13.勘違いと値段
貨幣の価値と宿の代金が凄まじいことになっていたので修正しました。
また、今話から会話文以外の文の前に一文字空白を入れることにしました。
ここのところ修正&変更が多いですが読んで頂けると嬉しいです。
愛花の不思議行動に首を傾げつつ、俺は使いたい武器を見に行った。
剣は店の奥にあるようなのでそちらへ移動する。
そこにはいろんな種類の剣があった。
オーソドックスな剣もあれば、柄の部分が曲がっていたり刀の様に刃が反っている物もあった。
今更なんだが刀ってあったんだな。
元からこの世界にあったのか、それとも、俺たち以外にこの世界に来た人がいてその人が刀を伝えたのか……。
何にしろ刀が存在するならそれでいいか。
一度全部を見てみたがピンとくるものはない。
どれも微妙な感じだ。
例えば、柄の部分がしっかり作られているのに刃がボロいとか、柄も刃もそれ単体ならしっかりしているのに剣としてみると柄と刃の繋ぎが弱いとか。
むぅ、いいものがない。
ここは一番最初に見たオーソドックスの剣が無難かな。
どちらにしろ体が慣れてきたら他の剣に変えるつもりではあるし。
刀があるなら刀が最優先だが。
自分の分は選び終わったので皆の様子を見てみる。
愛花とサーシャは一緒に杖を選んでいる。
えーっと、愛花は上の方が渦のようになっている木でできたよくある杖を持っている。
駆け出しの魔法使いが使っていそうな物だ。
隣のサーシャは木でできているのは変わらないが形が違う。
一見するとただの棒だが、よくみると杖の先端が細くなっており持ち手の方も持ちやすいように小さい出っ張りがあった。
サーシャは短剣も欲しがっていたけど、短剣は後で見るのかな?
二人とも順調に選べているようだ。
最後にミーシャは、っと……いた。
ん?あれって爪じゃなくてガントレットじゃね?
ちょっと話してみるか。
「ガントレットにするのか?ミーシャ」
「あ、海斗お兄ちゃん。ううん、迷ってるの。最初は爪にしようと思ってたんだけど、ガントレットなら殴れるし一応引っ掻くこともできるからこっちもいいかなって」
「そうだな……。機能性としてはガントレットの方がいいとは思うけど、爪としては殆ど使えないと思うぞ?」
あの太い指で引っ掻けるかと言われれば答えは否だ。
そもそもガントレットは殴るためのもので引っ掻く為のものじゃない。
ミーシャならなんとか使いこなしてしまいそうだが。
「やっぱりそうだよね。お兄ちゃんとしてはどっちの方がいい?」
「俺はどっちがいいとかはないな。ミーシャの好きな方でいいぞ」
「本当に?」
なんだ?普段のミーシャらしくないな。
ミーシャなら直感でズバッと決めるかと思っていたんだが。
もしかして俺が望む方を選ばないと怒ると思っているのだろうか?
望みなんてないから好きな方を選んで欲しいんだけどな。
「本当。怒らないから好きな方を選びな」
「わかった。ならガントレットにする!」
そういうとやっと素直に選んでくれたようだ。
直接言わないと素直になってくれないってことはまだまだ信頼は得られていないらしい。
これからもっと頑張らないとな。
「金貨十枚もするからダメかなって思ってたんだけど、やっぱりお兄ちゃんは優しいね!」
…………はい?金貨……十枚?
え、まさか選ぶのを躊躇っていたのって値段が原因!?
信頼云々は俺の勘違い!?
それならそれでいいんだけど、いや羞恥心的にはよくないが、金貨十枚!?
ちょ、ちょっと待って。
俺の剣が金貨五枚、
愛花とサーシャの杖が合わせて金貨六枚、
短剣はまだわからないが四枚と仮定して、
ミーシャのガントレットが金貨十枚、
合計金貨二十五枚!?
今持っている金貨が四十八枚だから、四十八-二十五で残り金貨二十三枚……。
す、素直なのはいいことだからね!
遠慮しなくていいんだよ!
遠慮、しなくても……はあ、依頼頑張らないとな……。
「や、やっぱりダメ?」
「いやいや、いいんだよ!いいんだけど、依頼頑張らないとなって思っただけ」
「それなら大丈夫!私頑張るから!」
「無理はするなよ?俺達も頑張るから」
「うん!頑張ろ!」
ああ、この屈託の無い笑みを見るとお金のことなんてどうでも良くなってくる……。
「何話してるの?」
「あ、愛花。ミーシャが爪とガントレットで迷ってたから話してただけだよ」
「あ、そうなの?どっちにするか決まった?ミーシャちゃん」
「うん。ガントレットにする!」
「そっか。じゃあこれから一緒に頑張ろうね!」
「うん!」
「ところで愛花、その杖の値段、金貨三枚であってるよな?」
「あってるわよ」
「ふう、よかった」
「なんかあったの?」
「いや、ないよ。ただ金額を計算してたから間違ってないかの確認」
そういうと同時に目線を送る。
「……ああ、なるほどね。依頼頑張らないとね」
無事気付いてくれたようだ。
おっ、サーシャが戻ってきた。
「短剣選べたか?」
「はい。これにしようと思います。」
そういって差し出してきたのは柄が水色ということ以外は特筆することのない短剣だ。
「これでいいのか?」
「はい。普通の短剣ではなく水の属性が付与されているんです。これがあると魔法が使いやすくなるんです」
付与効果か。
中々いい物を見つけたな。
「ただ、値段が金貨四枚なんですがいいでしょうか?」
四枚なら俺の予想通りの値段だ。
「ああ、全然いいぞ」
「ありがとうございます。」
「それじゃ精算して外に行くか」
「そうね」
そうして武器の値段を払い、依頼含め諸々をやるために街の外へ向かっていった。
自分の小説を読み返していると、思ったよりも読みにくかったので変更しました。
これ以外にも変更した方がいい部分がありましたら感想欄で教えてくれると助かります。