行商エルフ(仮題)異聞録
本文1000文字行かず。
会話でどこまでやれるか、やってみたけどこの程度だったよ……。
※設定の作中説明はかなりおいてけぼりとなっていますが、同シリーズの後日談にて語られております。気になった、これ(当作)だけ読んでも分からない~って方はそちらへどうぞ。
「おっとそこ行くキレイなエルフと熊獣人の商人おふたりさん!」
「いくら魔物避けが練り込まれているっても、雪の街道を歩きで行商とか危なすぎるでしょ」
「え? この雪を踏んで歩く感触が好き?」
「またまたあ~! そんな強がり言ってないで、車に乗りなよ?」
「どうしたのさ、そんなお互い顔を見合わせちゃって」
「……あ~大丈夫だよ、まだ車内にふたりのせる位空きはあるから」
「ええ、本当に良いの? 強情だなぁ」
「そうだ! だったらここから日暮れまで歩いて、丁度良い辺りで安全に1泊できる洞穴があるから教えてやるよ!」
「良いの良いの、気にしなさんな。 俺っちは定置巡回の行商だ、あんたがたは見たことねーしこの辺はあまり来ないんだろ? 人助けだよ」
「…………分かったか? さっき言った見つけにくい目印、それさえ見つけられれば洞穴までは真っ直ぐだ!」
「なんだ、薬ビン?」
「いやいやお礼なんていらねぇって」
「なにがあっても眠れる薬?」
「そう言うのって高いんだろ? いらねぇって」
「…………そうか? そんなに強く恩返ししたいってんならもらっておくよ」
「じゃあまたな! 達者でなあ!」
~~~
深夜、とある洞穴。
「あちゃ~。馬鹿正直に、俺っちの言うことを真に受けちまいやがった」
「商人として失格だろ。なんで俺っちみたいなのを信用したよ?」
「この洞穴、奥に世界を壊してやるって息巻いた、アブナイ人達が集まる入り口だぜ?」
……………………。
「しょーがないよな。こんな世の中だ、騙された方が悪いってことで、俺っち達の為にも生け贄となってもらうよ」
……………………。
「でもこの女エルフ、とんでもねー美人でスタイルもとんでもねーな」
……………………。
「隣のは夫だろ? 初物は無理だとしても、生け贄とする前に1度楽しむくらいは良いよな?」
……………………。
「うん。あんたから貰った眠り薬で、知らぬ間だ。不貞じゃないから夫だって許してくれるだろ?」
「だから早速、このフタをっと」
きゅぽんっ。
とある商業ギルド。
「ん……しょっと」
「受付の嬢ちゃん、なにを掲示板に貼っているんだ?」
「全ギルドへ回された注意書き。 それと同時にギルドの象徴様の活躍報告書です」
「おっ? 『夫婦神』様はまたなんか活躍したのかい?」
「はい。行商人に偽装して、人をだまして生け贄を集めていた邪教徒達の拠点一つ、潰したそうですよ」
「どうやったんだ?」
「騙されたふりして、開封すると飛び散る眠り薬を使わせたそうです」
「嘘は神様達にゃあ通用しねーわな。 これで何ヵ所潰したかな?」
「ん~……20はやっているんじゃないですか?」
「そんなにいるんだな、頭のおかしくなった連中は」
「ですので今回の注意書きは、偽商人がいると注意喚起ですね」
「今はギルドカードを見せ合うか、有名ならば自分の店に使っている紋章をみせるかだが」
「それで足りなくなるかもしれないですね」
「……偽造できないギルド員の証。面倒くせーな」
「でも、ないといけなくなる日が近いかもしれませんよ」
「…………だよな~」




