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ぽむぽこりん -異世界で魔術師見習いやってます!-  作者: 春川ミナ
第一章:ソルデュオルナの魔術師見習い
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差し入れのお礼

 しばらくしてスィートポテトが焼きあがる良い香りがしてきた。

 ちなみにサツマイモの蔓は一口サイズに切って塩コショウで炒めてある。

 これだけでご飯三杯はいけるよね!……いや、ご飯なんてないんだけれど。


「お米食べたいなぁ……」


「ぷ?」


「ぽ?」


 私の声にぽむとぽこが疑問の声を漏らす。

 この世界ではお米なんて無いので仕方ない。他の国に行けばあるかもしれないけれど、日本のようなジャポニカ米は無いだろうなぁ……。


「なんでもないのよ、なんでも」と、言ってもふもふとした毛並みを撫でる。


「ぽきゅー」


「ぷきゅー」


 あ、なんだか嬉しそうな声出してる。

 顎の下がいいのかな?それともお尻のほうかな?うりうり。

 しばらくなで続けてると二匹ともとろけてしまった。

 なにこれ、結構私テクニシャンかも。

 とろけた二匹を撫で回しつつ、一人でほくそ笑む。

 魔性の指使い、リン。

 なんちゃって。ドールを操るので手先の器用さには少し自信があるのだ。

 ……その分、指先の感覚は鋭敏というか敏感なんだけれどね。

 子供特有の皮膚が薄いせいもあるのだと思う。

 とろけてしまったぽむとぽこを残し、焼きあがったスィートポテトをいくつか包んでウンディーネの元に向かう。


「あ、本当に門になってる」


 私とアンヘルにしか見えないと言われた水のアーチ。その門をくぐるとウンディーネの家の玄関についた。

 一瞬呼吸が出来なかったどうしよう、と考えていたけれど、その心配は杞憂だったようだ。

 ドアノッカーを鳴らして、しばらくするとウンディーネが扉を開いてくれた。


「あら、リン? どうされましたの?」


「あ、うん。たくさん作ったのでおすそ分け。種のお礼も入ってるけどね」


 ニコリと笑ってウンディーネにスィートポテトの入ったバスケットを差し出す。


「あらあらまぁまぁ、ありがとうございます。では遠慮なくいただきますわね」


 対するウンディーネも嬉しそうだ。

 差し入れしてよかったな。


「それではまたお邪魔しますわ。今度は魔力が落ち着いている時がいいですわね」


「うん、それじゃあまたね。ウンディーネ」


 ウンディーネに別れを告げて、家に一度帰る。

 今度はノームだ。

 箒に乗り、崩れたはずのぽむとぽこに出会った洞窟の前に行く。


「ノームぅ、いるー?」


 ぽっかりと口を開けた洞窟にわんと私の声が響く。


「なんじゃいなんじゃい、そんな大きな声をせんでも聞こえておるわい」


 ピョンピョンと飛び跳ねながら洞窟の奥から姿を現したノーム。

 ……ていうか洞窟が見違えるように強固になっているのはきのせいではないだろう。


「あ、うん。ノームにもおすそ分け。お菓子を作ったから」


 お菓子と聞いてノームの瞳が輝く。


「いいのか!? 儂、人間が食べておる甘いもの好きなんじゃよ!」


 あまりの食いつきようにビックリした私はそっとノームにバスケットを差し出すと、ゴソゴソとさぐり、焼きたてのスィートポテトを取り出し、口に運ぶノーム。


「うんまぁい! ちっと熱いがうんまぁいぞ! リン!」


 いきなりパクつかれるとは思わなかった為、少々びっくりしたけれど、美味しいと言ってもらえて嬉しい。


「よかった。まだ熱いから火傷しないようにね。ノーム」


 私の声も全く聞こえない様子で二つ目のスィートポテトをうまうま言いながら頬張ってるノーム。

 3つ目のスィートポテトを食べ終わったとき、ようやくノームが口を開いた。


「ふぅ、ご馳走様じゃ。久しぶりに人間の作る菓子を食べられて満足じゃわい。これは何か礼をせんとの。ダイヤモンドでもくれてやろうかの?」


 ダイヤモンド!?そんなものまで自由にできるってどんだけノームってすごいのよ。

 でもそんなもの貰ったって私にうまくさばけるとは思えない。商人のスキルなんて全く持ってないのだ。……偽物だと思われて安く買い叩かれるのがオチだろうなぁ。

 なので考えていた事を話す。


「ダイヤモンドとか、そんなものは要らないよ。その代わりと言ったら何だけれど、洞窟の奥に卵が割れたような形の石が無かった? 私、それが欲しいんだけれど……」


「なんじゃ、リンは欲が無いの。そんな事で良いのか。それならもう見つけてあるぞい。すぐにでもリンの家に運んでやれば良いのかの?」


 ノームの言葉にコクコクと首を縦に振る。

 良かった、これでまだ読めてない部分が読める。

 ぽむとぽこの秘密も解るかも!

 嬉しくて飛び跳ねそうな気持ちを抑えていると、ノームが恥ずかしそうに呟いた。


「あー……。そのじゃな、リン。またお菓子作ったら儂にもくれんかの……?」


 チラッチラッとこちらを横目で伺うような仕草が妙に可愛い。お爺ちゃんなのにやるなノーム。

 クスクスと吹き出し笑いをしながら了解と言う。

 ノームってば和菓子と緑茶が似合いそうだなぁ。

 決めた!今度お茶会をする時にはウンディーネやノームも呼ぼう。

 でも和菓子の材料って米粉だっけ……。どらやきとかでいいなら小麦粉でも作れそうだけれど。

 考え事をしているとノームが洞窟の奥からぽむとぽこが乗っていた宇宙船というか卵型の何かを持ってきてくれた。


「リンにはちょっと重いかの。儂が運んでやるからええよ」


 ……すごい。岩の塊みたいなものを軽々と運んでいる。


「儂、重力を操れるんじゃよ。持てるだけの大きさのものに限られるんじゃがな。どうじゃ? すごいじゃろ」


 あ、なんだか褒めて欲しそうに鼻をヒクヒクさせてる。

 しょうがないにゃあ……。


「ノームってすごいんだね。さすが精霊!」


「そうじゃろそうじゃろ! 儂! 最強じゃからの!」


 ……ノームってチョロイン属性あるんじゃないかしら……。

 少し心配になった私とノームはトレントの待つ家へと帰途につくのだった。

読んで頂いてありがとうございます。

誤字・脱字・文法の誤りなどありましたらお知らせくださいませ、勉強させていただきます。

ご意見、ご感想などもお待ちしております。

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