がさしていて、地面には草木が生えている。
よくファンタジーで出てくる朽ちた神殿のようなところだ。
「ひょっとして、ワンチャン夢の中なら魔法が使えるとかあるか?」
リンドウは夢の中だからと
いつも自分で考えていた厨二病くさい必殺技を恥じらいもせず
大声で叫んだ。
「インフェルノファイアバーン!!!」
しかし何も起きない。
リンドウはただただ恥ずかしいポーズで、誰もいない静かな神殿に立っていた。
「まぁ、夢ってのは意外と思い通りいかないよな」
とリンドウは呟きながら、なかなか広そうな神殿を探索してみることにした。