14.それは勘弁してください
これから先、十二月中旬まで忙しくなるため更新できない、更新したとしても文字数が少なくなると思います。
用が終わりましたら今まで通りに戻ります。
ご理解の程よろしくお願いします。
武器を買った後、城門を通って街の外へと出た。
現在の時刻は午後二時過ぎなので夕方には帰ることを考えるとあまり遠くには行けない。
試したいことがどれだけ時間がかかるか分からないため、早々に依頼の薬草は集めておきたい。
ここら一帯は草原だから薬草の一つや二つくらいあるだろう。
「薬草ってどんな場所にあるんだ?ここみたいな草原だけなのか?」
「いえ、極端に土壌が悪いとかでなければ何処にでもありますよ」
「この近くにもあるの?」
「はい、寧ろ草原であるここなら沢山あると思いますよ」
やはりあるらしい。
問題はどうやって見つけるかだが……。
「ん?愛花、何やってるんだ?」
「何って、鑑定を使って薬草があるかどうか調べてるのよ」
あ、そうか鑑定があったか。
「そうかその手があったか」
「気付いてなかったの?地球で散々私に鑑定の大切さを語ってきたくせに?」
「うぐっ。い、いや、一度は鑑定を使わないで見つけてみようと思ったんだよ」
「ふ〜ん。へ〜。そ〜なんだ〜」
「……ごめんなさい。あれだけ語っておきながら鑑定のこと忘れてました!!」
地球にいた頃は愛花に週三回は鑑定のことを語っていた。
だって鑑定だよ!?
あれがあればいろんな事が調べ放題!
相手の隠している裏情報、例えばスリーサイズとか見ほうだ……なんか殺気を感じた!?
こ、この話はやめよう。
俺の命がなくなってしまう。
「……随分と察しが良くなってきたじゃない。あのまま妄想を続けてたら一発蹴ってたわ」
「ど、どこを蹴るのでしょうか?」
「身を持って教えてあげようか?」
「いえ結構です!薬草探します!」
「まったく……。しょうもない事考える暇あったら薬草探しておけっての」
ひいい、恐ろしい。
男のあれを蹴られたら堪ったものじゃない。
大人しく薬草探そう……。
そう思っていたら。
「ご主人様、どこを蹴るんですか?」
「愛花お姉ちゃん、どこを蹴るの?」
純粋な二人がいた。
「……俺は言いたくない」
「なら私が教える、と言いたいけどここで話すことじゃないから宿で話すわね」
「わかりました」
「わかった!」
……このまま薬草集めで忘れてくれることを祈ろう。
「それじゃ薬草集めましょう。とりあえず私と海斗で薬草を見つけるからそのあとで二人も探し始めて」
「はーい」
「じゃあ海斗、やるわよ」
「ああ」
とりあえず近くの草むらを見て鑑定と念じる。
『鑑定結果』
雑草 ただの草
薬草 少し体力を回復する
「あ、あった」
「こっちもあったわ。本当にいろんな場所にあるのね」
一つの物ではなく一定の範囲で鑑定したためか何処に何があるのかちゃんと表示された。
表示に従い薬草を回収する。
「これが薬草か」
見た感じは他の草と同じだ。
違いなんて感じられないが、敢えて言うならほんの少し匂いがするだけだ。
ミントのような鼻がスーッとする匂いだ。
「パッと見ただけじゃ薬草なんて分からないわね。二人も薬草採取お願いするわね。といっても他の草と区別がつくのか分からないけど……」
「そこは今までの経験からなんとなくわかります。」
「そうだね。最後に確認してくれれば大丈夫!」
「そっか。なら二人の経験を信用して任せるね」
「はい!」
「うん!」
その後も同じ作業を続け、三十分ぐらい経過したところで依頼分の薬草を集め終わった。
「これだけ集めれば十分ね。二人が集めた物もちゃんと薬草だったし」
「ああ。余ったら俺達で使えばいいしな」
「ええ。それじゃあ武器のお試し会を始め、諸々の確認をやりましょうか」
「そうだな!」
「やりましょう!」
「やろうやろう!」
さて、武器と魔法と運動と、何から始めようかな?
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