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ラストチャンス  作者: 花染
出会いは一期一会。魔法は、0時で解けますよ。
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1

私は、夢を見た。その夢は、お父さんがいて、お母さんがいて、友達がいて、懐かしい夢だった。


毎日見ている夢なのに日々が過ぎていくにつれて、私は、皆の顔が見えなくなっていった。


ぼやけていて、モザイクがかかっているようで、少しずつ私は、両親と友達の顔も声も忘れていく。





「ハナさん!」


っとマリーさんが私を呼ぶ。

此処に来て、もう4ヶ月たつ。私は、相変わらず、こうしてパンを売っていた。


「マリーさん。もう、さん付けは止めてよ。ハナで良いよ」

「そうね。じゃあ、ハナもさん付けは止めて」


っと微笑んだ。うん。マリーさんの笑顔は何時も可愛い。


「うん。ありがとう」


そうだよね。もう4ヶ月だもんね。何時になってもさん付けは嫌だったし、呼び捨ての方が良かったし、今日から私は、マリーさんをマリーって呼ぶことができた。


「パンを下さいな」

「はい!」


っと振り向いた。

んんんん???おっと、これは、これは、よくおとぎ話で、出る魔女ではないですか。

ハロウィーンがあるのかな?


「ヒッヒッヒッヒッありがとう」


ヒィーーー!?怖すぎる。ホラーだよ?ホラー!え?ハロウィーンじゃあないの?この人本物の魔女?魔女なの?

魔女さんは、ちゃんとお金をくれたけど、ついでにトカゲまで、くれたけど…いらないよ!

死んで、干からびたトカゲなんて怖すぎるよ!


「まままままマリー」


っとそのままマリーの方へ向く


「何?ハナ?きゃあああああ!!!」

「ぎゃああああ!!!」


手の上で、トカゲが、死んだトカゲがああああ!

手の上で、うごつごしてる!うごうご!!


「わわわわ!ヘルプミー…!」

「ノーー!!」

「マリーーー!」


色んな意味で涙が止まりません。


そして、あれから一時間通りすがりの勇者と言う優しい人に助けて貰った。


「魔女っているんだね。カオスだよ。怖すぎるだよ。ホラーだよ」

「ごめんね、ハナ。私、虫ダメなの」

「トカゲは、爬虫類ですから!」


そして、肉食です。

マリーって天然なの?可愛いけど、悔しいほど、可愛いけど…!


「っで、どうするのこのトカゲ」

「んー…食べる?」

「食べません」


だよねー、そーだよねー誰も美味しくいただませんよねー


「マリーって、魔女からこんなの貰ったときどうするの?」

「ん?私は、ギルドの人にあげるわ」


さてはて、ギルドに持っていくの事が、出来るのに何故、取ってくれなかった事は、スルーしてっと

これをどうギルドに持って行けば良いのだろうか?


「そー言えばどうして動いたのかな?魔法?」

「え?当たり前よ」


当たり前っと返されました。

初めて知ったよ。この世界に魔法と言う不思議な力があるんだと


「え?マリーって魔法使えるの?」

「使える以前にこのパンは、魔法のパンよ?」


んんんん???おっと意味が解らないぜ。魔法のパンですか。皆に幸せを分ける為にパンを売るだね?


「あー…ハナは、記憶喪失だったね。

このパンには、魔法の粉が練り込まれていて、売る人、作った人、食べた人の心に反応するの」

「あーだから、幸せを分けるんだね」


これで納得した。

魔法っか。もし、私が魔法が使えたら空を飛ぶよりもネバーランドに行くよりも、怪我を治す力が欲しいなぁ…



そー思いながら辺りを見る。

あれ?今日は、やたらと魔女さん大集合だね。うん、うん、そんな日もあるさ。


「ハナ」

「なに?」

「逃げるよ」

「うん」


こんなところにいたら心臓がもちません。私は、初めて知ったよ。魔女が、こんなにも怖いってことを

何もされてないけどね。


マリーと図書館へ向かい辺りを見る。此所は、魔女は、いない。


「私、ミスちゃった」


っと星がつくほどのノリでマリーは言った。うん。何をミスったの?


「今日は、年に三回魔女が来る日なのよ」

「へー」


私あれを見て呪われるかと思ったけど、大丈夫だと思う。生きてるから


にしても、魔女も暇なんだね。あ、魔女も生きてるから食べ物屋を補充しないとダメかって、そいうレベルではないッか


だって祭り並みなもんね。


「大丈夫だよ」


っと微笑んで、歩こうとしたその時、私の腕を掴む魔女がいた。


「見つけた」

「???」


よく解らないけど、見つかった。


「血を下さい」


っと微笑んで、手を差し出す。血って言ったかな?献血?いや、医者らしき人は、居ない。


とりあえず、パンを渡してみた。


「ひをくだしゃい」


パンを食べながらまだ血と言っています。さてはて、どうしょうか。


「私は、知っている。貴女の秘密を」


秘密?

秘密って…


心当たりがあるのは、一つしかない。

でも、違う。誰も知らない。知っている筈がない。


「何故わかったの?私が“今ダイエットしてること”」

「そんなこと、知りません」


だよねー


魔女は、耳元に口を近づ呟いた。


「━━異世界人━━」


鳥肌が出る。どうして、解ったの?何で、解ったの?何時?落ち着け。

魔女は、不気味に笑い私を見る。


「血をちょうだい。貴女の血が欲しいのの。ちょうだい。血を血を血を血を血を血を血を血を血ヲ血ヲ血ヲ家ヲ血を血を知を血を血を血ヲ治を血を血を血を地を血を血を血を血を血を血を血を千を血ヲ血を血を血を血を池を血ヲ血を血を…━━━━━」


壊れたかのように魔女は、言う。

怖い。殺されるかもしれないって思った瞬間、体が震える。


アルト助けて。


「助けて。アルト」


まだ、私は、死にたくない。



とりあえず冷静に考えよう。

まだ、死ぬわけではないだよね。深呼吸をして、脳みそまで、酸素を送りつけて


大丈夫。


「異世界人ってなに?それよりもパンを食べたんだからお金」

「……わざとらしい」

「お金」


っと微笑む。魔女は、顔をそらす。


「お金。お金お金お金お金お金…金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金…━━━」


真似をしてみた。そして、不気味に微笑んだ。


「それが出来ないなら、今すぐ私に着いてきて」

「いや!

それよりも私より怖いって凄い才能ね」

「よし、死刑ね」


っと手をパキポキと鳴らす。


「ッヒ!」

「大丈夫。痛いのは、始めだけ。何度も何度も、同じところを殴れば、皮膚も麻痺をして、痛く感じなくなるからね。

どこが良い?顔?あ、顔は、ダメだね。可愛い顔がパンパンに腫れたら台無しだもんね」


っと適当に言葉を並べて脅してみる。

そして、魔女さんに向けすれすれのところで、わざとはずし


綺麗な笑顔で


「さぁ、どうする?」

「着いていきます」

「よろしい」


なんとか脅しは、成功したみたい。


強気ならないと。弱音なんてはくよりも、人に頼るよりもずっと楽なんだから


人に迷惑なんてかけたくない。私は、強い子なんだから。私は、暴力女なんだから


「あの…」

「何?」

「怖くないの?」


っと魔女は、聞く。怖い?そりゃあ怖いよ。でも、私は、平気な顔をして


「は?怖くないに決まってるじゃない。あんたも私も同じ人間だよね?」

「!!!………貴女みたいな人初めて」


うん。私もこんな不気味な人初めてだよ。




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