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第12輪

「十分戦えたかしら?」

「お姉ちゃん、怒ってる?」

「別に?」


 ようやく街に着いたわ。日が昇りかけているじゃない。


 私たちが街に着いたのは森に入ってから約1時間半後のことだった。それまで、延々と魔物と戦ったり、同じような道を、否、同じ道をずっと歩いていたのだ。マップが埋まっているのに同じ道を歩き続けるとはどういうことだ、とは思うかもしれないが、ユズの言ったことを思い出せば少しくらいは分かるかもしれないだろう。()()()()()()()()()()()()()()()()()なのだ。要するに、ユズが別の方向をを向くと、マップがその分回転することを理解しておらず、ユズがあっちを向いては進み、こっちを向いては進むを繰り返していたのが一番大きな理由だろう。…そのことに気づかずに採集ばかりしていた私も悪いが。ちなみに、それまでに出た魔物を全て倒していたせいで、私も途中から戦闘にも参加することになり、ポーションが尽きてしまったのは痛いところがあるが、その消費に見合った分スキルのレベルが上がったので結果オーライと言う奴だろうか。しかし、感謝をする気には到底なれない。


「うう、やっぱり怒ってる…」

「ユズさん、流石に私でもこれだけかかれば怒りますよ…」

「ああ、寝る時間が少なくなってもうた…」

「あらあら、みんなお疲れね」

「倒れているカリナは人のこと言えない」


 皆それぞれ疲れてしまっているようだ。ゲームだからリアルの体は疲れないが、ゲーム内でのスタミナ減少に伴って体が重く感じたりということもあるし、何よりもどこだかわからない場所で長時間たたかわされたと言うのは精神的に来るだろう。さすがのユズも肩をだらりと垂らし瞼を重そうに眼が細くなっているのを見るに疲れているだろう。


「やれやれだわ…。仕方がないから、今日はこの辺でお開きにしましょうか。4人はポータル登録を忘れずにログアウトしなさいよ。」

「はい。あの山をもう一度やれと言われてもやる気にはなりませんね…」

「じゃあまた明日」

「ほな、さいなら~」

「うふふ、スクショごちそうさまでした」

「カリナ、こっち来て」

「…私ももう眠いし、落ちることにするわ」


 結構気になるが、ユミに呼ばれ地面に倒れ伏して滝のように涙を流しているカリナを視界の隅に追いやり、メニューを開きログアウトをする。


 気がつくといつものベッドの上であることに気がつく。VRギアを外し再度枕に頭を預け、夏用の薄い掛け布団をかぶり眠りにつく。緩やかだが、急速に意識は沈んでゆく。






「…いち…にの……さん、そぉい!!」

「みゅん!?」


 いきなり掛け布団を引きはがされ、くるまっていた体が転がる。その後眩しい朝日に顔をしかめつつ、自分の発した奇妙な言葉に赤面する。…おのれ、柚子め。許すまじ。


「何するのよ!」

「だって、早くしないとイベント始まっちゃうじゃん」

「まだ6時じゃない…イベントは12時からでしょ?」

「そうだけど…」

「ならまだ寝るわ。2時間後くらいに起こして」


 そういいながら柚子から布団を奪い返し、再びかぶる。夏でも朝が寒い時は割と良くあるもので、布団の温かさにくるまっていたい。


「私がやりたいから早く朝ごはん済ませたいの!」

「子供じゃないんだからパンくらい自分で焼けるでしょう」

「う~…」


 柚子が唸るような声を上げた後、私の部屋から出て行く音がする。そのあと、廊下を踏み鳴らしながらリビングまで向かったようだ。煩いわね。


「まったく、こんなに早く起こさなくてもいいじゃない」


 どんな理由であれど、早起きするのは良いことだとは思うけれど、自分の都合によって行動を起こし、他人まで巻き込むのは良いとは言えない。…たまに私も人を巻き込んでしまうことはあるけれど、自分で悪かったと言うことを自覚しているのでまだましな方だと思いたい。それにしても何で朝食をすませるために私を起こしに来たのだろうか…。


