21.夜中の会話
後書きにて報告があります。
御一読の程、よろしくお願いします。
ふう~。
気持ち良かった。
やっぱり猫耳は最高だぜ!
サーシャを撫でまわした後にミーシャが交代してきたのでこっちも遠慮なく撫でた。
そうしたら気持ち良かったのかいい声で鳴いていた。
……別に変なことはしてないからな?
ただ頭と耳を撫でただけだからな?
とまあ撫で続けていたら二人とも眠いのかうとうとしだしたのでそろそろ寝ようということになり自分の部屋に戻ってきた訳だ。
戻ってきたのはいいんだ。
いいんだけどさ?
「なんで愛花がここにいるの?」
「あの子達が寝たからこっちに来ただけよ」
「なんで二人が寝たらこっちに来るんだよ」
「なんでって、夜這いに決まってるじゃない」
「はあ!?」
「冗談よ」
「そ、そうだよな。冗談だよな!」
「何、もしかして本気にしちゃった?」
「違うし!」
「ふ~ん?ま、今はそういうことにしといてあげる」
「そ、そんなことより本題はなんだよ?」
「あら?分かってるんじゃないの?」
「……」
分かっている。
俺がただ気づかないフリをしていただけだ。
「分かってるみたいだから話すけど、あの子達の目のことよ。正確に言えば目に表れた二人の感情ってところかしら」
「やっぱり、そこか」
おかしいとは思っていた。
いくら人懐こい性格であろうと、出会って一日も経過していないのに己の体の大事な部分を触らせるはずがないと。
そしてそれは二人とじゃれあっている時に出てきた。
「あの子達の目、明らかに怯えの色が混じってたわ。それに加えて、私達に気に入られようとする態度も」
「前の主人に何かされたのか……。そういえば前の主人には使えないから捨てられたとか言ってたな」
「"使えない"、ねぇ……」
「まさかストレス発散にも使えなくなったから捨てたってことか?」
「なんともいえないわね……。ただ、それ以上に問題なのが一つ、あるわ」
「ミーシャの方が怯えやその他の暗い感情が強い、だろ?」
「ええ。ミーシャちゃんの年ならあんなに暗い目をすることは滅多にないわ。子供は大人が考えているより大人の顔色を伺っているとは聞いたことがあるけど、それをもってしてもあれは異常よ」
「しかも怯えだけではなく、自己否定まであるしな。俺がそうだったから分かるがあれは扱いに気を付けないとすぐに壊れる。心も体も、な」
「自己否定……。確かに海斗もそんな時があったわね」
「ま、俺のことはいいだろ。今はあの二人だ」
「でも気を付けるっていっても出来ることなんてあるのかしら?」
「こういう時は出来る限り褒めたりして自分に自信を持たせるのが一番だ。後は今さっきやってたことを今度は俺達からやってみるとかな」
「撫でさせてって頼めばいいの?」
「それ以外にもある。例えば、二人と一緒のベッドで寝るようにするとか。一人じゃ寒いからとか何かしら理由をつけてな。今日はもう寝てるだろうから無理だと思うけど」
「なるほどね。明日やってみるわ」
「おう。俺も出来ることを見つけたらやってみるよ」
「お願いね」
愛花が部屋に戻ったのを確認してから俺はベッドへと潜りこんだ。
前にも忙しくなるとは書いていましたがとうとう更新の余裕がなくなってしまいました。
それにより今週の金曜日か土曜日まで更新をストップします。
微妙な所でストップするのは筆者としてもスッキリしないですが、週末には戻ってきますのでそれまでお待ち頂けると幸いです。