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幼馴染を起点とする異世界ハーレム   作者: 深夜二時
第二章 王女と公爵令嬢とエルフからの救援要請

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51.閑話(サーシャ視点)

はい。題名の通りです。

次回はちゃんと進めますので……。


国王と出会うところからです。




 何故こんなことになっているのでしょうか。

 何故ご主人様達と一緒にいただけで国王様と謁見することになるのでしょうか。

 何故ご主人様達は王女様や公爵令嬢様を前にして平然としていられるのでしょうか。

 そもそもなんで王女様達と遭遇することになってしまったのでしょうか。

 このままでは私の心臓が動きすぎて止まってしまいそうです。


 

 私よ一回落ち着きましょう。

 今すべきことはひたすらに黙って粗相をしないことです。そうです私が喋る必要は無いんですだから落ち着きましょう私!



 ……ふぅ。ほんのちょっとは落ち着きました。これなら少しはまともに考え事が出来そうです。


 えっと、今いるのは明らかに謁見用の大広間ではなく音が漏れにくいような個室。

 この時点で結構おかしいです。

 私の知識が間違っていなければ謁見というのはもっと人の集まっている大広間かそれに近いところで行う筈です。

 なのに何故こんな個室でやっているのでしょう?


 それに、相手は国王様お一人。護衛の方や宰相、官僚?の方達が一人もいません。これでは何か起きた時に対応が出来ないです。私達が国王様相手に攻撃をするとは考えないのでしょうか?そんなことした暁には死刑確定でしょうから絶対にやりませんけど。



 とか整理していたらいつの間にか自己紹介になっていたようです。次は私みたいですね。噛まないといいのですが……。名前を言うだけで終わらせちゃいましょう。



「サ、サーシャです」



 だ、大丈夫ですよね!?

 一瞬つっかえちゃいましたけど何もいわれないから平気なはず……。


 それとも、私みたいな奴隷なんてそもそも眼中に無いのでしょうか。

 ご主人様達は私とミーちゃんのことをよく気にかけてくださいますけど、側からみればそれはただの主従関係でしかありません。ベッドで寝させてもらえている時点で普通ではない気もしますけど……。

 前は普通に外で…………いえ、この話はやめましょう。私の気が病むだけです。話すのなら、ご主人様達に求められた時だけにします。



 あ、ご主人様が丁寧口調から普段の喋り方に戻りました。やっぱりこっちの方が安心しますね。ご主人様が一緒にいるということが実感できます。

 


 だからきっと、今、目の前で国王様がご主人様達に向けて頭を下げているのはきっと何かのジョークでしょう。ご主人様はたまに変なことを仰いますから国王様もそれに合わせただけです。ええ、そうに違いありません。


 ……あれ?でもその割には愛花様が随分と不機嫌みたいです。いつもは一緒になって笑ったり、もしくは咎めたりとしているのに今回は何も言わずに負のオーラを纏い始めています。

 こんなとき私はどうすればいいのでしょう。どうか教えてください!私の可愛い妹、ミーちゃん!





 ーーあ、あのミーちゃんが、過去に例をみないほど、緊張してる……!流石の妹もこの場では持ち前の無邪気を発揮できないようです。そうですよね。姉の私がこんなに緊張しているのに、ミーちゃんが緊張しないわけがないですよね……。


 そうやって現実逃避をしていたら遂に愛花様の堪忍袋の尾が切れたようで。

 あの国王様相手に凄い物言いをしています。国王様が怒ったらどうするつもりなのでしょう。ああいえ、愛花様を信用していないわけではありません。ありませんが、私まで被害を被るかもと思うとやっぱりそう思わずにはいられないのです。


 ……でも、その心配は杞憂だったみたいですね。

 国王様も隠し事を認めて何か合図をしました。

 すると、アリス様やルーシャ様、それからもう一人男性が入ってきました。アリス様とルーシャ様はそれぞれ青と白のドレスを身に纏っていてとても綺麗です。恐らくこちらが普段の姿なのでしょう。






 さて、この後にもいろいろ話はありましたがとてもじゃないですが私の口から語りたくはありません。


 強いて言うなら……ご主人様、もう少し白金貨五枚がどれ程の価値かをしっかりと考えてほしいです。私なんてその話の時、あまりの衝撃に失神するかと思いました。

 無礼だとは思いますが、ご主人様達が本当に白金貨の価値を理解しているのか問い質したいですね。



・~・~・~・



 さて、突然ですが私は今どこにいるでしょうか?


 そう!生涯をかけても入れないと思っていた、一等地にあるとても凄い宿に来ています!


 

 いや、もう、考えるのを止めてもいいですか……?

 なんでこんなことになるんでしょう?


 確かにこんな凄い宿に泊まれるのは嬉しいです。それはもう飛び跳ねたいくらいには嬉しいです。場所が場所なのでその行動は慎みますが。それ程には嬉しいです。


 でもですよ?私とミーちゃんは奴隷なんですよ?貴族どころか平民でもないんです。そんな私達が本当にこんな凄い宿に泊まっても良いのでしょうか……?


