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幼馴染を起点とする異世界ハーレム   作者: 深夜二時
第二章 王女と公爵令嬢とエルフからの救援要請

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66."あれ"

お待たせしました。




「どうやって回るのがいいんだ?道案内してくれると助かる」



 なんなら道案内がなければ動けません。だって里がどうなっているか知らないもん。リルに聞こうにもさっきから辺りをキョロキョロ見回しているからなんだか不安だし。



「そうだな……。正直どっちに行っても大した差はない。が、まぁ右回りの方がいいか。あいつもいるし」



「あいつ?」



「副族長だ。言わば俺の右腕だな」



 ほう?

 副族長。俺の右腕。リルの例の発言。


 これらを合わせると。



「お前族長なのか」



「ああそうさ。というか名乗らなかったっけ?」



「……そういえばまだ自己紹介をしてなかったな」



 出会い頭に質問された挙げ句、勝手に話を進めるから自己紹介をする暇がなかった。



「俺はウッド・フォーレストだ。ここエルフの里の族長をやっている。ウッドって呼んでくれ。よろしくな」



 ウッドか。なかなかカッコいいやつだな。

 金髪碧眼で見た目はチャラいのに纏っている雰囲気、目の鋭さが只者ではないことを物語っている。流石、族長をやっているだけあってそれ相応の力はあるってことか。



「俺は海斗だ。冒険者をやってる。よろしくな」



「私は愛花よ。よろしくね」



「サーシャです」



「ミーシャです。よろしく、お願いします」



 非公式な場なので俺達から挨拶してしまっても大丈夫だろう。

 

 本来なら偉い人からやるんだけどね。特に宴会とかだと。



「カイトにマナカ、サーシャにミーシャだな。それでそっちは……」



「ローエイ王国の王女、アリスよ。フルネームじゃなくても分かるわよね?」



 うん?フルネームじゃなくても分かるって、二人はどこかで会ったことがあるのか?



「まあな。で、そっちがルーシャで合ってるか?」



「はい。ローエイ王国、セールス公爵家令嬢のルーシャです」



「手紙通りだな。となると最後がリルか?」



「…………うん…………」



 ああ、そういや救援要請はエルフ側から出してるんだった。そりゃ返答の手紙に里へ向かう人の名前くらい書くよな。



 ……お?とすると、もしかして騎士とかを入れずに行くことは俺達が依頼を受けた時点で決まっていたのか?


 あの王城で起きた事件は突然のことだったから予測できないはずだし、これは決まりかな?



「なあアリス、ルーシャ……」



「何かしら?」



「何でしょう?」



「もしや俺達だけでここに来ることって最初から決まっていたのか?」



「…………ま、まあその分報酬も高いし、ね?」



「でも、いくらなんでも本当に白金貨五枚が貰えるわけじゃないだろ?」



 こんなポッと出の冒険者に白金貨五枚とか、そんなことしてこの国の財政は大丈夫なのかと心配になるレベルだ。



「いえ、無事に帰ることが出来ましたら本当に白金貨五枚を差し上げますよ」



「…………いやいや、(たち)が悪いってその冗談。なぁ、愛花?」



「そうね。てっきり王様達のおふざけだと思っていたんだけど」



「信じられないのは分かるけどね。でも、今回の依頼はそこまでするくらいのことなんだよ。ね?ウッド」



「そうだな。あれを見たら、白金貨五枚なんて安いと思っちまうぜ」



「あれ?」



 なんだ?そんなにえげつないことが起きるのか?



「もう少ししたら分かる。今はとっとと里を回るぞ」



「……分かった」



・~・~・~・



「よぉ、ゲイル。救世主を連れてきたぜ」



「む?」



 連れてこられた先にいたのは、髭を生やしたいかにも年長者オーラを出しているお爺さん。白髪に翠の瞳はこれまた鋭い光を宿している。


 もっとも、その鋭い眼光は俺ではなくアリスを射抜いていたが。



「…………ゲイルだ。今回の件、頼むぞ」



「もちろんです」



 ここはアリスも切り替えて王女モードで対応する。



「…………もうすぐあれが来る。心の準備をしておくことだ」



「あれ、が何かは分かりませんが、何が来ても平気なように心構えはしておきます」



「…………ふん」



 この爺さんは優しいのか冷たいのかよく分からない人だな。まあ、副族長を務めているということは悪い人ではないと思うので頼りには出来そうだけど。



「あと数分だ」



 おっと、もうすぐ例の"あれ"が始まるようだ。何が起きるか分からないが、アリスを見習って心構えはしておこう。






 ──そして"あれ"は始まった。


 世界樹に生えている枝が変形し、鞭のような形になる。

 鞭のように変化した枝は、暫く静止していたが数分もしない内に暴れだす。地面を叩いたり、何かを探しているかのような動きを見せ、その内の何本が此方に向かってくる。



 ──此方に向かってくる?



「おい!あれ大丈夫なのか?」



「不味いかもしれない……!今まではこんなピンポイントで狙ってくることはなかったのに、何故だ!?」



 どうやら異常事態らしい。



「あれは剣で弾き返せばいいのか!?」



「そうだ!しかし、かなりの力が必要になるぞ」



「とりあえず、やってみるか……!」



 やる前から無理なんて言ってたら何も出来ない。チャレンジは大事だ。



「ふぅ……」


 

 深呼吸をして、焦りそうになる体を落ち着ける。



 今回は切れば良いわけではなく、弾き返さなければならない。そのため、剣の筋を使うのではなく腹を使う必要がある。


 剣道でいう八相の構えをして、叩き落とす感覚で弾く。



「どぉりゃぁぁ!!」



 強い……!


 これは確かに、かなりの力を使う。

 だが、決して出来ない程の力ではない。これを十回やれと言われたら危ないが、五回までならなんとかなりそうだ。






「これ、私達は下がっていた方がいいかしら?」



「ああ。少なくとも、アリスとルーシャの二人は下がっていてくれ。他の四人は、物理で対応が出来る者のみ出てきてくれ」



「なら私とサーシャちゃんとリルちゃんは下がるわね。ミーシャちゃんはどうする?」



「私は出るよ」



「分かったわ。気を付けてね」



「うん」






「まだ来るのか……」



 俺とウッド、それからゲイルの三人でひたすら弾き返している。もう五回を越えていてかなり腕がしんどくなってきた。



「お兄ちゃん!手伝うよ!」



「ミーシャ!助かる!」



 ミーシャの助けは大きい。ミーシャは小柄ではあるが、単純な力は俺と大した差はない。


 ……こう言うと俺が情けなく感じるが違うぞ?ミーシャがスゴいだけだからな?



 よし、自分への言い訳終了。慰めとも言う。



「あと数回で終わりそうだ。頑張ってくれ!」



「おうよ!」



 見れば、此方に向かってくる枝は殆ど無くなっている。


 本当にあと数回で終わりのようだ。



「ミーシャ、あと数回だけ手伝ってくれ」



「もちろん!」



 



 




46話を少し加筆訂正しました。大きく変わったわけではないですが、気になる方は一度、目を通すことをおすすめします。

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