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メインヒロイン登場!(うそ)

誰だこいつ。


いきなり家族の暖かなふれあいの時間を邪魔され、絶賛機嫌急降下中である。


割り込んできたのが美少女か美女ならまだ我慢できる。

せいぜい、枝毛が急激に増えろと思うだけだ。

だがその姿が、にやけ面をひっさげ腹がだらしなく垂れている中年オヤジとくれば話はまったく別物だ。

具体的にいうなら、娘に臭いと言われる呪いを掛けたい衝動に駆られる位に違う話となる。

実際にそんな呪いが存在しているのかは知らないが。


「…ディレット、こちらは、私と同じ学院に通っていた〜卿だ」


あ、父様が物凄く嫌そうな顔してる…


「…はじめまして、ディレットと申します」


一応、失礼にはならないような、作法としては最低の礼をわざとらしくゆっくりとした。


「挨拶といい、今といい、優美な礼ですな。ご子息がこれ程優秀なら、デュッセルドルフ家はもう安泰が確定したも同然でしょうな!」


皮肉を吐かれ、失礼過ぎたかと一応は謝まるために相手と目を合わせたが。

気持ち悪っ!

生理的に受け付けない相手だったようで、鳥肌がざざざっと全身にたった。

夏に部屋の隅で楕円形のあいつにあったときくらいの圧倒的気持ち悪さ。

しかも、さっきの発言を皮肉で言ったわけでは無さそうな…


まさか俺の挨拶がヘタクソだったとか。

いや、でも両親は褒めてくれたし。

五歳児に気を使っただけ?


ぐるぐると頭の中でネガティブな想像が渦巻く。


「そうそう、私の娘もこのパーティーに参加しているのです。ご挨拶しなさい、ペティ」


話をまったく聞いていなかったら、誰かが駆け寄ってきた。


「ペティ・ルネティブルと申します。どうぞよろしくお願いいたしますわ」


なんだかやたら偉そうにしている奴が話しかけてくる。

なるほど、自分の子供を紹介していたのか。俺も一応、挨拶した方がいいのだろうか。


「どうです、私の娘は。領内でも評判の器量良しなんですよ」


いや、嘘吐くなよ。

お世辞にも、可愛いだとか綺麗だとか言われる部類の顔では無い。

初対面の俺にやたら高圧的だし、性格も悪そうだ。

あまり仲良くしたい種類の人間では無いな。


「ディレット君と歳も近いですし、許嫁にいかがですかな」


はい!?

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