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幼馴染を起点とする異世界ハーレム   作者: 深夜二時
第二章 王女と公爵令嬢とエルフからの救援要請

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71.解読不能、冷静なパニック




 普通、声や気配を感じたのならば誰かしら人がいると考えるはずだ。にもかかわらず俺は誰もいないと判断した。



「落ち着け、一旦落ち着け、俺」



 冷静に、パターン分けして考えよう。



 パターン一つ目。ただの言い間違いの場合。


 パターン二つ目。実は声や気配は幻聴や錯覚で、本能は誰もいないということを理解していたがために誰もいないという言葉がでた場合。


 パターン三つ目。実は声や気配は自分のものであり、無意識的に周囲に誰もいないと身体が判断した場合。


 パターン四つ目。あの時だけ自分が気付かないうちに誰かに身体を乗っ取られていた場合。



 大体こんなものだろうか。



 次に、これは無いだろうというものを除外していく。



 まず一つ目と三つ目は有り得ない。一つ目の場合はただの言い間違いなのだからここまで違和感を持つことは無いだろう。


 三つ目の場合は、そもそも自分の声だというのに気付かないのは不自然過ぎる。よってこの考えは無しとなる。



 ......異世界なんだからそういうこともあるのではないかと思ったが、それを考え出したら切りが無いため今はさっきの考えで行くことにする。



 次に、二つ目も有り得ないため除外する。理由は至極簡単。そもそも幻聴や錯覚は脳の勘違いによって起きる物なのだから、それを本能が理解し周囲に誰もいないと判断するというのは考え方からして破綻している。よって除外。



 さてそうなると残るのは四つ目しかないのだが、まぁ確かにこれが一番納得のできる考えだろう。とはいえ、これで全てが解決するわけでもなく疑問がいくつか残る。例えば、誰が俺を乗っ取ったのかとか。その目的とか。そもそも俺以外に明確に自我を持つ存在がいたのかとか。色々出てくる。出てくるが。



「先にアークの言っていたことをやるか」



 アークは先程、愛花達のところに戻ったらやることと言っていたがそれより前にやってはいけないなんて言わなかった。ならばこの状況から抜け出すためにすこしでも変化が起きる可能性のあることはやるべきだろう。



 ということで。



「まずは持ち物検査......アイテムボックスからか」



 アイテムボックス

 ・金貨102枚

 ・大銀貨5枚

 ・銀貨以下計43枚

 ・服数着

 ・その他雑貨


 ・〔#%の>び〕



「──そう来るのね......」



 異世界あるある来たよ。知らず知らずの内に変なアイテムがある、かつ解読不能。


 なんか、こう言うのってあれだよね。「の」とか「は」みたいな助詞とか助動詞は読めるんだよね。今回も数あるラノベの例に漏れず読めたね。



 ま、現実逃避はここら辺にして取り出してみますか。取り出せるのか分からないけど。



「よっ......お?............おおぅ」



 凄い力で引っ張られたものの、何とか取り出すことに成功した。



「なんだ、これ?」



 取り出したものは紐のような鎖のような不思議な形をしている。色は虹色に光輝いており、それでいて透き通っているのだからとても綺麗だ。



「というかこれ、俺のことを吸い込んでいくような……」



 先程から明らかに身体が吸い込まれている。こんな手の平に収まるような大きさの物に吸い込まれている。にわかには信じがたいが、事実俺の身体は吸い込まれている。



「おおー。人間ってあれだな。あまりにも非現実的なことが起こりすぎると、自らに迫る危機でも反応しなくなるんだな」



 はー、凄いな。こんな危機なのに身体が動いてくれない。


 ……それとも、この謎の物体の影響を受けて身体が動けなくなっているのか?




