31.え?マジで?あなたが?
ホーンラビットの群れを倒し休憩していたのだが、そろそろ帰らないと昼を過ぎてしまうということでまた俺達は動き出した。
「この十匹は私が持つわね」
「ああ、よろしく」
自滅してくれたホーンラビット達を愛花がアイテムボックスにしまう。
やっぱり便利だよな、アイテムボックス。
地球にいた頃に使いたかった……。
「しまったわよ」
「ん。それじゃ戻るか。二人とも準備は整ったか?」
「大丈夫です」
「いつでもーー!」
二人は短剣についた血を拭いたりと、いろいろやっていたがもう大丈夫なようだ。
「よーし!……帰るか」
「なんか気が抜けるわね。気合い入れ直したのならもう少し頼もしいこと言いなさいよ」
「やだ。これが俺のスタイルなの」
これは誰になんと言われようと続けるぞ。
「よし!」とか言った後に単調な言葉を言うのは俺のお気に入りなのだ!
「はあ……」
溜め息をつかれようが俺は折れないぞ!
・~・~・~・
ギルドへ入るとレニーさんが居たのでその受付へと向かう。
「あら?もうカイトさん達戻ってきたんですか?」
「はい。無事に終わったので」
「……因みに何匹ですか?」
「十九匹です」
ミーシャの一匹、俺の一匹、サーシャと愛花で二匹、群れの十五匹の合計十九匹であっている筈だ。
「奥行きますよ」
「え?またですか?」
「またです。今度は皆さん全員です」
「まあ、いいですけど……」
俺達何かやらかしたか?
「私達何かやったっけ?」
「いえ、特には……」
「なんだろうね?」
「とりあえず行ってみよう」
ギルドの奥にある一室。
そこに俺達四人とレニーさんがいる。
なぜ呼ばれたのかは知らないが。
「それで、何でこっちに呼ばれたんですか?」
「それの説明の前にホーンラビットの魔石を見せて貰ってもいいですか?」
「魔石?本体でもいいんですよね?」
愛花からはそう聞いたのだが。
「まあ、はい。でもどこにあるんですか?それらしいものは見あたりませんけど……」
「ここに出してもいいんですか?」
「え、ええ。いいですよ」
許可が出たので愛花と一緒にアイテムボックスにいれていたホーンラビット達を取り出す。
「これで全部です」
「ああ、アイテムボックスを持っているのね」
あれ?ホーンラビットには反応なし?
それに何故か敬語がとれてるぞ?
「はい、便利ですよこれ」
とはいえ反応しないのはあれなので返事はする。
「そう。私もほしいわぁ」
……おーい?レニーさーん?
「あの?ホーンラビットについては?」
「あはは、ちょっと現実逃避してたのよ。何しろこれだけの数をDランクの人達がパーティーを組んでいるとはいえ狩ってくるなんて見たことも聞いたこともなかったから」
ふむ?俺達わりとヤバいことしちゃった?
「えっと、俺達やらかしちゃった感じですか?」
「そうね。Cランクに全員昇格ね」
ランクアップか。
嬉しいけどこういうのってレニーさんの一存で決めていいものなのか?
「私の一存で決めていいのかって思ってるわね?」
「い、いえ。そんなことは別に……」
怖!心読まれたんだけど!
この人の前で考え事をする時は気をつけないと危ないな。
「まあいいけど。それで私の一存で決めていいのかということに対する答えはイエスよ。だって私がここギルドのギルドマスターだから」
は?今何て言った?ギルドマスター?レニーさんが?
「「「「えええええ!?」」」」
四人揃って大声を上げるほどの事実が発覚した瞬間だった。
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