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「私、ポルテナって言うの。よろしく」
「ポルテナ?変わった名前だね。私はハナ」
ポルテナ。私は、何故か彼女をみて、世界を繋ぐ何かを握っているような感じがした。
「っでポルテナは、どうして私の血が欲しいの?」
「私、次の女神に選ばれたのよ。それが、嫌で女神様の所へ行く最中貴女に出会った。私は、思ったのよ。女神にそっくりな貴女ならって」
私の目の前に次に女神になる人柱になる人がいる。
守らないと
って何故か思った。そして、不思議と足は、アルトがいるギルドにに向かっていた。
「ハナ!」
アルトは、どうやら私を心配して、此処に来たようだ。そして、私が魔女であるポルテナの手を握っていることに気づいたのか、私を引っ張る。
「聞いて、アルト」
「行くぞ」
無理矢理引っ張るアルトの手を振りほどき、私は、ポルテナの近くに行く。
「聞いてよ!わたしのはなしを聞いて」
「………
言いたいのは、解る。こいつは、アルカの次の女神だ」
っとアルトは静かに言った。何で解ったの?アルト?どうして、私の目を見ないの?
「どうして、どうして?」
「……………」
「アルト?アルトって、いったい何者なの?」
ずっと気になっていたこと
世界の理を反して私を守ると決め、私を好きになろうとした。
「……………」
「ねぇ、アルト。どうして答えないの?どうして教えてくれないの?私、アルトを信じているよ。だから教えて、アルトは、何者なの?」
「……………俺の本当の名前は、アルトではない」
アルトではない。
アルトは、私を見て手を握る。
「アークル」
アークル。
アルトの名前はアークル。
「俺の名は、アークルだ。俺は、この世界の神だ」
そして、世界の神。
アルトは、アークルという神様。本当の神様。そして私の目を見て言った。
「どうして、俺がお前を助けたか本当の理由をおしえてやろうか?」
私がこの世界に来た本当の理由。アルトが私を助ける本当の理由
私は、何かを忘れている。
いや、私は、この世界に来たのは、つい最近ではない。
そして私は、ハナじゃない。じゃあ誰?
「帰ろ。ハナ」
帰るって、何処に?
私が、帰るべき場所は、アルトの所じゃあない
「嫌だ…!嫌だっ!」
っと思いっきり手を振りほどき走った。
誰も信じない。誰も信じられない。
怖い。誰か助けて
走って、走ってたどり着いた場所は、アルカが眠る大樹の前。
「アルカ…私は誰?誰なの?」
私とそっくりなアルカ。君は、女神じゃあ無いよね?
私は、知っている。この世界の本当の名前を
だけど、思い出そうとすると頭が割れそうに痛い
苦しい。悲しい。世界を守りたい。大地を守りたい。
「私は…人間じゃあない…」
そうだ。私は、人間じゃあない。
そして、魔女でもない。いや、この世界には、生物はまだいない。
いや、生まれるはずだった。
アークルは、許さなかった。生まれてくる生物を殺し続けていた。
そんなアークルの行動を私は、許さなかった。
私の名前は
「イフティナ」
花の精霊。
私の名前はイフティナ。花の精霊イフティナ。
そうだ。私は、アークルに封印されたんだ。アークルは、私が邪魔だった。邪魔だからこの大樹に封印されてしまった。
だけど私は、封印される瞬間に力の一部を残してた。何とか、形になるるとは出来た。けれども私は、記憶を失っていた。
アークルは、そんな私に偽物の記憶を作り夢を見させ二度と目をさませないように見張っていた。
だけど、世界は違った。
「ただいま私、お帰り私」
世界は、私の帰りを待っていた。
アークルにアルトにかけられた魔法は、シンデレラというおとぎ話の様に甘い、温かいものだった。
「だけど私は、あんたを許さないよ」
あんたが、作り上げた理も
あんたが、作り上げた偽者の生物も
世界は求めては無いのだから
世界は、アークルを感謝していた。当然私も感謝している。
アークルがいないと私は生まれなかった。好きだよ。アルト。アークルではなくて、アルトとして私は好きだよ。
「封印が、解けかけてる」
私が願った世界をアークルは、作ってくれた。甘い、甘い想い出。この封印を解いたら私は、私ではなくなる。もう戻れないかもしれない。でも、わたしは…
「さよなら、サブレットおばさん。
さよなら、マリー。
さよなら、ハンクさん。
さよなら、テキスさん。
さよなら、フェニ姉さん。
さよなら、ハナ。
さよなら、アルト。
さよなら、アルカ」
私が帰るべき場所に帰ることに決めたよ。だけどね、アークルがくれた記憶を忘れない。
「思い出したんだな、イフティナ」
っとアークルは、言った。
「ねぇ、アークル。あんたは、どうしてこの世界に来たの?」
アークルは、この世界には、元々居なかった神様。この世界には、海がなかった。いやその前にこの世界は、消えかけていた。大地しかない世界に水の神アークルが現れた。
海という物が生まれた時私たち精霊が、生まれた。そして私たち精霊は、生命を生もうとした。
それをアークルは、邪魔をした。世界は、望んでいないからだと
「……………泣いていたからだ」
泣いていた。
「俺は知っている。生命が生まれれば、争いもある。精霊を殺すやつもいる。それよりも俺が憎いのは、自然を壊す奴らが、許さない」
アークルは、自然を愛している。私は少しだけ嬉しく感じた。
「アルトは、結局生命を愛しているんだよ。私たち精霊も生命で、私たち精霊が生んだ植物も生命なんだよ。アルト。本当は、寂しかったんだね。辛かったんだね。だからあんたが、居た元の世界を私に見せたんだね?もう大丈夫だよ。アルト。私達なら出来るよ。一緒に守ろう?アルト」
アークルが見た世界は、私は知らない。でも、結局はアークルは、私たち精霊を愛していた。
好きで、好きで、好きだった。
私を守るために、精霊を守るために、歯向かう私を封印してた。
「好きだよ。アークル。好きで、好きで、好きだよ。当然、世界がこの世で一番好きだけど、あんたが、精霊を愛するなら、私たちは、世界とあんたとこれから生まれる生命を愛するよ」
っと微笑んで私は、自分の本体に触る。