旅立ち前夜のプロローグ
私の名前はリン。
生前は紡、というか今もこの体は生きているけれど。
言うなれば前世の記憶なのかしら。
高校三年生で人形部の部長を務めていた私。
人形部とは球体間接のドールを作ったり、発泡スチロールで劇に使う人形を作ったり、それに合う服を縫ったりしていました。
他にどんな事をしてたかというとボランティアで幼稚園や老人ホームに行き、人形劇を演じたり、球体間接のドールを学祭で展示したり……。
この世界にリンとして産まれてきたという事はたぶん、紡の体は死んだのだと思う。
あの日は部活が遅くなってしまってすっかり日が暮れていた。
部室の鍵を閉めるのをすっかり忘れてて校舎の四階にある部室に急いだのだけれど……。
まぁ、何というか結論から言うと窓から落ちちゃったわけで……。
つまりそこから紡の記憶が無いの。
窓の戸締りをしようと近づいたらドールに使うガラス玉を踏んじゃって校舎の4階から真っ逆様。
人間死ぬときに見えるっていう走馬灯なんて全く無くて、こんな所にガラス玉置いたのはどちら様?とか空に散らばるガラス玉が綺麗だった事くらいしか覚えてない。
で、気が付いたらばぶばぶと言うだけの赤ん坊になってました、ってお話。
そんな私だけれど、今日12歳の誕生日を迎えます。
これが小説家になろうでは初投稿になります。
誤字・脱字などお見苦しい点もあるかもしれませんが、お付き合い下されば嬉しく思います。