もやしっこって萌やしっ子って書くらしい
活動報告なるものを書いてみました
実際、外見と中身に四倍程の年齢差があるわけだから、好みの異性も必然的に自分の外見よりもだいぶ歳上ってことになる。
個人的にギリギリセーフなのは十五、六歳くらいからだろうか。
理想としては笑顔が素敵で可愛い女の子がいい。
胸が大きければさらにい……邪心滅法!
俺がロリコンなら今の状況は天国なんだろうがなあ。
生憎、幼女に萌えることはあっても恋愛対象として捉えたことはない。
お兄ちゃん、とか呼ばれてもぬいぐるみに可愛いと思うのと同じテンションで可愛いと感じるだけだ。
しかし、許嫁とは。
一応は予想していたが、政略結婚が実際に行われていそうである。うちの家の格が低ければ婚約の話は断りにくいだろうし、身分差がありすぎれば断れるという選択肢は与えられないだろう。
「ディレット様、私の娘は気に入りましたか?」
まあ、こいつのへこへことした様子を見るに、貴族としての階級が低いのは向こうの方だろう。
俺が幼い内に婚約させてつばつけようって魂胆なのか。
両親が普段からイチャイチャしてるのをみるに二人は恋愛結婚のようだし、俺が好きだと言えば反対される可能性は薄いと踏んでの行動だろうな。
最悪、良い印象を与えられなくとも、悪い印象さえなければ知り合いという縁を得ることができる。
まあ、仲良くはしないがな。
取り敢えずびくびくしながら話してみるか。高飛車タイプのお嬢様は物怖じして何を言いたいのかわからない人間が嫌いだろうからな。貧弱なもやしっこのイメージをつければいいだろう。
「……は、初めまして。ディレットと申します…」
よし、相手の眉間にシワが寄った!
後は目線を合わせずに俯きかげんになっていればいいだろう。
「お父様私この人うじうじしてて嫌いだわ!」
よし作戦大成功!
それにしても浅はかな子だな。身分差というものがわかっていないのか?いや、このくらいの歳ならこれくらいが普通か。
親が親だしな。
その親はというと、顔面蒼白というにふさわしい顔色の悪さである。
まあ、娘の発言が発言だからな。確実に俺や両親からの好感度は下がる。
そんな顔するくらいなら前もって、娘に仲良くするように念を押しとけよって話だが。
「どうやらディレットはお眼鏡にかなわなかったようで。では私達はこれで失礼しますね」
冷ややかな父様の言葉で、婚約話は打ち切りとなった。