 そんなことを考えながら再び意識は深い眠りへと落ちてゆく。


「お姉ちゃん、2時間経ったよ」

「ん、寝てると時間が経つのが早いわね、って」


 目を覚ますと、そこに居たのはどこかの祭で買った般若のお面をつけた柚子だった。


「…何をしているの?」

「あれ?驚かなかった」

「この歳になって驚くわけないでしょう。驚かせたいんだったらもっと頭をひねることね」


 そういえば柚子の報復は何かしらの悪戯だったわね。いつまでも同じ手で驚くと思っていたのかしら。まあ、最初にやられた時は驚いたのは認めるけれど。


「7時半…じゃあ私は朝食済ませたらログインしようかしら」

「じゃあ私は先にログインして待ってるね」


 柚子は般若の面を外し、少しつまらなさそうな顔をしながら自分の部屋に戻って行った。それにしても、イベントの目的は分かっているのだけれど、内容がわかっていないので不安なところがある。まあ、私としては生産者として活動させてもらうからものすごく目立つなどと言うことはないと思うけれど、それでも別の分野の仲間くらいは見つけておきたい。一応色々な生産スキルを持ってはいるものの、メインにしようと思っているのは《薬師》と《料理》の2つだ。確かに、装備品を作るのをメインにしてもいいのだが、そうすると拘束時間が長くなってしまうので冒険をする時間が無くなってしまい、私的には面白みが半減してしまう。おっと、ゲームの事は後にしないと。先に朝食ね。






 ログインすると、いつもとは少し違う街並みを見て、昨日は第二の街でログアウトをしたことを思い出す。もちろん、昨日の出来事も一緒に思い出されるわけで、無意識にため息が出る。ちなみにゲーム内はもう夜になっているので、狩りができる時間だ。しかし、その前にスキルの確認をしておかないといけない。レベルが上がればできることも当然増えるわけで、それを今日のイベントに生かすためにも検証は早めに行っておいた方がいい。だが、全てのスキルを確認していると時間がかかってしまうので、よく使う重要な物だけでいいだろう。


「えっと、スキルのレベルは…と」


《大剣LV21》《魔術・結界LV9》《魔術・闇14》《警戒LV14》《見切りLV12》《薬師LV12》《吸血LV14》


 こんなところかしら。昨日の狩りのせいで《大剣》が大きくレベルアップしているわね。ついでにレベルが20を超えたので新アーツも習得している。それの確認は戦闘の時にするとして、今はポーションとかの回復系のアイテムを買わないと。作っているだけの時間と、十分な数を作れるだけの材料が足りない。 

「はぁ、ユズに起こされたときに起きておけばよかったかもしれないわね…」


 今更そんなことを考えてもなにも無いので手早く消耗品の購入を済ませる。今日の12時から始まるイベントには戦闘と生産、どちらをメインにして参加するかが一番の問題と言えるだろう。いや、どちらにせよ昼起きているか、夜起きているかでプレイスタイルを変える必要があるから、どうせなら5日間ずっと起きているのとか有りかもしれないわね。精神衛生的にはどうかと思うけれど。まあゲームで位徹夜しても大丈夫よね。


「消耗品はこれで良し、次は武器の手入れをしてもらおうかしら」


 ポーションを60本、3000Gを支払い、続いて武器屋に行き武器の手入れを頼む。店員は大剣とは珍しいな、などと呟きながら店の奥に消えてゆき、10分ほどすると戻ってきた。その手には先ほどよりも金属特有の光沢がはっきりと出ている大剣が握られていて、この店員が鍛冶をするに至ってなかなかいい腕をしていることを感じさせる。武器の手入れの値段は思いの外安く、500Gで済んでしまった。私は良く資金が足りなくなるので安く済むのはありがたい。