 一応私達もアリス様とルーシャ様から貴族の信頼の証であるメダルを貰っていますから条件はクリアしているのでなにも問題はないのですが……やっぱり、精神的にはまだ整理できていません。

 

 ああ、これは夢なのでしょうか。





 残念ながら夢ではなかったみたいです。いえ、残念ではないですが、こう、良い物事が立て続けに起こるとこの後になにかとても悪いことが起きるのではないかと不安になります。

 それとも、私達の過去を見てくれた神様からの救いなのでしょうか……?


 ーーいや、もう夢なんていっている場合ではないですね。今のところこれは現実みたいですから、この現実を失くさないように頑張らなくては。



「サーシャちゃ~ん。お耳触らせてー」



 訂正します。ご主人様達もゆっくりされるみたいですし、私も必要な時に動けるよう今日はしっかり休もうと思います。


 それにしても、愛花様のお耳さわさわや頭なでなではとても気持ちいいです。

 敏感なところを的確に当ててきて、それでいて優しい手つき。これは虜になってしまってもしょうがないのではないでしょうか。

 因みにですが、ご主人様のお耳さわさわや頭なでなでは男の人らしい大きな手でかつゆっくりなのですごく安心します。寝る前にあれをやられるとすぐに眠れそうです。

 今日はもう疲れているのでなにもされなくてもすぐ眠れそうですが。





 

 一呼吸ついた後に夜ご飯が運ばれてきました。どれも美味しそうです。特に牛肉なんて食べるどころか見ることさえ叶わないと思っていたのでもう感無量です……!

 

 それ以外の食事もとても美味しくて私の言葉では表せそうにないくらい美味しいです。貴族の方達は毎回こんな食事を食べているのでしょうか……?



「ごちそうさまでした」



 ご主人様に教えてもらったこの言葉を唱えるのも忘れません。この言葉には多くの生き物の命をごちそうになったこと、また良いごちそうを食べられたことへの感謝の言葉だそうです。食べる前にはいただきますといい、これもまた私達に命をくれた動植物や魔物への感謝、私達が食べられるように調理してくれた方々への感謝の言葉だと教えていただきました。

 

 正直なところ人に害を及ぼす魔物に感謝するなんておかしな話だと思いましたが、よく考えてみれば魔物側からしたら私達も魔物と同じことをしているので納得がいきました。

 これからも食事の時はこの言葉を忘れないように唱えようと思います。






 次にお風呂ですが自分達のことを話すのは恥ずかしいので簡単に。


 とにかく大きくて綺麗で温かかったです。

 日々の疲れがとれて体が凄い楽になりました。

 またお風呂に入りたいです。






 最後は就寝です。

 でもその前に愛花様が髪を整えてくださいます。


 実はこの時間が一番の楽しみなんです。というのも、ご主人様達と出会う前は髪なんて川で洗うくらいでしたし、髪を乾かすなんて考えたりもしませんでした。でも今では愛花様の風魔法によってすぐに髪が乾くのです!

 そしてそのまま手で優しく髪をとかしてくれたり、毛並みを揃えてくださいます。その時の気持ちよさといえばもう半端ではありません。私もミーちゃんも二人して愛花様の魔の手に捕まってしまいました。

 それに、髪を整えている間は愛花様とお話をするのですが毎回今日のことを振り返って良いところがあれば褒めてくださいます!私達は今までに褒められることなんて滅多に無かったので本当に嬉しいです!

 

 今日だって、ほら……



「サーシャちゃん、今日はありがとうね。国王様とお話してた時に、さりげなく私達を守れるように準備してたよね」



「あ……気づいてたんですね」



「ええ、もちろん。私だって魔法だけじゃないのよ?」



「じゃあ今日やったことって余計なことでしたか……?」



「そんなことないわよ!サーシャちゃんが近くにいるだけで安心できたわ」



「えへへ……。そういってもらえると嬉しいです!」



「もう~。サーシャちゃん可愛い!サービスで今日はもうちょっとやってあげる」



「ありがとうございます!」



 やりました!いつもより長めに髪を整えてくれるそうです!

 今日やったことが余計なことだったかと一瞬不安になりましたがそんなことは無かったそうで、そっちも安心です!

 このままもう少し、堪能します!






「はい、おしまい。先にベッドへいってて。寝ちゃっても良いわよ」



「分かりました」



 今日はもうこれで終わりのようです。

 名残惜しいですが、今日は私の後にご主人様が控えているようなので大人しくベッドへ向かいます。


 ベッドには既にミーシャが寝ていました。私はその隣に寝転がります。本来なら私達は隅に行くべきなのでしょうが、今日はご主人様達に甘えようと思います。

 



 もう夜も遅い時間なのでとても眠いです。

 なんだか温かいものに包まれながら私の意識は落ちていきました。




どうやら主人公達は金銭感覚がずれていたようです。

頭では五億円と分かっていてもそれを実感できていない感じなんでしょうかね。

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