魔法訓練
魔法とは、魔力を消費して様々な現象を起こす技術である。
「え~、それでは魔法訓練を始める。魔法学で説明した通り、魔法にはいくつかの系統がある。炎・水・風・雷・土などの戦闘魔法。回復・強化・弱体などの支援魔法。簡単に言うとこうじゃな。」
魔法の得意不得意は才能による部分が大きいとされている。同じ訓練をしても、ある一定以上になれる者となれない者にハッキリ分かれるためだ。
「どの系統が得意か というのは人それぞれであるが、基礎レベルならば多くの者が習得可能じゃ。よって まずはそれぞれの基礎をしっかり身につける事を目指す。」
戦闘で頼りにできるレベルは中位魔法からと言われている。しかし、下位魔法でも使えるのと使えないのでは大きな差がある。火をつける、洗浄する など、魔法は冒険者にとって非常に便利なものなのだ。
「魔法と言えば魔力を練って詠唱。そんなイメージを持っとるかもしれんが、詠唱は必須というわけではないのじゃ。こんな感じでの。」
突然、仙人様(見た目から、そう呼ばれている)が指さした先の的が燃え上がる。
「さすが仙人様!魔力を練る気配を感じる間もなかったよ。」
「あぁ、とんでもねぇな。」
「うむ。まさに熟練の技だ。」
「素晴らしいという言葉しか出てきませんね。」
仙人様の魔法に興奮する生徒たち。
「ほほ。まぁ いきなり無詠唱は難しい。やはり最初は詠唱によって自己のイメージを固める練習が必要じゃ。しかし、慣れてくればみなもできるぞい。」
(確かに、無詠唱自体は可能ではありますが・・・、一瞬のうちに、魔力を練る・魔法のイメージ・イメージに沿って魔力を放出 をやってのけるのは仙人様ならではです。)
フローラは、仙人様の噂以上の腕前に苦笑するしかなかった。
「どうじゃ。ワシの魔法を見て、みなの向上心も刺激されたかの。しかし、焦るでないぞ。まずは基礎じゃ。基礎が雑ではその上に何も積み上がらんからの。」
「「「はい!」」」
そして一斉に魔法の訓練を開始した。
「そこまで。時間じゃし、今日はこれくらいで終わりにする。魔力の枯渇は危険じゃからの。魔力が不足している時に無理に魔法を使うと生命力が削られる。注意するように。それではの。」
「ん~、なんか上手くいかねぇんだよなぁ。」
「どこで苦戦してるの?」
「イメージまでは大丈夫なんだが、魔力をイメージに注ぐ段階がちょっとなぁ。」
「なるほど。魔力とイメージそれぞれはできるが、合わせられないという事か。」
「そそ。合わせようとしたら、バランスが崩れちまうんだよ。」
「合わせるというより、イメージした型の輪郭をしっかり意識して、その型を満たすように魔力を注ぐ。というイメージではどうでしょうか。」
「あぁ、なるほどな。それなら分かりやすいかも。フローラすげぇな!」
「いいえ。ただ私のやり方を教えただけです。」
「そういえば、フローラの魔法は正確で無駄が少ない感じだったな。」
「どうやら魔法は得意なようです。物理戦闘は少し苦手ですが、魔法でなら戦えるレベルになれそうで少しホッとしてます。」
「近くにどっちも得意なやつが2人もいるからなぁ。ちょっと不安になる気持ち、分かるぜ。」
ここでもウンウンと頷き合うアンドレとフローラであった。
アンドレは魔法苦手
フローラは魔法得意
という設定です。
フローラは物理戦闘苦手って言ってますが平均レベルです。
比較対象が優秀なんです。