表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/160

74. 彼氏は"フリ"でもお断り。

#颯斗side ────



取り敢えず話は分かった。

いきなり「付き合って下さい」なんて言うから、頭沸いたのかと思ったが、つまり彼氏役としてその友達に会って欲しいって事だな。


(…いや、やらねぇだろ)


正直そんなに親しくもない女の為に、俺が彼氏のフリなんぞする訳がない。


「悪ぃけどそんな義理ねぇし、面倒な事はごめんだ。他を当たってくれ」


「…あ…」


明らかに落胆した声が聞こえる。

…さすがにちょっと冷たかったか?だが優しくしたところで断るのは断るんだ、結果は同じだろ。


「じゃあな」


そう言って電話を切ろうとすると、千代音は「待ってください…!!」と引き止めてくる。


「……ん?」


まだ何かあるのかと、仕方なくスマホをまた耳元に戻す。


「じゃあ…彼氏役は諦める。でもお礼はきちんとさせて下さい」


…あぁ、そう言えば元はと言えば、その為に連絡先を教えたんだよな。

コイツの「彼氏になって下さい」発言が衝撃的すぎて、すっかり忘れていた。


「一応もう一回言っとくが…、激辛チャーハンの礼ならいらねーし、もしどうしてもって言うなら、今度大学で会った時に缶コーヒーでも奢ってくれば、マジでそれで良いから」


暗に連絡してくるな、俺に関わるな。と言ったつもりだったんだが、千代音は何を勘違いしたのか、暗くしていた声を明るくした。


「…やっぱり真城君は優しいんだね」


(…前も思ったが、コイツやっぱり頭ん中が花畑だな)


電話の向こうにも聞こえるように、わざと深い溜め息を吐くと、俺はどうしたもんか…と頭を掻く。


(けっこうハッキリ断ってるつもりなんだが…)


かと言ってこれ以上キツく言えば、今度は俺がただの嫌な奴だ。

さて何と言って諦めてもらうか、と考えていると、千代音は「あ!」と何かを思いついたように声を上げた。


「あのね…さっき話した高校時代の友達と行ったカフェ…、すっごく美味しかったの!良ければお昼をご馳走させて貰えないかな?」


…本人の言うとおり、さっき聞いたカフェの話だとしたら、メチャクチャ高かったって言ってなかったか?

友達と一緒に行って、自分一人分の食事代さえ渋ってた奴が奢るだと?


返事をせずに黙っていると、少し不安になったのか千代音は慌てたように「あ、そ…それは大丈夫!」と付け足した。


「…明日はカップルデーで、その…男女2人で行くと少し安くなるの、だから…せっかくなら真城君と行きたいなって…」


(目的は礼だろ?…趣旨勘違いしてねぇよな?)


正直カフェになんか興味ねぇし行きたくもないんだが、どうもこの様子からすると、俺が頷かない限り諦めなそうだ。


(礼なんぞ、そんなに必死になってまでしたいもんか?)


もちろん、受けた恩に対して礼をするのは常識だし立派だが、ちょっと必死すぎねぇか?


(だがここで断ったら、明日もまた電話とメッセの猛攻撃なんだろうしな…、はぁ…仕方ねぇか…)


「…分かった、明日だな?」


「……!良いの?」


「良いも悪いも…、お前が礼したいって誘ったんだろ」


「…た…確かに…」


「じゃあ明日そのカフェで待ち合わせで良いか?」


「それでも良いんだけど…あの…真城君、明日の予定は?」


「ん?別に何もねーけど…」


「なら大学で待ち合わせて一緒にカフェまで行かない?私明日、大学に顔出すの。真城君カフェの場所知らないよね?」


「…?良いけど…、カフェで待ち合わせの方が効率良くないか?ネットで調べて行けるし…」


「いえ…!あの…少し複雑な場所にあるの…!……ッ多分!」


そうして半ば強引に、明日大学で千代音と待ち合わせてカフェに行く事になった。



#千代音side ────



決めてしまった…!

少し強引だったかも知れないけど、真城君だって形式的に遠慮はしていたけど、本当に嫌なら断るだろう。


それに本当は明日、大学に用なんかないしカフェだって大通り沿いにあるから迷う場所でも何でもない。

でも少しでも真城君と街を歩いて、デート気分を味わいたい。


(デート…!真城君と…)


ふと、真城君の顔を思い浮かべる。

あんなカッコいい人と二人でカフェなんて…、期待しても良いんだろうか?


(そうよ…、だって…連絡先を教えてくれたんだもん…)


興味のない人に連絡先は教えないよね…。

期待して良いよね…、真城君…。


小学校の頃から今まで、気になってきた人達は皆んな私よりもみゆりを気に入ってだけど…、今度は絶対諦めない。


…だってみゆりに教えてない連絡先を私には教えてくれて、二人で出掛けてくれるなんて、みゆりより私の方が好かれてる証拠でしょ?


異性関係では、初めてみゆりより一歩先を行けた。

これはきっと、頑張れって神様が背中を押してくれてるんだわ。


素敵…、初対面の飲み会では失敗したけど、やっぱり少女漫画やTL漫画みたいな展開ってあるんだわ…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