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朝チュンにはロマンがある

気がついたら朝でした。


昨日のダーリンハニー呼び発覚の衝撃で固まっていたら、いつの間にか寝てしまったようだ。


腕を伸ばしながらゆっくり起き上がり、のそのそと服に腕を通す。

貴族に有りがちな、メイドさんに服を着替えさせられるなんてドキムネイベントは我が家では起きないのだ。


そもそも俺には専属メイドさんなんて夢の詰まった存在はついていない。

敢えて言うなら、セバミが俺の世話をよくしてくるがセバミは割りと筋肉質な執事、つまりは男だ。

今まで話題に上らなかったが、セバミはとても整っていて美しい中性的な容姿をしている。メイド服を着せたら美女にしか見えないだろう。

それにしても、周りに美男美女しかいない気がする…。もしかしてこれがこの世界のスタンダードの外見なのか?鏡をみてイケメンキタコレとか考えていたがまさかの俺フツメン?


い、いやいや。使用人の条件として整った容姿、とかがあるはずだ。体面的な問題で!


一人部屋の中でフツメン疑惑に悶えていると扉からノックの音がした。


「お坊ちゃん、セバミです。準備は出来ましたか」


着替えようとしてから随分時間がだっていたようだ。

慌てて途中だった着替えを再開し、鏡の前でチェックを入れたところで部屋からでる。


最後は急いだといえ、我ながらしっかりとした格好のはず。


「お坊ちゃん、また何か考え事をしていましたね。髪の毛が乱れてますよ」


前言撤回。つめが甘かったようだ。

しかし、また、とは。妄想癖があるように思われていたのか…。気をつけなければ。


「お父様とお母様がお待ちですよ。朝食の時間に間に合うよう、お急ぎ下さい。」


しまった。今日は一緒に朝食を摂るように言われていたんだった。

よし、走るか。

決めるが早いが俺は一目散に駆け出した。


「お、お坊ちゃん!?」


後でセバミからのお叱りがありそうだが気にしない!美人な母様と朝から会えるこのチャンス、逃してなるものか!

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