回復特化、だと…!
お気に入り登録が一件あるだと…!あ、ありがとうございます!なまらびっくりしました。
俺が、金髪美女に抱き抱えられるという俺得ハプニングで初体験の柔らかさに出会い、それが原因でショートしかけた頭を立て直して数時間後。
あ、やっぱ転生したんだわ。と、俺は一人納得していた。
なにせ、多分母親であろう例の金髪美女が目の前で魔法を使ったのだ。
突然、やっぱりなにを言っているのかわからない言葉をぶつぶつと呟き出したと思ったら、彼女の人差し指に柔らかな光が灯った。
俺がぎょっと硬直していると、金髪美女が光のついた指先を上にあげくるんと一回転させたあと光が消えた。
びっくりしたね。度肝が引っこ抜かれたさ。
光が指先にあった時間は長くなく、俺は彼女がなにをしたかったのかまったくわからなかったが、しかし。さきほどの現象がマジックの類いではないことくらいわかる。あれは、そんな種も仕掛けもあるようなテクニックではなく。
―魔法
その考えに行き着いたことで、一気にテンションがあがる。
魔法のテンプレでいうと、あれは光属性的なものなのか。
魔法に血筋が関係しているなら、俺にも魔法が使える可能性が出てくる。
もしかしたら小説のように無双が出来るかもしれない!
爆炎をあげたり鎌鼬で敵を薙ぎ倒したり!
一人で最強の自分を思い描き盛り上がっていたが、ふとあることに思い当たりすっと現実に引き戻される。
…光属性ってことは、まさか回復特化?
そんな訳で、今の俺のテンションはやや低下ぎみだ。
いや、だって、回復魔法ってね、地味だし。敵をばったばったと倒したり出来ないわけだし。
そりゃ、勿論。なくてはならない存在であることは十分にわかっているし、場合によっては攻撃する魔法よりも重宝されることは多いだろう。
だがしかし!そんな献身的で健気、守られる愛されポディションは可愛い女の子の役割だろっ!
なにが悲しくて野郎が守られなきゃいけないんだ!そんなのを守る奴らの気合いも駄々下がりじゃないか!俺だったらすぐさま踵を返すね!
まあ、属性については希望はまだいくつか残されている。例えば、血筋に関係なく魔法の才能が現れるという、テンプレパターンそのニ。
これにはそもそも俺に魔法を扱える才能がまったくないという絶望的なエンドが待っている可能性もあるからあまり積極的にこれがいいとは思えない。
俺的にベストなのは両親の属性が子どもの属性にまったく関係なく魔法の才能は影響するというテンプレパターンその三。だが、それを望むのはご都合主義が過ぎるというもの。
あ。さっきの自分の発言で気がついた。もし父親が他の属性持ちだったら攻撃魔法を使えるかもしれない。
…これも確かめるすべはないがな。