 あり得る。だって思考はこんなに冷静なのに身体が動かないなんて、その説明でしか納得がいかない。思考と身体は別物とか言われても、納得いかない。



「これは帰ったら研究しなければ…………あっ、まずい」



 意味不明なことを言っていたら身体が完全に吸い込まれてしまった。


 ……やっぱり冷静じゃ無かったかもしれない。



 しかし、それに気付いたところで出来ることは何もなかった。



「あああぁぁぁぁぁぁ──」



・~・~・~・



「ぁぁぁああああ──」



「うるさい!」



「いった!!??」



 なんだよー。吸い込まれたと思ったら次は蹴りとか勘弁してくれ、って……。



「ここどこ!?」



「だからうるさいのよ!もう少し静かにして。それとここはエルフの里。さっきから移動はしていないわよ?」



 落ち着いて辺りを見回すと愛花にウッド、サーシャやミーシャとリルにアリスやルーシャもいる。エルフ一同も。


 さっきから俺に対してビシバシやってくるのは愛花だったようだ。



「戻ってきた、のか?」



「え?何処かへ行っていたの?身体はずっとここにあったけど……」



「いや、何処と言われると分からないんだが少なくともここではない場所にいた。たぶん、精神だけが飛んだんだろうな」



 流石にアークのことはここでは言わない方が吉だろう。

 後で愛花と二人の時に話すか。



「そう。……ねぇ、身体は大丈夫なの?いきなり倒れちゃったし、さっきも遠慮なく蹴っちゃったけど」



「ああ、かなり痛かったがそれだけだ。愛花の蹴り以外、特に問題ない」



「……もうちょっと強く蹴っておくべきだったかしら」



「それは勘弁願いたい」



「ふふっ、冗談よ」



「──あー、お二人さん。仲良いところ悪いんだが話しても良いか?」



 おっと。流石に話しすぎた。ウッド達にも迷惑をかけたんだし、しっかり謝らないとな。愛花も会話をやめて皆の方へ戻っていったし。



「大丈夫だ。ただその前に謝らせてくれ。迷惑をかけてすまなかった」



 頭を下げて謝る。本来の俺たちの目的は手助けをすることなのに、此方が迷惑をかけてしまっては意味がない。



「いや、それについては気にしていない。それに恐らく、なるべくしてなったんだろうしな」



 幸いにもウッドは普通に許してくれた。が、そこで気になるフレーズ。



「なるべくしてなったって、どういうことだ?」



「んー。これは直感なんだが。海斗よぉ、お前さん天啓みたいなの来なかったか?」



 天啓ね……。アークがこの世界の神だとすればあれは間違いなく天啓なのだろう。ならば答えはイエスか。


 言わない方が良いかと思ったが、ここで隠すと変な方向に行きそうなので予定変更。流れに任せて必要なことだけ話してしまおう。



「……まあ、そうだな。それらしいものはあった」



 この俺の言葉に周囲がざわつく。そりゃあ俺みたいなパッと見なんの変哲もない男が天啓を授かったと言ったのだから驚きもするだろう。


 しかしウッドはそれにお構い無く話を続けてくる。



「どんなことを言われた?」



「え~っと、持ち物検査をすることと、エックス軸以外も見ることと、敵は状況によっては味方にもなるってことを言われた」



 今更ながらこんなのが神の御告げとか終わってるだろ。



「ああ……うん。あの神様ならそういうだろうな」



 なんだかウッドが遠い目になっている。というかあの神様ならそういうって、今までにも御告げがあったのか。そして毎回こんな感じらしいし。


 それならまあ、こんな感じでもいいのかな……?


 いやいや駄目だろ。目を覚ませ俺!



 そんなどうでも良いことを考えていたら復活したウッドが俺達に提案してきた。



「とりあえず、今すぐに出来る持ち物の確認からやらないか?」



「そうだな」



 というか、これ以外に俺達が出来ることって無い気がする。


 はてさて、一体何が出てくるのやら。





夏休みって良いですねー。書く時間が結構取れますよ。


……英語の成績から目を瞑ればですけどね。←英単語を全く覚えていない人

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