「さて、やることは済んだし、残りのイベントの時間までは適当に狩りでもしようかしらね」


 時間はちょうど夜。そして第二の街周辺ならなかなかいいレベルアップができる。…そのせいで昨日は《大剣》スキルが予想以上に上がってしまったわけだけれど。それは置いておいて、残りの時間で上げるスキルは《蹴り》と《見切り》、それから《身体能力強化》かしら。最近になってわかってきたことだけれど、どうやら《身体能力強化》は激しい動きをすることによって上がるようだ。よって、敵を攻撃するために動く《蹴り》はもちろん、相手の攻撃を回避する《見切り》も十分体を動かすことになるのでレベルの上昇が見込める。


―――数時間後


「あー…、もう駄目。疲れたわ」


 最近はゲーム内とはいえ体を動かし、慣れ始めていたから忘れていたが、運動をすると必ず疲労が蓄積する。ゲームの場合はそれがスタミナの減少と言う形で表現されているため回復が早いが、それでも疲れる。そもそも私は疲れるのが嫌いだから外にも出なかったのだ。…一旦街に戻ろう。


「やる気がでない…。ログアウトして時間まで休んでいるのが吉ね」


 疲れに伴ってやる気も無くなってきたのでログアウトすることにする。幸いイベント開始の時間までは45分ほどある。その間にティータイムね。体感時間的に5日間も紅茶が飲めなくなるのだから。それを考えると早急に紅茶の開発をしないといけないわね。ゲーム内ならいくらでも飲めるはずだし、いつ取り出しても淹れたてと同じ味が楽しめるはず。おっと、脱線したわね。とりあえずログアウト。それから至福のティータイムだ。


「あ、お姉ちゃん、ちょうどいい所にきたね」


 ログアウトして、意気揚々とリビングに向かうと、妹がいました。


「…予想はできているけれど、一応聞いておくわ。何でログアウトしているのかしら」

「早めのお昼ご飯作って」


 予想はしていたけれど、ここまで予想と結果が合致すると言うことがないわね。早く至福の一時を過ごすために昼食を作ってしまおう。


「…お姉ちゃん、結構手抜きだね」

「紅茶の為よ、仕方ないわ」

「そこまで自信満々に言われても」


 時間がかからず、大した手間もいらないと思って作ったのはフレンチトースト。飲み物は自分で用意してもらうことにした。作り方は至って簡単で、卵と牛乳を混ぜ、そこにパンをひたしてフライパン焼くだけ。


「ほら、文句言わないで食べなさい。余り時間も無いのだし」

「はーい」


 間の抜けた返事をしながらフレンチトーストにかぶりつき始める柚子。素手で掴んだら手が汚れるでしょうに。あ、こら、スカートに擦るんじゃない。布巾を取り出して柚子に渡し、私も自分のフレンチトーストを食べ始める。食べている間ももちろん紅茶を飲んでいるが、食べ終わった後ももちろん紅茶だ。これだけは絶対に譲れないわ。


「ああ、もう時間なのね…」


 あれから幸せな時間を過ごしていたのだが、そういう時間ほどすぐに過ぎてしまうようで、もうすぐイベント開始の12時になってしまう。時間が進むのが遅くなってくれたりはしないものだろうか…。まあ、時間は時間。こんなこと考えても仕方がないわね。


「ほら、お姉ちゃん、間に合わなくなっちゃうよ」

「はいはい」


 柚子に急かされてWWOにログイン。ただ今の時刻は11時55分、ポータルを使って第一の街の広場に移動。広場がイベント参加の受付場所なのだ。そして暫く待っていると、


「やあ」


 映像の映し出されたウィンドウが突如として開き、やけにフレンドリーに柳沢が挨拶をしてきた。そんなのでいいのか、社長。


「さて、いきなりで申し訳ないが、現在集まっている人はイベント参加希望者だと思われるが、参加を希望していない人は少し離れてくれたまえ。そのまま参加する人はもう少し広場の中心の噴水に近づいてきてくれたまえ。ふむ、よろしいかな?では今から特別サーバーに移動する。少し浮遊感を覚えるかもしれないが、そのままじっとしていてくれたまえ。すぐに終わる」


