星くずのためいき
雨に似た白いやつ、くもった息がちょっとだけあたたかかった。ただソレダケ。
くもった空。灰色の雲。
雪がふって、いつかの景色も、誰かの足跡も、仔猫の鳴く声も、きっと消えてしまうのだろう。
彼女の吐く息は、いつだって真っ白で、ひどく綺麗な色だった。
私の吐く息はいつだって真っ白でひどく哀しい色だった。
それなのに彼女だけなんでここにいないのだろう
それなのに彼女はなんで
死んでしまったのだろう。
それは冗談のようだった。
それでも世界は廻っていた。
I,m waiting for my girl.
I,m waiting for my girl.
I,m waiting for my girl.
私は彼女を待っている
I,m waiting for my girl.
私は彼女を待っている
ずっと、この冬の空の下
ずっと、この星の降る夜、いつかの景色と、いつかの足跡を消しながら、雨によく似た白い、まぁるい。
空から降ってた。
吐いた息とくもった空気
ウサギが泣いた。
ここにいるよとウサギは泣いた。
I,m waiting for my girl.
I,m waiting for my girl.
私は...
だって、私はひとりぼっちだ。
彼女を待っていると、いつかの景色を思い出す。
ただ一人、背中が叫んでた。
泣いていた。
あたたかかく、やわらかく、やさしく抱きしめてあげればよかったのに。
本当は誰かに愛されたいと。
ひとりがやがてふたりになること、
そして、今も彼女を待っている。
言葉がココロを、彼女を待っている
抱きしめてあげられたのに、背中がひとり叫んでた。
足跡に咲いた花。
いつかの風景で彼女を待っている。
月明かり、ゆらゆら。
彼女は手を伸ばす。
宙の果て、息を吐く。
星屑がまた堕ちて、消えていく。
宙の果て、息を吐く。
彼女は手を伸ばして、離した。
メロディ、唄う。唇は
メロディ、鳴らす。指先に
月明かり、ゆらゆら彼女は手を伸ばす。
あの時、耳を澄ませていれば
あの時、両手を広げて感じていれば
誰かの涙に気付いてあげられたのに
ひとかけらの勇気があれば
私も一人が怖くて、寂しくって、情けなくて、惨めで
でも独りじゃない。
みんな同じように弱くて、誰かを必要としているのなら
手を広げて、その指先に触れて
彼女のあたたかさもココロに変えられる。
だから声を...
背中の声を、見えない羽根を、必ず、必ず、抱きしめて。
手を伸ばして、君に届けと
指先で触れるあたたかさに。
心の壁に、指を押し付けて、笑い飛ばす。
昨日の繰り返し、明日も繰り返し
過去も未来もない今で、笑い飛ばすよ。
すべてに戸惑っても、手を伸ばして。
君に届けと、指先で触れて
目を閉じて
独りじゃない
耳を澄まして、嘘をつけない声を聴いて
両手を広げて、見えない羽根を感じて
誰だって、ひとり
でも独りじゃない。
手を伸ばして、触れあって、抱きしめあって生きるんだ。
結んでほどく、指先で、
何も怯えることはなくて。
君を抱きしめよう。
背中の声を、羽根に変えて
耳を塞ぐ手を離そう
きっと。自分の足跡がよく聞こえるから
きっと、答えは...ない