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70. ストーカー予備軍?

千代音からメッセージが来たのは、カフェで連絡先を交換してから数日が経った頃だった。


最初のメッセージは午前中、2回目はお昼頃、そして今またメッセージが届いたが、現時刻は夜の7時。


返事もしてねぇのに、メッセージはどんどん送られてくる。

…おいおい、正気か?冷静に考えて、1日に送って来る量じゃねーぞ。


内容はお礼をしたい…という内容から始まり、忙しいですか?いつが空いてますか?好きな物は何ですか?など、ほんの数文字の短文メッセージだが、会いたくもない俺はずっと既読スルーで誤魔化している。


だが千代音は諦めずに何度もメッセージを送って来て、いい加減げんなりし始めた頃、メッセージじゃなくて着信が来た。


(…あー、クソしつけぇな!今度はメッセじゃなくて電話だと?)


…普通、こんなに既読スルーされてたら諦めないか?

まさか諦めるどころか、電話に切り替えて連絡してくるとは、さすがはみゆりの友達といったところだが…。


(…さてどうするか)


とりあえずマナーモードにしてソファに放置する事にする。

メッセージだって面倒なのに、電話なんか誰が出るか。


だが放置しているスマホはしばらくして止まった後、また少しするとまた震え出した。

確認すると、想像通り着信名は千代音だ。


(…しばらく放っておけば諦めるだろ)


俺はもともとそんなにスマホを触る方じゃねぇし、そのままテレビを見て飯を食った後、寝る前にやっと放置していたスマホを手に取った。


確認すると、メッセージ37件、着信は16件だ。

……はぁ!?どう考えてもかけすぎだろ!!


(…マジか!?やっぱり連絡先交換なんてするんじゃなかったぜ…)


そこまでしてお礼がしたいのか?

なら一度お礼を受けちまえば気が済んで、このしつこい連絡は来なくなるのか?


(…それなら…今度電話が来たら出てみるか?適当に缶コーヒーでも奢ってもらって終わりにすれば…)


そう思うものの、今ひとつ心が決まらないうちに、また電話がかかって来た。


「…うわ…ッ!この時間にまだ掛けてくるか…!?」


そう言った直後、驚いて思わず落としそうになったスマホを慌ててキャッチしようとした俺の指が、運悪くスマホ画面の応答部分に触れてしまった。


(………あ)


やっちまった…と思いつつ通話中になってしまった画面を見ると、着信相手は千代音じゃなかった。


『もしもし?…もしもーし!颯斗ー?』


…大和の声だ。

クソ、脅かしやがって…。


「…聞こえてる、何だよ?」


『そんな事言うと、話してあげないぞー、約束通り晴ちゃんの情報を手に入れてあげたのにさー』


「…ッ!?本当か?!」


千代音の事はとりあえず置いといて、電話を耳に押し当てる。


『もちろん。実はさ、海の家から帰ってすぐ、晴ちゃんと会う機会があったんだよねー』


「会う機会?」


『んー、まぁ詳細は省くけど…、晴ちゃんがどういう人間なのか知りたいって話だったよな』


「…あぁそうだ、人となりや性格とか…。…いや、どんな情報だって構わねぇ」


今の俺は新見晴子と全く接点がない。

いや実際は同じ大学だし、全くって訳でもないが…。


とにかく今現在の新見の事が分かるなら、どんな些細な情報でも有り難い。


『…うん。とりあえず、俺の友達が晴ちゃんと仲が良い子と付き合ってたから、そっから少し聞いてみた』


…おぉ、まさか身近に新見と親しい奴がいたとは…。

大和に頼んで正解だったな。

神様も意外と俺を見放してねぇらしい。


『性格は至って普通で、どこにでもいる女の子…らしいんだけど、俺が話を聞いた限りでは、少し生真面目すぎるきらいがあるイメージかなぁ』


「…と言うと?」


どうも煮え切らない言い方に短く聞き返すと、大和は電話口で『うーん…』と唸った、


『…なんかイジメとか仲間外れとかが大嫌いで、周りに困ってる人がいたり落ち込んでる人がいると、放っておけない子なんだって。優しくて穏やかな性格だけど、少しお節介が過ぎるのと白黒ハッキリ付けたがるらしいから…。どうも堅苦しい子って感じがするな。ま、もちろん俺のイメージだけど』


「いじめと…仲間外れ…」


思い当たる節があり、つい声に出して呟く。


『あ…それは、中学だか高校だかで、同じクラスでいじめられてる奴がいたらしいんだけど、その時に助けてあげられなかった事が今でも心残りらしくて、それで教師を目指してるんだってさ。優しいよねぇ…俺もそういうの嫌いだけど、さすがに過去の事まで気に病むのはちょっとネガティブな性格っぽいかなって。…お前はどう思う?』


いじめや仲間外れという言葉で思い当たるのは、聡太の事しかない。

…いまだに気にしてるってホントかよ。


それにアイツら確かにウザかったが、強がりでも何でもなく、俺は平気だった。


聡太もそんなに貧弱な方ではなかったから、暴力を振るわれる事もなかったしな。

からかい…にしては度を越した、言葉の暴力のようなものはあったが、馬鹿どもの言ってる事なんぞ正直気にもしてなかった。


…まぁ、他人から見たらいじめっぽかったのかも知れんが、本人が無視してたんだから、赤の他人が気に病むことはない。


「…キモい陰キャに告白された…とか言ってなかったか?」


『…え?いや…、そんな話は聞いてないけど?』


「そうか…」


その後、今の新見の友人関係や行動範囲、それにちょっとした好き嫌いの情報などを聞いて、俺は電話を切った。

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