 と、続けざまにそれだけ言い終わると、いきなり重力が失われたかのような感覚に見舞われ、視界が白く染まる。しかし、それはすぐに収まり、視界が戻ってくると、少し開けた森のような場所に居た。


「改めて、諸君、私は柳沢だ。すでに知っているプレイヤーが多数を占めているだろう。今から諸君らにはこのイベント特設フィールドで5日間の野営をしてもらう。」


 その発言に多数のプレイヤーが驚いているが、もしかして、長時間を過ごすだけの用意をしていないのだろうか。私も万全と言う訳ではないけれどね。そういえばユズとサクラ姉ぇはどこに居るのだろう。…あ、見つけた。話しかけるのは後にしましょう。


「続いて、このフィールドにはいくつか財宝が隠されている。5日間でそれらを探して見るのもいいだろう。中には通常のプレイでも手に入るものもあるかもしれないが、君たちの力になってくれるだろう。それから、5日間の野営中に取った行動でポイントが加算される。そのポイントの多さで順位を決めさせてもらい、順位が良ければ良いほどイベント最終日に良い報酬がもらえると思ってくれたまえ。」


 これを聞いて先ほどの驚きなどが無かったかのように沸き立つプレイヤー達。結構単純なのね。


「最後に、このイベントの為に用意した魔物やドロップアイテムが多数あることを伝えておこう。手に入るのは今のところこのイベントのみなので是非持って帰ってくれたまえ。では失礼する。――――――…ふぅ、なんかどういうキャラで行けばいいのか分からないな…え?マイク切れてない!?本当だ!―――」


 …何か最後が締まらなかったけれど、気にしないことにしておきましょう。周りのプレイヤーの表情も微妙な物になっている。ともかくはこのイベントを楽しむことが先決ね。


「おーい!お姉ちゃーん!」


 遠くから聞こえてくるのはユズの声。急いでユズが呼んでいる場所に走っていく。


「珍しいね、お姉ちゃんが走ってくるなんて」

「あんなに大声で呼んだら目立つでしょう!?」

「あー…、お姉ちゃん昔から目立つの嫌いだもんね」

「全く…、ところで、サクラ姉ぇは居ないのね」


 周りを見回すが、サクラ姉ぇらしき姿は見えない。別の場所にでもいるのだろうか。


「サクラお姉ちゃんはギルドのサブマスやってるから、多分そっちに行ってると思う」

「いつからギルドに入ったのかしら?」

「つい最近できたギルドらしいけど、結構人数多いらしいよ」


 そういえばそんなものあったな、と思いつつ話を続ける。しかし、こういう場ではそういうのをすっぽかして真っ先にこっちに飛びついて来そうなものなのだけれど、まあサクラ姉ぇも変わった、と言うことにしておきましょう。


「まあ、そういう訳でお姉ちゃんと一緒にはできないだろうね」

「少し残念ね」


 このゲームをやり始めて何かをすると言えば良くついてきたサクラ姉ぇが居ないとなるとやはりさびしいものはある。家を離れて一人暮らしを始めると行った時も少し抵抗を覚えたものだ。だが、プレイスタイルや何を目標にやるかなどは個人の自由なので流石に無理を言って協力してもらうのも悪い。


「そういえばユズ、あなた自分の友人は放っておいていいのかしら?」

「ん?向こうで少し待っててもらってるから大丈夫」

「余り待たせるのも悪いでしょうから行ってきなさい」

「お姉ちゃんはどうするの?」


 ユズの質問に少し考えるしぐさをしてから、すでに決まっていた答えを出す。


「私は…ソロで良いかしらね」

「…お姉ちゃん、せっかくのイベントなのにソロプレイなの?」


 何か妹が哀れみの視線のような物を向けて悲しそうに言って来た。いや、ユズもサクラ姉ぇも自分のパーティーやらギルドやらがあるんだから、そういうの持っていない私は必然的にソロになりそうなのだけれど…


