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ラストチャンス  作者: 花染
プロポーズから始まる恋愛も良いかもね
6/9

5

ハーブパンは、全部売れた。私、笑えた。心から笑えた。


作り笑顔ではなく、本当の笑顔でパンを渡された。


不幸じゃないって思っただけで、こんなに幸せになるなんて思ってもなかった。


誰かにこの気持ちを伝えたい


「アルト!私、笑えたよ!」

「貴様は、バカか。貴様は、何時もニコニコしているだろ?」

「確かにそうだけど…私、気づいたの…不幸じゃない。いま生きている事が幸せなんだって思ったらパンが売れて…」

「売り子が、幸せが大きいほどパンは売れるんだよ。何せ幸せを分けるだからね」


だから、パンが売れなかったんだね。私は、ずっと不幸だと思っていたんだ。怖かった。幸せになったら帰れないって思ったら


死にたくない。逃げ出してもよかった。だって、私を殺すことが出来るのは、アルトだけ


でも、私を守るって言ってくれた。私に居場所をくれた。


今、私の居場所は、アルトだけ


生きている事が幸せならそれで良い。アルトに殺されるなら幸せだよ?だって、これから好きになる人に殺してくれるなら幸せだと思う。


「と言う訳で…アルト、ありがとう」


っと微笑んで、抱き締めた。


好きだよ、って言いたい。

この気持ちが偽りだとしても私は、アルトを好きになっていくのが、解る。


好きだと思って、好きになって、好きだと言える。けど、偽りなのかな?


人を好きになったことは、ないからトキメキとか解らないけど、私は、思った。きっとこの気持ちは、もう二度とないだと



「ハナ、苦しいからやめろ」

「あ、ごめんね」


っとアルトから離れて、みんなを見る。んん?何で、皆にやけてるの?


…………


「っは!私、人前で何てことを…!!!」


なんてこった。私は、この大勢の目の前で、アルトを抱き締めてしまった。


わわわわアルトは、平然なのに、なのに


「ハナ」

「はい!」


声が裏返った。


「………今日は、ミネストローネだ」

「う、うん」


っと立ち去った。

何で、あいつは動じない!?神経質が可笑しいよ!なんだよ。バカ!もう!何で、私、一人で動じてるだよ。


皆の視線が痛い!痛すぎる。ちくしょうアルトのやつ逃げやがって


帰ったら噛みつこう




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