「別に一緒になってやるような人なんていないし…」

「なら俺が組んでやろうか?」


 聞きなれた声が後ろから聞こえる。予想するまでもなく、


「ユージ、あなたも自分のパーティーがあるんじゃないの?」

「んー?いや、人手が足りなくてな、まだ俺含めても3人しかいないんだ」

「へぇ、それで?」

「いや、だから組まないか、って聞いているんだが…」

「正直面倒ね、どうせ生産できるプレイヤーがその中に居ないから私を誘っているんでしょう?」

「半分くらいはそうかな」


 顎に手当て、眉間に若干の皺を寄せながらそう答えるユージ。何か企んでいるときは必ず顎に手を当てるのがコイツのくせだったりする。


「で、それが半分なら残りの半分は何なのよ」

「単純にお前のプレイを見てみたい」

「…言っておくけれど、夜になるまでは私は生産活動しかできないのよ?」

「承知の上だ。と、言っても残りの2人にも聞いておかないと悪いな」


 そういって、何やらメニューを操作し始めるユージ。恐らくフレンドチャットか何かで連絡を取っているのだろう。


「OKもらえたぞ、後はお前次第なんだが、どうする?」

「実際にその2人を見てから決めさせてもらうわ」

「そうか、じゃあこっちだ」


 一緒に来いと手招きをしてそのまま何処かへと歩いていくユージ。少しは私のことも考えなさいよね。そんなにどんどん進んで行かれたら走らなくちゃいけないじゃない。全く、これだからユージは…少しは人のことも考えなさいよね。


「はぁ…」

「遅いぞ、早く来いよ」

「あんたねぇ…私のこのアバターじゃ歩幅が小さいんだからそんなに早く歩けるわけないじゃない」

「ああ、そうだった。更にちっこくなってたの忘れてた。すまん」

「…後で殴る」

「はいはい、あいつらはどこかな、っと」


 そういって、遠くを見るように手を額のあたりにかざしながら周囲をキョロキョロと見回す。少し見回した後に目的の人物を見つけたのか、私の手を引っ張って歩き出す。


「ちょっと、痛っ、腕が抜けるじゃない!」

「少しくらい我慢しろよ」

「痛た…で、結局誰なの?そのパーティー組んでるのって」

「ああ、あれだ。おーい、こっちだ!」


 ユージが声を少し張って、離れたところにいるプレイヤーに呼び掛ける。遠目なので顔までは見えないが、一人は赤い髪をした人族、もう一人は露出している腕に羽が着いているのでハーピィだろう。羽も髪も若草色をしている。


「遅いぞ、ユージ」

「悪い悪い」

「全然謝ってる感じしないね」

「そうだな」

「そんなことないだろ」


 最初に声をかけてきたのが赤い髪のプレイヤー。その次に口を開いたのがハーピィらしき種族のプレイヤーだ。…と言うかこの二人、


星夜(せいや) 未央(みお)?」

「大正解!さすが神崎さん、記憶力がいいね」

「と、いうわけでだ。この二人と一緒になるが、モミジどうするんだ?」

「うわ、ちっこい…」

「なんですって?」

「ナンデモナイデスヨ?」


 何かものすごく癪に障ることを言われた気がする。…気にしていても仕方がないかしら。


「まあいいわ、とりあえずゲーム内ではプレイヤー名で呼び合いましょうか」

「賛成」

「まあ、そうなるよな」

「で、良いのか?」

「まあいいかしらね」


 ユージが組んでいたパーティーはクラスメイトの二人だったとは思わなかったけれど、問題なさそうだし、大丈夫かしらね。

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